34 / 92
討伐編
33
しおりを挟む
森に入ると鬱蒼と生い茂る背丈の長い草が行く手を阻んだ。
「バルトには殿を任せたい。俺が魁を務める」
「・・・このメンツだと、そうなるな」
後方から弱々しい隊員たちを守るには先頭を俺が行き、背中をバルトに任せるしか方法が考えられなかった。
「あ、あのっ…アレクシスさん、バルトさん。
俺たちは騎士希望では無くっ…」
「・・・気づいてるさ。だからこそバルトに背中を任せたんだからな」
「「「えっ!?」」」
「お前たち、気づかないとでも思ったのか?
俺やアレクは騎士を希望して王都を目指して来た。
だからこそ、希望して無い者と希望して居る者の差くらい
気付けるってぇもんだぜ?」
「そ、そんな・・・。ルーカスさんは自信満々に気づかないだろうと言ってたのに・・・」
「「あー・・・あいつ馬鹿だからな」」
バルトと声が重なったけど、同じ意見で助かった。
「奴は第一騎士団の団長では有るが、
奴は俺が王家の紋章が付いたナイフを持って居た
と言うだけで恨んでるんだよ」
「「うわっ」」「心が狭いっすね」
「そう言う訳だから君らは生き残る事だけ考えてくれ。
俺たちが守るからさ」
「そう言って下さるのは有難いですが、
大型の魔物が出たりしないのでしょうか?」
「・・・出たら出た時だよな、アレク」
「おい?!俺に全部、
任せる気か!?」
「それはしないけどな。多少は任せて良いだろ?」
「・・・仕方ねぇな・・・」
仕組まれたからと言って、「巻き込まれてしまった」彼らに頼る事は出来ない。
背丈ほどの雑草を隠して居た自分の剣で薙ぎ払いならが、奥へ・・・奥へと進んで行き、まずはスライムと遭遇。
スライムは敵意を見せなければ脅威では無いのでスルーに限る。
「あの阿呆は俺を殺す為にここを選んだ筈なんだが、
ここまで魔物が居ないのも珍しいな」
スライムを見たっきり何にも遭遇しないのが逆に不気味だった。
「他の魔物が逃げ出してしまう
何かが居るとか・・・か?」
「どうだろうな」
阿呆が「仕組んだ事」なら「何が有っても不思議ではない」と言う予想の範疇外の事が起きるとは誰も思って居なかった
「バルトには殿を任せたい。俺が魁を務める」
「・・・このメンツだと、そうなるな」
後方から弱々しい隊員たちを守るには先頭を俺が行き、背中をバルトに任せるしか方法が考えられなかった。
「あ、あのっ…アレクシスさん、バルトさん。
俺たちは騎士希望では無くっ…」
「・・・気づいてるさ。だからこそバルトに背中を任せたんだからな」
「「「えっ!?」」」
「お前たち、気づかないとでも思ったのか?
俺やアレクは騎士を希望して王都を目指して来た。
だからこそ、希望して無い者と希望して居る者の差くらい
気付けるってぇもんだぜ?」
「そ、そんな・・・。ルーカスさんは自信満々に気づかないだろうと言ってたのに・・・」
「「あー・・・あいつ馬鹿だからな」」
バルトと声が重なったけど、同じ意見で助かった。
「奴は第一騎士団の団長では有るが、
奴は俺が王家の紋章が付いたナイフを持って居た
と言うだけで恨んでるんだよ」
「「うわっ」」「心が狭いっすね」
「そう言う訳だから君らは生き残る事だけ考えてくれ。
俺たちが守るからさ」
「そう言って下さるのは有難いですが、
大型の魔物が出たりしないのでしょうか?」
「・・・出たら出た時だよな、アレク」
「おい?!俺に全部、
任せる気か!?」
「それはしないけどな。多少は任せて良いだろ?」
「・・・仕方ねぇな・・・」
仕組まれたからと言って、「巻き込まれてしまった」彼らに頼る事は出来ない。
背丈ほどの雑草を隠して居た自分の剣で薙ぎ払いならが、奥へ・・・奥へと進んで行き、まずはスライムと遭遇。
スライムは敵意を見せなければ脅威では無いのでスルーに限る。
「あの阿呆は俺を殺す為にここを選んだ筈なんだが、
ここまで魔物が居ないのも珍しいな」
スライムを見たっきり何にも遭遇しないのが逆に不気味だった。
「他の魔物が逃げ出してしまう
何かが居るとか・・・か?」
「どうだろうな」
阿呆が「仕組んだ事」なら「何が有っても不思議ではない」と言う予想の範疇外の事が起きるとは誰も思って居なかった
0
お気に入りに追加
144
あなたにおすすめの小説
クラスメイトのなかで僕だけ異世界転移に耐えられずアンデッドになってしまったようです。
