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討伐編

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 目的地すら指定して居ないとのは、明らかに俺を「亡き者にするつもり」と理解できた。

「どうでも良いが、目的地も教えて貰ってないよな?」

「あ~・・・確かに。討伐目的も知らせて貰えなかったよな」

「これで何も持たずに戻ったら戻ったで、言われんだろうよ」

「奴ならヤリかねんな」

 バルトすら「ヤツ」と言い始めた。

 彼騎士団の団長と言う地位すら疑いたくなった。

「まあ、適当に魔物を間引く事が出来たら戻って聞くとしよう」

「それしかねぇだろうな」

 そんな事を言って居ると、オークの一行団体がお出ましになった。

「おいおい、こんなオークに出会うのが当たり前なのか?!
 しかもハイオークまで居やがる」

「普通有り得ないだろうが、あの鬼畜が仕掛けてると推測すれば・・・」

「・・・当然の結果って事か。
 お前ら、一歩も動くなよ?アレクが動く事が出来ねぇからな」

「「「「は、はいっっ」」」」

 いきなり現れたオークにビビる当たりは、やはり騎士希望では無かった人材を当てられたんだと理解した。

 真っ先に俺が突っ込んで行くのはハイオーク。

 コイツさえ先に倒せば後は楽勝だからでは有った。

 瞬殺・・・したらドン引きされた(ドン引きは止めてくれ)。

 残りのオーク6体は3匹づつ、担当して倒す事に成功。

 体が消え、紫色の欠片が6個と赤が1個。

 それを拾って討伐の証明とするのが、この世界の方式らしい。

「しかし変だな。
 森の中央に近い場所ならオークに出会っても不思議では無いが、
 入り口から、そう遠く無い場所で見つかるとは・・・」

「森に異変が有ると見た方が良いだろうな。
 君らを森の入り口まで誘導する」

「えっ!?私たちを帰して下さるのですか?!」

「異変調査は流石に素人では耐えられないんだ。
 俺たちですら難しいかも知れない」

「そ、そんな状態で行くのですか!?」

「ああ。それが騎士だからな」

 何の苦行だよと内心、思ってしまうが鬼畜が何かしら仕込んで居るのなら、森の中央部だろうと睨んだ故、関係者以外を撤退させる事を判断したのだ。

 彼らが安全に位置まで連れて行き

「君らは俺たちが帰した事に気付かれると何をされるか判らないから、
 自宅へ戻って欲しい」

 と伝える。

「よ、宜しいのでしょうか。
 ルーカス様は見張って欲しいと願われておりましたが・・・」

「やっぱ監視要員」「・・・だな」

「構わんさ。気づかないと言われたが気付かれたので戻って来た、
 そして俺ら討伐に向かったと言えば大丈夫だ」

「「「え・・・」」」

「団長殿は俺とアレクをらしいからな。
 2人で向かったと知れば、これ幸いと言い兼ねん」

 本音を伝えたら驚かれはしたが、自分たちの身が守れると知り、安心した顔で戻って行ってくれた。

 俺とバルトで森の中央部へと向かい、とんでもない化け物と遭遇する事となる
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