天才？秀才？そんなのじゃなくて可愛いって言って!!

マリース･フィン･ディナ･トルスルイ

19

…日本に…来てしまいましたわ
｢よし｡産婦人科探すか｣
｢…なんだか…アルスベルト様とは行きたくないですわ｣
｢んん？…あ｣
気が付かれたのですね
このまま行ったら奇異の目で見られるのは…分かっていますわ
私達の服はトルストイ国の物
手近な所で服を買わなくては…
｢アルスベルト様｡おろしてくださいませ｣
お父様のお店を探しますわ
と私は言ったのだが…アルスベルト様は動いてくれなかった｡
｢…今気づいた｡俺…何故ここを思い出したんだ｣
何のことでしょう？
私は目の前のビルを見上げてみた｡
ここは…
お父様の西園寺財閥の本社ですわね
前に来たことありますもの
｢まぁ…ここだったら丁度いいか｡マリース｡変化しておいてくれよ｣
アルスベルト様…もとい黒木斗真様は私をおろし魔法を使って姿を変えた｡
｢それが前世の姿ですの？｣
｢そ｣
私も姿を変えながら聞いた｡
私も前世の姿に変えましたの
服は…創造いたしましたわ
｢お父様に連絡…はしなくても良さそうですわね｣
ちょうど外に出る時のようでお父様は書類を見ながらこちらに歩いてきた｡
｢お父様｡お久しぶりですわ｣
｢久しぶり｡真由華｣
｢…お父様｡お母様はいらっしゃいます？｣
｢いるぞ？家にいる｡これから戻るところだったんだ｡一緒に行くか？｣
｢えぇ｡乗せてください｣
私達はお父様の車に乗った｡
もちろんリムジンですわよ？
｢真由華｡そっちの彼は？｣
｢こちらは黒木斗真様｡お父様の部下だった方ですわ｣
｢だった？…ということは真由華と一緒か｣
｢えぇ｣
｢…初めまして｡社長｣
斗真様…礼儀正しいですわね
私にはそんなこと全然ありませんでしたのに…
｢そういえば真由華は何故真奈に会いたいんだ？｣
｢お父様｡私妊娠いたしましたの｣
｢ぶっ!!に…妊娠！？｣
…そんなに驚くことだったかしら？
｢だから検診を受けたいんですの｣
｢…検診か…真由華の戸籍は…死んだことになってるんだよな｣
そうでしたわ
どうにかしないと…
｢マリ…お嬢様｡そこは僕におまかせを｣
斗真様
どうして口調が違うか分かりましたわ
お父様の前だからですのね!!