上 下
1 / 43
小話

吸血鬼ユウニャ

しおりを挟む
ラドクリフのところにお泊まりしに来たユウニャとマークスタイン

マークスタイン視点

「ユウニャ。夜更かしはいけないからもう休みな?」
「…やだ」
「ユウニャ。明日も遊ぶから」
「いやちょっと待て。お前仕事しに来たんだよな?」
「ユウニャのことが先」
「なんでお前が王太子になれたのか俺は未だに疑問なんだが…」
おい
クリス
それは失礼じゃないか?
僕だってちゃんと王太子らしく仕事はしてるからな
「…ユウニャ。怒られるのと寝るのどっちがいい?」
「寝ましゅ!!」
…最近ユウニャはこう言うと言うことを聞くようになった
何でだろう…
反抗するのも可愛かったけど…従順なのも可愛い…
「メイド。連れて行ってあげて。寝てからは1人にしてあげて」
「かしこまりました」
メイドはユウニャを連れて続きの部屋に入って行った。
「本当にあそこでいいのか?寝る場所」
「いいよ。ユウニャが気に入ったみたいだし」
実はあそこは…クリスの子供の時の部屋だったりする。
おもちゃがあるから気に入ったんだろうな…
「さて…で?貿易の方は?」
「やっと王太子の顔になったか…」
僕はいつも王太子のはずなんだけど?

数時間後…
カチャ
「…そろそろ休憩しようか」
「うわ…もう日付け超えてたのか…夢中になりすぎた…」
「仕事の相手としてはクリスはやりやすいからな…」
「…お前もいい性格してるよ…俺は限界だ…ついていくので精一杯だったぞ」
…こいつ本当に王太子だよな?
大国の王太子だよな?
教育受けてたんだよな?
その時続きの部屋に繋がるドアが開いてユウニャが目を擦りながら入ってきた。
「ユウニャ。どうしたの?トイレ?」
「…うにゅぅ…」
まだ寝ぼけてるのか
「おいで。ユウニャ」
ユウニャはフラフラと歩き…
クリスの膝に乗った。
「ユウニャ!?そっちは違うよ!?」
「さすがに間違わねぇだろ…よっ!?」
ユウニャはクリスの首元に噛み付いた。
「痛い痛い!!おい!!離せ!!」
「ユウニャ!!ばっちいから離れなさい!!」
ユウニャを引き剥がそうとしたが相当強い力で噛んでいるのか離れなかった。
「…絶対血出てるだろ。まずいはずだぞ?」
次の瞬間ユウニャは溢れてきた血をぺろっと舐めた。
「ユウニャ!!ぺっしなさい!!」
ユウニャはそのあとも舐め続け血が出てこなくなると噛む…と繰り返した。
「待て…起きてるよな?起きてないとこんなこと出来ないよな?」
クリスがそう言った。
確かにそうか
僕はユウニャの顔を覗き込んだ。
瞼はぴったりと閉じられ…呼吸も定期的。
寝てるのか
「…寝ながらどうして血を飲むんだよ…マーク…お前の妹はいつから吸血鬼になったんだ?」
「知らないよ…全く…」
僕はユウニャの口に指を当てた。
するとユウニャはクリスから離れ僕の指を口に含み吸った。
「よし」
「…いてて…メイド…救急箱どこだ?」
「ここですが…どうされました?」
メイドはどうやら一連の流れを見ていなかったようだ。
「いや…何でもない…ちょっとな」
僕が殺気を飛ばしたらクリスはメイドには話さなかった。
ふぅ…
ユウニャの悪い噂なんて流させやしないからな
僕は膝の上で幸せそうに眠るユウニャを見た。
「どうして吸血なんてしたのかな?起きたら教えてね」
ちなみに指は返してもらえなかった。
可愛いからいいけどさ
…ふやけるね
これ

ユウニャ視点
なんか…凄く安心して寝てた気がする…
「起きた?おはよう」
「あ…兄様…おはよ…う!?」
なんで兄様が同じところにいるの!?
え!?
兄様お部屋あるよね!?
それと…
「うぇ…血の味がするぅ…鉄の匂い…」
「自分で吸ったのに?」
吸ったの?
私が?
私は首を傾げた。
そしてステータス画面を開いた。
スキル『不死身(半分)』
…半分?
しかも不死身ってスキルなの?
私は更に首を傾げた。
それと…なんでスキルが私に?
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

残滓と呼ばれたウィザード、絶望の底で大覚醒! 僕を虐げてくれたみんなのおかげだよ(ニヤリ)

SHO
ファンタジー
15歳になり、女神からの神託の儀で魔法使い(ウィザード)のジョブを授かった少年ショーンは、幼馴染で剣闘士(ソードファイター)のジョブを授かったデライラと共に、冒険者になるべく街に出た。 しかし、着々と実績を上げていくデライラとは正反対に、ショーンはまともに魔法を発動する事すら出来ない。 相棒のデライラからは愛想を尽かされ、他の冒険者たちからも孤立していくショーンのたった一つの心の拠り所は、森で助けた黒ウサギのノワールだった。 そんなある日、ショーンに悲劇が襲い掛かる。しかしその悲劇が、彼の人生を一変させた。 無双あり、ザマァあり、復讐あり、もふもふありの大冒険、いざ開幕!

