異種の姉妹

如月花恋

文字の大きさ
上 下
6 / 19

six story

しおりを挟む
「ねぇ…私達いつまでこうしているの?混合種の命は短い。分かっているでしょ?お姉様。」
「分かっている。けど…役所に捕まるよりかはいいで…しょ…?」
お姉様はそう言いながら倒れてしまった。
「お姉様!!お姉様!!しっかりして!!」
「…スィル…大丈夫よ…」
「スィル?クィル?何かあったのか?」
お姉様が倒れたのはお店の中だったためたくさんの人に注目を浴びていた。
「執事!!お姉様が…」
「スィル…これは仕方が無いのよ…私の分まであなたが生きてくれれば…それでいいわ…」
お姉様は最後の力を振り絞り私に触れ魔力と残りの命を全て私に移した。
「お姉様…私こんなのいらない!!お姉様と一緒がいいの!!」
私は必死にお姉様に送り返そうとしたが無駄だった。
それより前にお姉様は息を引き取った。
「…お姉様?ねぇ…返事をしてよ。お姉様…お願いだから…もうワガママ言わないから…」
私はお姉様の亡骸を抱きしめ泣いた。
「スィルちゃん…」
ネリーが私の肩に手を置いて慰めてくれた。
「許せない…許せない!!お姉様の分まで私は戦う!!お姉様をこんなにした奴らを…許せない!!」
「スィル!!」
執事は私の頬を叩いた。
「…!!」
「正気になれ!!クィルが死んで悲しいのは分かる。が、今はそんなことを考えている暇はないだろ?お客様。見ての通りです。クィルとスィルはしばらく奥に連れて行きますね。」
執事は私達を抱き上げ奥の部屋へ連れていった。
「クィルはもういない。その事実を受け止めろ。」
「うん…うん。そうだよね…そうしなきゃ…気を取り戻せ…スィル…あの時の方が辛かったはずよ…」
私は自分の頬を叩き正気になるようにした。
「よし。仕事に戻らなくちゃ。お姉様の死は仕方の無いこと。誰にでもありうることなのよ。」
私は店に戻り悲しみを忘れようと必死に働いた。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

お妃さま誕生物語

すみれ
ファンタジー
シーリアは公爵令嬢で王太子の婚約者だったが、婚約破棄をされる。それは、シーリアを見染めた商人リヒトール・マクレンジーが裏で糸をひくものだった。リヒトールはシーリアを手に入れるために貴族を没落させ、爵位を得るだけでなく、国さえも手に入れようとする。そしてシーリアもお妃教育で、世界はきれいごとだけではないと知っていた。 小説家になろうサイトで連載していたものを漢字等微修正して公開しております。

皇太子の子を妊娠した悪役令嬢は逃げることにした

葉柚
恋愛
皇太子の子を妊娠した悪役令嬢のレイチェルは幸せいっぱいに暮らしていました。 でも、妊娠を切っ掛けに前世の記憶がよみがえり、悪役令嬢だということに気づいたレイチェルは皇太子の前から逃げ出すことにしました。 本編完結済みです。時々番外編を追加します。

エンリルの風 チートを貰って神々の箱庭で遊びましょ!

西八萩 鐸磨
ファンタジー
************** 再編集、再投稿になります。 ************** 普通の高校生が、通学の途中で事故にあい、気がつくいた時目の前には、見たこともない美しい女性がいた。 チートを授けられ、現在と過去、この世界と別世界の絆をつなぎとめるため、彼は旅立つ(転移)することになった。 *************** 「ちーと?」 小首をかしげてキョトンとする。 カワイイし! 「ああ、あなたの世界のラノベってやつにあるやつね。ほしいの?」 手を握って、顔を近づけてくる。 何やってんねん! ・・嬉しいけど。 *************** 「えへっ。」 涙の跡が残る顔で、はにかんだ女の子の頭の上に、三角のフワフワした毛を生やした耳が、ぴょこんと立ち上がったのだ。 そして、うずくまっていた時は、股の間にでも挟んでいたのか、まるでマフラーのようにモフモフしたシッポが、後ろで左右にゆれていた。 *************** 『い、痛てえ!』 ぶつかった衝撃で、吹き飛ばされた俺は、空中を飛びながら、何故か冷静に懐に抱いたその小さな物体を観察していた。 『茶色くて・・・ん、きつね色?モフモフしてて、とっても柔らかく肌触りがいい。子犬?耳が大きいな。シッポもふさふさ。・・・きつね?・・なんでこんな街なかに、キツネが?ん?狐?マジで?』 次の瞬間、地面に叩きつけられた。 信じられない痛みの中、薄れゆく意識。 *************** 舞台は近東、人類文明発祥の地の一つです。 ***************