大前野 誠也
ファンタジー
ー
子供頃から体の弱かった主人公は、ある日突然クラスメイトたちと異世界に召喚されてしまう。
しかし主人公はその召喚の衝撃に耐えきれず絶命してしまった。
異世界人は世界を渡る時にスキルという力を授かるのだが、主人公のクラスメイトである灰田亜紀のスキルは死者をアンデッドに変えてしまうスキルだった。
そのスキルの力で主人公はアンデッドとして蘇ったのだが、灰田亜紀ともども追放されてしまう。
追放された森で2人がであったのは――
外れスキル?だが最強だ ~不人気な土属性でも地球の知識で無双する~
海道一人
ファンタジー
俺は地球という異世界に転移し、六年後に元の世界へと戻ってきた。
地球は魔法が使えないかわりに科学という知識が発展していた。
俺が元の世界に戻ってきた時に身につけた特殊スキルはよりにもよって一番不人気の土属性だった。
だけど悔しくはない。
何故なら地球にいた六年間の間に身につけた知識がある。
そしてあらゆる物質を操れる土属性こそが最強だと知っているからだ。
ひょんなことから小さな村を襲ってきた山賊を土属性の力と地球の知識で討伐した俺はフィルド王国の調査隊長をしているアマーリアという女騎士と知り合うことになった。
アマーリアの協力もあってフィルド王国の首都ゴルドで暮らせるようになった俺は王国の陰で蠢く陰謀に巻き込まれていく。
フィルド王国を守るための俺の戦いが始まろうとしていた。
※この小説は小説家になろうとカクヨムにも投稿しています
【完結】エルモアの使者~突然死したアラフォー女子が異世界転生したらハーフエルフの王女になってました~
月城 亜希人
ファンタジー
やりたいことを我慢して質素に暮らしてきたアラフォー地味女ミタラシ・アンコが、理不尽な理由で神に命を奪われ地球から追放される。新たに受けた生は惑星エルモアにある小国ガーランディアの第二子となるハーフエルフの王女ノイン・ガーランディア。アンコは死産する予定だった王女に乗り移る形で転生を果たす。またその際、惑星エルモアのクピドから魔物との意思疎通が可能になるなどの幾つかのギフトを授かる。ところが、死産する予定であった為に魔力を持たず、第一子である腹違いの兄ルイン・ガーランディアが魔族の先祖返りとして第一王妃共々追放されていたことで、自身もまた不吉な忌み子として扱われていた。それでも献身的に世話をしてくれる使用人のロディとアリーシャがいた為、三歳までは平穏に過ごしてきたのだが、その二人も実はノインがギフトを用いたら始末するようにと王妃ルリアナから命じられていた暗殺者だった。ノインはエルモアの導きでその事実を知り、またエルモアの力添えで静寂の森へと転移し危機を脱する。その森で帝国の第一皇子ドルモアに命を狙われている第七皇子ルシウスと出会い、その危機を救う。ノインとルシウスはしばらく森で過ごし、魔物を仲間にしながら平穏に過ごすも、買い物に出た町でロディとアリーシャに遭遇する。死を覚悟するノインだったが、二人は既に非情なルリアナを見限っており、ノインの父であるノルギス王に忠誠を誓っていたことを明かす。誤解が解けたノイン一行はガーランディア王国に帰還することとなる。その同時期に帝国では第一皇子ドルモアが離反、また第六皇子ゲオルグが皇帝を弑逆、皇位を簒奪する。ドルモアはルリアナと共に新たな国を興し、ゲオルグと結託。二帝国同盟を作り戦争を起こす。これに対しノルギスは隣国と結び二王国同盟を作り対抗する。ドルモアは幼少期に拾った星の欠片に宿る外界の徒の導きに従い惑星エルモアを乗っ取ろうと目論んでいた。十数年の戦いを経て、成長したノイン一行は二帝国同盟を倒すことに成功するも、空から外界の徒の本体である星を食らう星プラネットイーターが降ってくる。惑星エルモアの危機に、ノインがこれまで仲間にした魔物たちが自らを犠牲にプラネットイーターに立ち向かい、惑星エルモアは守られ世界に平和が訪れる。
※直接的な表現は避けていますが、残酷、暴力、性犯罪描写が含まれます。
それらを推奨するものではありません。
この作品はカクヨム、なろうでも掲載しています。
転生したら貴族の息子の友人A(庶民)になりました。
襲
ファンタジー
〈あらすじ〉
信号無視で突っ込んできたトラックに轢かれそうになった子どもを助けて代わりに轢かれた俺。
目が覚めると、そこは異世界!?
