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Another Day 3 【射手座午後九時☆Too late】
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透たちは巨人達の集落へと案内され、飛行艇を降りた。
「おーここが巨人族? の集落か!」
周りを見るとサイズこそ大きいが煉瓦造りの建物がそこかしこに建ち並びさながら中世ヨーロッパのような佇まいを醸し出していた。そして、その奥に透たちのサイズの街並みが見えた。
「あそこは同じくらいの大きさでござるな?」
「ホントだわ? 私達と同じ大きさの人もいるのかしら?」
「ワレワレヨリ、マエノセダイ、ソレトノリモノノ、キカイヲツカッタモノガアナタタチト、オナジオオキサ」
「そうなんだ」
透たちは同じ大きさの人たちがいる場所に足を踏み入れる。すると本当に人間が歩いてきた。どう見ても地球で言う西洋人で金髪や赤い髪で色の白い人たちだった。
「こんにちは」
透は思い切って挨拶してみる。するとその中の一人がこう答えた。
「Hello! It is a pleasure to meet you(こんにちは! お会いできて嬉しいです)」
「へ? もしかして? 英語?」
透はちょっと驚いて、桜に聞いてみる。
「今、英語だったよね? 桜」
「確かに英語だったわよ、Do you speak English?」
「Yes. I Speak English」
「あーちょっと待った、みんなポカーンってなってる」
英語がわからない異世界チームは、何を言ってるのか解らず一様に首を傾げていた。
「アリス、地球の言葉をこっちの言葉に翻訳してくれ。みんな通信機つけてもらえるか? 言葉がわかるようになるから」
「わかった」
「でござる」
「ですです」
「わかりましたわ」
「あちきはわかるでありんす」
『マスター、翻訳始めます』
「あいよ、で、なんで英語? 地球から来たのか?」
【はい、私達は地球から来ました。長い旅をしてこの星にたどり着いたのです。と言っても我々の二世代前のマイクローン達ですがね】
「今、マイクローンって言ったわ、やっぱり影響あるのかしら?」
「桜も目ざといな、まあなんとなく言いたいことはわかるが、で、長い間ってどのくらい?」
【百年ほどかかったらしいと聞いています】
「だとすると、地球って西暦何年なんだろう?」
【そのへんは私にはわかりませんが、宇宙船のログにはあると思います】
「そうなんだな、わかりました。後で宇宙船を見せてもらえますか?」
【いいでしょう、同じ故郷の人ですから、では私達の家で食事でもどうですかな?】
「お腹空いたです!」
「拙者もでござる」
「私もだ」
「皆さんはしたないですわ、でもそうですね」
「みんな一緒でもいいですか?」
【構いません。どうぞどうぞ】
透たちは、マイクローンの一人と一緒に家へと歩いて行った。
食事をとり、しばらくして、休んでいるみんなと別れ、透と桜、アリスの三人で難破した宇宙船へと向かっていた。
「あれね、思ったより荒れてないのね? 文字も読めるわ」
「確かに、US.SPACE.FORCE USF-1011HOPE OF HUMANITYって書いてあるな」
「人類の希望ね、方舟にようなものだったのかしら?」
「とりあえず、入ってみるか、アリス、亜空間転移」
『亜空間転移開始します』
透たちの前に亀裂が入り、亜空間へと繋がる。二人はその中に歩いていく。次に現れたのは宇宙船の船内だった。
「暗いな、アリス電源とかわかるか?」
『はい、発電ユニットを見つけました。エネルギーが何かわかりませんが、動くようです。起動させます』
アリスの言葉の直後にブーンと低い音がして、船内に光が広がった。
「おお、SFだな」
計器類の明かりが灯り船内の全体像が見えてきた。
「ここは艦橋の様な感じだな。席がある、あれが艦長席かな?」
「ホントだわ、十三さんが座ってそうな場所だわね」
「では、まずと、アリス、解析を始めてくれ。使い方を知りたい」
『わかりました、船内の情報を収集します』
透が艦長席を物色していると、アリスが解析を終え、何かを発見する。
『マスター、航海日誌の様な物を見つけました。それとこの船はワームホールを航行してきたようです。地球の近くにワームホールが出来たのでしょうか?』
「んー、どうだろう? 多分俺たちの世界とは違うから、地球も全く違うのかもな」
『航海日誌をモニターに出します』
「あいよ、桜! この船のことがわかりそうだぞ、こっち来てみ」
「うん、なにか見つけたのね」
二人はモニターを見つめる。そこには英語で書かれた日誌が映し出されていた。
内容は、地球の資源が枯渇していて世界は宇宙に資源を求め、宇宙開発が進んだ地球は違う恒星系へと移民団を送り出していた。その一つとしてこの船は、地球から遙か二十万光年離れた星へ行こうとしていた。ワームホールに大量の船団が入ったため不安定になり、事故が起きて、この星系に飛ばされたと書いてあった。他の船は行方不明、この船もイオンエンジンの故障によりこの星に不時着したらしい。
「なんかすごいわね、他の星に移民だなんて、やっぱり石油とかなくなっちゃうのかしら? 私達の世界も」
「ああ、間違いなくなくなるさ、でも俺たちの世界の人間はしぶとそうだからなにか思いつくんじゃないのその内」
「希望的観測ね」
「まあ、いざとなれば俺が、ナノマシンズを発表するけどな」
「まあ、そうね、それがあったわ」
「しかし、という事は逆に直さなくても良いのか? もう地球には戻れないし」