転生したら赤ん坊だった 奴隷だったお母さんと何とか幸せになっていきます

カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
転生したら奴隷の赤ん坊だった お母さんと離れ離れになりそうだったけど、何とか強くなって帰ってくることができました。 全力でお母さんと幸せを手に入れます ーーー カムイイムカです 今製作中の話ではないのですが前に作った話を投稿いたします 少しいいことがありましたので投稿したくなってしまいました^^ 最後まで行かないシリーズですのでご了承ください 23話でおしまいになります

45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる

よっしぃ
ファンタジー
2月26日から29日現在まで4日間、アルファポリスのファンタジー部門1位達成!感謝です! 小説家になろうでも10位獲得しました! そして、カクヨムでもランクイン中です! ●●●●●●●●●●●●●●●●●●●● スキルを強奪する為に異世界召喚を実行した欲望まみれの権力者から逃げるおっさん。 いつものように電車通勤をしていたわけだが、気が付けばまさかの異世界召喚に巻き込まれる。 欲望者から逃げ切って反撃をするか、隠れて地味に暮らすか・・・・ ●●●●●●●●●●●●●●● 小説家になろうで執筆中の作品です。 アルファポリス、、カクヨムでも公開中です。 現在見直し作業中です。 変換ミス、打ちミス等が多い作品です。申し訳ありません。

転生令息は攻略拒否!?~前世の記憶持ってます!~

深郷由希菜
ファンタジー
前世の記憶持ちの令息、ジョーン・マレットスは悩んでいた。 ここの世界は、前世で妹がやっていたR15のゲームで、自分が攻略対象の貴族であることを知っている。 それはまだいいが、攻略されることに抵抗のある『ある理由』があって・・・?! (追記.2018.06.24) 物語を書く上で、特に知識不足なところはネットで調べて書いております。 もし違っていた場合は修正しますので、遠慮なくお伝えください。 (追記2018.07.02) お気に入り400超え、驚きで声が出なくなっています。 どんどん上がる順位に不審者になりそうで怖いです。 (追記2018.07.24) お気に入りが最高634まできましたが、600超えた今も嬉しく思います。 今更ですが1日1エピソードは書きたいと思ってますが、かなりマイペースで進行しています。 ちなみに不審者は通り越しました。 (追記2018.07.26) 完結しました。要らないとタイトルに書いておきながらかなり使っていたので、サブタイトルを要りませんから持ってます、に変更しました。 お気に入りしてくださった方、見てくださった方、ありがとうございました!

皇太子の子を妊娠した悪役令嬢は逃げることにした

葉柚
恋愛
皇太子の子を妊娠した悪役令嬢のレイチェルは幸せいっぱいに暮らしていました。 でも、妊娠を切っ掛けに前世の記憶がよみがえり、悪役令嬢だということに気づいたレイチェルは皇太子の前から逃げ出すことにしました。 本編完結済みです。時々番外編を追加します。

牛人転生:オッパイもむだけのレベル上げです。

薄 氷渡
ファンタジー
 異世界に転生したら牛人だった。外見は大部分が人間と大差なく、牛耳と尻尾がついている。  のどかなバスチャー村で、巨乳美少女達から搾ったミルクを行商人に売って生計を立てている。  9人家族の長男として生まれた少年カイホは、まったりとした日々を過ごしていたが1つの問題があった。ホル族の成人女性は、毎日搾乳しないと胸が張って重苦しくなってしまうのである。  女の乳房を揉むとLVが上がるニューメイジとしての才能を開花させ、乳魔術を駆使してモンスターとのバトルに挑む。愛するオッパイを守るため、カイホの冒険は続いていく。

乙女ゲームに悪役転生な無自覚チートの異世界譚

水魔沙希
ファンタジー
モブに徹していた少年がなくなり、転生したら乙女ゲームの悪役になっていた。しかも、王族に生まれながらも、1歳の頃に誘拐され、王族に恨みを持つ少年に転生してしまったのだ! そんな運命なんてクソくらえだ!前世ではモブに徹していたんだから、この悪役かなりの高いスペックを持っているから、それを活用して、なんとか生き残って、前世ではできなかった事をやってやるんだ!! 最近よくある乙女ゲームの悪役転生ものの話です。 だんだんチート(無自覚)になっていく主人公の冒険譚です(予定)です。 チートの成長率ってよく分からないです。 初めての投稿で、駄文ですが、どうぞよろしくお願いいたします。 会話文が多いので、本当に状況がうまく伝えられずにすみません!! あ、ちなみにこんな乙女ゲームないよ!!という感想はご遠慮ください。 あと、戦いの部分は得意ではございません。ご了承ください。

元ゲーマーのオタクが悪役令嬢? ごめん、そのゲーム全然知らない。とりま異世界ライフは普通に楽しめそうなので、設定無視して自分らしく生きます

みなみ抄花
ファンタジー
前世で死んだ自分は、どうやらやったこともないゲームの悪役令嬢に転生させられたようです。 女子力皆無の私が令嬢なんてそもそもが無理だから、設定無視して自分らしく生きますね。 勝手に転生させたどっかの神さま、ヒロインいじめとか勇者とか物語の盛り上げ役とかほんっと心底どうでも良いんで、そんなことよりチート能力もっとよこしてください。

処理中です...