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「(はい…やってしまいました…)…エミリー…ちょっとしばらくの間私の部屋に入らないで…」
私は布団を頭まで被りエミリーに言った。
「?かしこまりました。」
エミリーは私が言った通りすぐに部屋を出て行った。
「…やらかしたのかな…」
私が布団をどけると頭には獣耳、尻尾までついていた。
まさにこれは前世のスィルの姿だった。
「…ふえぇ。誰にも会えないよぅ…」
私は何とかして耳と尻尾を隠せないかやってみた。
その結果長いスカートの中に尻尾を隠し耳は髪で巻いて見えないようにした。
「…いつもと違うけど…いいかな…」
私はリビングに向かった。
「お父様、お母様。おはようございます。」
「おはようリィ。どうした?ロングスカートなんて履いて?」
「今日はそこまで寒くないですよ?それでは暑くなりますよ?」
「いえ…これでいいんです。」
「それに髪も…ほら来なさい。といてあげる。」
「いえ!!結構です!!」
私はお母様からの提案をすぐさま断った。
頭を触られて耳の存在を知られてはいけない。
「…リィ。何か変だぞ。何か隠してるのか?」
「…リィ。正直に言いなさい。」
「お父様…お母様…」
私はスカートから尻尾を出し髪もほどいて耳も出した。
「朝起きたらこうなってたの…どうしよう…」
「リィ…可愛いぞ。」
「え?」
私はこの姿を気味悪がられると思っていたためびっくりした。
「…お父様…お母様…この姿が気持ち悪くないの?」
「あぁ。可愛いぞ?」
「そうね。よく出来たつけ耳とつけ尻尾だこと…」
お母様は尻尾を掴んだ。
「きゃあ!!お母様!!離して!!」
「あら…偽物じゃないのね。ごめんなさいね。」
「…うぅ…尻尾は弱点なんです…変な感じがするんです…」
私は自分の尻尾をさすった。
「…お父様…お母様…これ治るかな…」
「治ると思うわ。」
「…色んな医者を呼んでみるか。」
お父様は部屋を出て行きすぐにたくさんの医者を連れてきた。
だが…全員答えは同じ。
原因は分からない。
だから治療のしようもない…ということだった。
「…ダメですか…」
「"スィル。少しは反省したかしら?"」
久しぶりにお姉様の声が聞こえてきた。
「…お姉様…お姉様がやったの?」
「"閻魔様が疲れててね。誤作動よ。明日には戻るそうよ。"」
「…リィが1人で喋っている…」
「ジル…これこそお医者様に見せるべきよ。」
お母様とお父様はコソコソとそう話していた。
「見てやってくれんか?」
お父様は部屋にいた私専属となった医者にそう言った。
「…リィ様。少し失礼しますよ。」
その医者は私の体を触ったり目を見たりして診察した。
「…何?」
「…どこも異常は無いですね。心の病…といったところですかね。」
「違うから!!勝手なこと言わないで!!」
私はその医者にそう叫んだ。
「…違うから…ほっといて…」
私は肩を落とし部屋へ戻った。
「…明日…か…」
私はベットに寝転びすぐに眠った。
私は布団を頭まで被りエミリーに言った。
「?かしこまりました。」
エミリーは私が言った通りすぐに部屋を出て行った。
「…やらかしたのかな…」
私が布団をどけると頭には獣耳、尻尾までついていた。
まさにこれは前世のスィルの姿だった。
「…ふえぇ。誰にも会えないよぅ…」
私は何とかして耳と尻尾を隠せないかやってみた。
その結果長いスカートの中に尻尾を隠し耳は髪で巻いて見えないようにした。
「…いつもと違うけど…いいかな…」
私はリビングに向かった。
「お父様、お母様。おはようございます。」
「おはようリィ。どうした?ロングスカートなんて履いて?」
「今日はそこまで寒くないですよ?それでは暑くなりますよ?」
「いえ…これでいいんです。」
「それに髪も…ほら来なさい。といてあげる。」
「いえ!!結構です!!」
私はお母様からの提案をすぐさま断った。
頭を触られて耳の存在を知られてはいけない。
「…リィ。何か変だぞ。何か隠してるのか?」
「…リィ。正直に言いなさい。」
「お父様…お母様…」
私はスカートから尻尾を出し髪もほどいて耳も出した。
「朝起きたらこうなってたの…どうしよう…」
「リィ…可愛いぞ。」
「え?」
私はこの姿を気味悪がられると思っていたためびっくりした。
「…お父様…お母様…この姿が気持ち悪くないの?」
「あぁ。可愛いぞ?」
「そうね。よく出来たつけ耳とつけ尻尾だこと…」
お母様は尻尾を掴んだ。
「きゃあ!!お母様!!離して!!」
「あら…偽物じゃないのね。ごめんなさいね。」
「…うぅ…尻尾は弱点なんです…変な感じがするんです…」
私は自分の尻尾をさすった。
「…お父様…お母様…これ治るかな…」
「治ると思うわ。」
「…色んな医者を呼んでみるか。」
お父様は部屋を出て行きすぐにたくさんの医者を連れてきた。
だが…全員答えは同じ。
原因は分からない。
だから治療のしようもない…ということだった。
「…ダメですか…」
「"スィル。少しは反省したかしら?"」
久しぶりにお姉様の声が聞こえてきた。
「…お姉様…お姉様がやったの?」
「"閻魔様が疲れててね。誤作動よ。明日には戻るそうよ。"」
「…リィが1人で喋っている…」
「ジル…これこそお医者様に見せるべきよ。」
お母様とお父様はコソコソとそう話していた。
「見てやってくれんか?」
お父様は部屋にいた私専属となった医者にそう言った。
「…リィ様。少し失礼しますよ。」
その医者は私の体を触ったり目を見たりして診察した。
「…何?」
「…どこも異常は無いですね。心の病…といったところですかね。」
「違うから!!勝手なこと言わないで!!」
私はその医者にそう叫んだ。
「…違うから…ほっといて…」
私は肩を落とし部屋へ戻った。
「…明日…か…」
私はベットに寝転びすぐに眠った。
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