あぁ、よくあるやつか。
食堂兼居酒屋を営む両親の元に転生した俺は、庶民なのに、領主の息子、つまりは貴族の坊ちゃんと関わることに……
面倒ごとは御免なんだが。
魔力量“だけ”チートな主人公が、店を手伝いながら、学校で学びながら、冒険もしながら、領主の息子をからかいつつ(オイ)、のんびり(できたらいいな)ライフを満喫するお話。
誤字脱字の訂正、感想、などなど、お待ちしております。
やんわり決まってるけど、大体行き当たりばったりです。
駆け落ち男女の気ままな異世界スローライフ
壬黎ハルキ
ファンタジー
それは、少年が高校を卒業した直後のことだった。
幼なじみでお嬢様な少女から、夕暮れの公園のど真ん中で叫ばれた。
「知らない御曹司と結婚するなんて絶対イヤ! このまま世界の果てまで逃げたいわ!」
泣きじゃくる彼女に、彼は言った。
「俺、これから異世界に移住するんだけど、良かったら一緒に来る?」
「行くわ! ついでに私の全部をアンタにあげる! 一生大事にしなさいよね!」
そんな感じで駆け落ちした二人が、異世界でのんびりと暮らしていく物語。
※2019年10月、完結しました。
※小説家になろう、カクヨムにも公開しています。
転生貴族のスローライフ
マツユキ
ファンタジー
現代の日本で、病気により若くして死んでしまった主人公。気づいたら異世界で貴族の三男として転生していた
しかし、生まれた家は力主義を掲げる辺境伯家。自分の力を上手く使えない主人公は、追放されてしまう事に。しかも、追放先は誰も足を踏み入れようとはしない場所だった
これは、転生者である主人公が最凶の地で、国よりも最強の街を起こす物語である
*基本は1日空けて更新したいと思っています。連日更新をする場合もありますので、よろしくお願いします
気がついたら異世界に転生していた。
みみっく
ファンタジー
社畜として会社に愛されこき使われ日々のストレスとムリが原因で深夜の休憩中に死んでしまい。
気がついたら異世界に転生していた。
普通に愛情を受けて育てられ、普通に育ち屋敷を抜け出して子供達が集まる広場へ遊びに行くと自分の異常な身体能力に気が付き始めた・・・
冒険がメインでは無く、冒険とほのぼのとした感じの日常と恋愛を書いていけたらと思って書いています。
戦闘もありますが少しだけです。
異世界転移「スキル無!」~授かったユニークスキルは「なし」ではなく触れたモノを「無」に帰す最強スキルだったようです~
夢・風魔
ファンタジー
林間学校の最中に召喚(誘拐?)された鈴村翔は「スキルが無い役立たずはいらない」と金髪縦ロール女に言われ、その場に取り残された。
しかしそのスキル鑑定は間違っていた。スキルが無いのではなく、転移特典で授かったのは『無』というスキルだったのだ。
とにかく生き残るために行動を起こした翔は、モンスターに襲われていた双子のエルフ姉妹を助ける。
エルフの里へと案内された翔は、林間学校で用意したキャンプ用品一式を使って彼らの食生活を改革することに。
スキル『無』で時々無双。双子の美少女エルフや木に宿る幼女精霊に囲まれ、翔の異世界生活冒険譚は始まった。
*小説家になろう・カクヨムでも投稿しております(完結済み
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる