転生しました!!

如月花恋

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「…ふぁぁ。やっぱ眠い…」
私は使用人用の門から城の敷地の中に入った。
「…最近はお腹も空かないや。異種の時に近いなぁ…」
私はそう思いながら部屋に戻った。
「…エミリーはいないっと…」
私は机に広げていた紙とペンを片付けた。
「…今はこの魔法は知られるわけにはいかないんだ。私が眠りにつくまでは…」
「まだ眠たいのですか?」
「わぁっ!!」
私は急に話しかけられ机の上に置いていたペン立てをひっくり返した。
「…エミリーか…びっくりさせないでよ…」
私は床に落ちてしまったペンを拾い元の場所に戻した。
「…いい加減王女だという自覚を持ってください。リィ様はこれからたくさんの人に見られながら過ごすのですよ?貴族の時とは違うんです。」
「…そうね。私も成長しなきゃ…体は大きくなれないけど…知識をつけるぐらいは出来るはず…」
「マナーの知識もですよ?」
「う…そこは努力する。」
私は簡単に服を整えた。
「すぅ…はぁ…」
「深呼吸などしてどうしたのですか?」
「…下がって。私の半径1m以内に入らないで。」
私がエミリーにそう指示するとエミリーはすぐに離れた。
「…いるんでしょ?どうせ…夢にまで出てきたんだし。何か言いたいことでもあるの?言っておくけど私は戻らない。というか私がいたのは異世界であって絵本じゃない。」
「"本当にそう?私…という存在も作られた存在だ…"」
「…私は…作られた存在であっても私の物語を作る。決められた物語ではなく…私だけの物語を…」
「"あ~あ…こりゃ本当に連れ込めないや。諦めるしかないか…しょうがない…姉の方を探そう"」
「お姉様には会えないよ。お姉様は私よりも転生した後も命が短いの。だから何度も転生してる。私にも今どこの誰なのか分からない。」
「"…まっ絵本があればいっか…じゃあね。私…バイバイ"」
「…本当にいなくなってよ。私は監視されるのは嫌い。」
私がそう言うと影のスィルは跡形もなく消え去った。
「…はぁ…いつまでこの騒ぎが続くのかと思っていましたが…」
「本当に終わってはいないよ…これからは新しい物語…誰にも想像つかない物語の始まりだから…」

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