「そうね、戻る方法もないし、戻ってもどうなってるやら」
「とりあえず、電源は復旧したから、外に出るか」
二人は扉のロックを外し、外に出たのだった、
「おーここが巨人族? の集落か!」
周りを見るとサイズこそ大きいが煉瓦造りの建物がそこかしこに建ち並びさながら中世ヨーロッパのような佇まいを醸し出していた。そして、その奥に透たちのサイズの街並みが見えた。
「あそこは同じくらいの大きさでござるな?」
「ホントだわ? 私達と同じ大きさの人もいるのかしら?」
「ワレワレヨリ、マエノセダイ、ソレトノリモノノ、キカイヲツカッタモノガアナタタチト、オナジオオキサ」
「そうなんだ」
透たちは同じ大きさの人たちがいる場所に足を踏み入れる。すると本当に人間が歩いてきた。どう見ても地球で言う西洋人で金髪や赤い髪で色の白い人たちだった。
「こんにちは」
透は思い切って挨拶してみる。するとその中の一人がこう答えた。
「Hello! It is a pleasure to meet you(こんにちは! お会いできて嬉しいです)」
「へ? もしかして? 英語?」
透はちょっと驚いて、桜に聞いてみる。
「今、英語だったよね? 桜」
「確かに英語だったわよ、Do you speak English?」
「Yes. I Speak English」
「あーちょっと待った、みんなポカーンってなってる」
英語がわからない異世界チームは、何を言ってるのか解らず一様に首を傾げていた。
「アリス、地球の言葉をこっちの言葉に翻訳してくれ。みんな通信機つけてもらえるか? 言葉がわかるようになるから」
「わかった」
「でござる」
「ですです」
「わかりましたわ」
「あちきはわかるでありんす」
『マスター、翻訳始めます』
「あいよ、で、なんで英語? 地球から来たのか?」
【はい、私達は地球から来ました。長い旅をしてこの星にたどり着いたのです。と言っても我々の二世代前のマイクローン達ですがね】
「今、マイクローンって言ったわ、やっぱり影響あるのかしら?」
「桜も目ざといな、まあなんとなく言いたいことはわかるが、で、長い間ってどのくらい?」
【百年ほどかかったらしいと聞いています】
「だとすると、地球って西暦何年なんだろう?」
【そのへんは私にはわかりませんが、宇宙船のログにはあると思います】
「そうなんだな、わかりました。後で宇宙船を見せてもらえますか?」
【いいでしょう、同じ故郷の人ですから、では私達の家で食事でもどうですかな?】
「お腹空いたです!」
「拙者もでござる」
「私もだ」
「皆さんはしたないですわ、でもそうですね」
「みんな一緒でもいいですか?」
【構いません。どうぞどうぞ】
透たちは、マイクローンの一人と一緒に家へと歩いて行った。
食事をとり、しばらくして、休んでいるみんなと別れ、透と桜、アリスの三人で難破した宇宙船へと向かっていた。
「あれね、思ったより荒れてないのね? 文字も読めるわ」
「確かに、US.SPACE.FORCE USF-1011HOPE OF HUMANITYって書いてあるな」
「人類の希望ね、方舟にようなものだったのかしら?」
「とりあえず、入ってみるか、アリス、亜空間転移」
『亜空間転移開始します』
透たちの前に亀裂が入り、亜空間へと繋がる。二人はその中に歩いていく。次に現れたのは宇宙船の船内だった。
「暗いな、アリス電源とかわかるか?」
『はい、発電ユニットを見つけました。エネルギーが何かわかりませんが、動くようです。起動させます』
アリスの言葉の直後にブーンと低い音がして、船内に光が広がった。
「おお、SFだな」
計器類の明かりが灯り船内の全体像が見えてきた。
「ここは艦橋の様な感じだな。席がある、あれが艦長席かな?」
「ホントだわ、十三さんが座ってそうな場所だわね」
「では、まずと、アリス、解析を始めてくれ。使い方を知りたい」
『わかりました、船内の情報を収集します』
透が艦長席を物色していると、アリスが解析を終え、何かを発見する。
『マスター、航海日誌の様な物を見つけました。それとこの船はワームホールを航行してきたようです。地球の近くにワームホールが出来たのでしょうか?』
「んー、どうだろう? 多分俺たちの世界とは違うから、地球も全く違うのかもな」
『航海日誌をモニターに出します』
「あいよ、桜! この船のことがわかりそうだぞ、こっち来てみ」
「うん、なにか見つけたのね」
二人はモニターを見つめる。そこには英語で書かれた日誌が映し出されていた。
内容は、地球の資源が枯渇していて世界は宇宙に資源を求め、宇宙開発が進んだ地球は違う恒星系へと移民団を送り出していた。その一つとしてこの船は、地球から遙か二十万光年離れた星へ行こうとしていた。ワームホールに大量の船団が入ったため不安定になり、事故が起きて、この星系に飛ばされたと書いてあった。他の船は行方不明、この船もイオンエンジンの故障によりこの星に不時着したらしい。
「なんかすごいわね、他の星に移民だなんて、やっぱり石油とかなくなっちゃうのかしら? 私達の世界も」
「ああ、間違いなくなくなるさ、でも俺たちの世界の人間はしぶとそうだからなにか思いつくんじゃないのその内」
「希望的観測ね」
「まあ、いざとなれば俺が、ナノマシンズを発表するけどな」
「まあ、そうね、それがあったわ」
「しかし、という事は逆に直さなくても良いのか? もう地球には戻れないし」
「そうね、戻る方法もないし、戻ってもどうなってるやら」
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