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マリース・アースドロイト

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「マリースぅぅ!!」
「なっ…なんでお父様がいるんですの!!」
授業中に訪ねてきたお父様に私はそう叫んだ。
「えっと…公爵様?どうされました?」
「マリースを取り返しに来た!!」
「…お父様。帰ってください」
「マリースと一緒にな」
「帰ってください。お出口はあちらですわ」
私はドアの方に手を向けてにっこり微笑んだ。
「マリース!!魔法なら父様が教えてやるから!!」
「学園に図書室というものがあってそこに魔導書も置いてあるそうですから遠慮しますわ」
「…マリースが冷たい」
「いつもの事ですわ」
「いつもの事なんだ…」
「マリース様も大変だな」
「お父様。お帰りくださいませ。帰宅した日に言う事聞いてさしあげますから」
「本当か!?」
「「「「「「(子供か…)」」」」」」
教室にいた全員がそう思った。
「えぇ。マリースは嘘つきませんわ」
「よし!!じゃあ準備してくる!!」
お父様はそう言ってやっと帰って行った。
お父様の扱いは疲れますわ…
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