猫不足の王子様にご指名されました

白峰暁
恋愛
元日本人のミーシャが転生した先は、災厄が断続的に人を襲う国だった。 災厄に襲われたミーシャは、王子のアーサーに命を救われる。 後日、ミーシャはアーサーに王宮に呼び出され、とある依頼をされた。 『自分の猫になってほしい』と―― ※ヒーロー・ヒロインどちらも鈍いです。

ハリボテ怪獣ハンドメイドン

第一回世界大変
ファンタジー
特撮怪獣映画が大好きな中島宗作は、ヒーローショーのアルバイト中に熱中症で倒れて意識不明になってしまう。 気が付けば謎の空間にいて、神様から「どんな怪獣にも一瞬で変身できる能力」をもらって異世界に転生ことに。 いざ使ってみると、視界は真っ暗、動きにくいし、おまけに暑い。彼がもらったのは「どんな着ぐるみ怪獣にも一瞬で変身できる能力」だった。 相手はゴブリン、スライムとおなじみのザコからコカトリスにゴーレム、はたまた魔王を名乗るドラゴン。果たして宗作は着ぐるみ怪獣で迫りくるリアルモンスターを倒せるのか……。 *カクヨムさんでも投稿しております *小説家になろうさんでも投稿しております

SSS級宮廷錬金術師のダンジョン配信スローライフ

桜井正宗
ファンタジー
 帝国領の田舎に住む辺境伯令嬢アザレア・グラジオラスは、父親の紹介で知らない田舎貴族と婚約させられそうになった。けれど、アザレアは宮廷錬金術師に憧れていた。  こっそりと家出をしたアザレアは、右も左も分からないままポインセチア帝国を目指す。  SSS級宮廷錬金術師になるべく、他の錬金術師とは違う独自のポーションを開発していく。  やがて帝国から目をつけられたアザレアは、念願が叶う!?  人生逆転して、のんびりスローライフ!

しっかり者のエルフ妻と行く、三十路半オッサン勇者の成り上がり冒険記

スィグトーネ
ファンタジー
 ワンルームの安アパートに住み、非正規で給料は少なく、彼女いない歴35年=実年齢。  そんな負け組を絵にかいたような青年【海渡麒喜(かいときき)】は、仕事を終えてぐっすりと眠っていた。  まどろみの中を意識が彷徨うなか、女性の声が聞こえてくる。  全身からは、滝のような汗が流れていたが、彼はまだ自分の身に起こっている危機を知らない。  間もなく彼は金縛りに遭うと……その後の人生を大きく変えようとしていた。 ※この物語の挿絵は【AIイラスト】さんで作成したモノを使っています ※この物語は、暴力的・性的な表現が含まれています。特に外出先等でご覧になる場合は、ご注意頂きますようお願い致します。

断る――――前にもそう言ったはずだ

鈴宮(すずみや)
恋愛
「寝室を分けませんか?」  結婚して三年。王太子エルネストと妃モニカの間にはまだ子供が居ない。  周囲からは『そろそろ側妃を』という声が上がっているものの、彼はモニカと寝室を分けることを拒んでいる。  けれど、エルネストはいつだって、モニカにだけ冷たかった。  他の人々に向けられる優しい言葉、笑顔が彼女に向けられることない。 (わたくし以外の女性が妃ならば、エルネスト様はもっと幸せだろうに……)  そんな時、侍女のコゼットが『エルネストから想いを寄せられている』ことをモニカに打ち明ける。  ようやく側妃を娶る気になったのか――――エルネストがコゼットと過ごせるよう、私室で休むことにしたモニカ。  そんな彼女の元に、護衛騎士であるヴィクトルがやってきて――――?

処理中です...