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あるぇぇ!?レア度設定ミスったかな!?

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数十分もすると…皆レアアイテム装備だった。
何故だこんちくしょう。
「…千夏。ごめんね?」
「謝らないで…謝られると余計に凹む…」
くそぅ。
鬼畜イベント設定してやろうか。
…いやいやいや、他のプレイヤーが出来なくなるか。
私は時計を確認して固まった。
…入口に昴お兄ちゃんがいた。
「…よぉ?千夏?授業開始1分前までゲームとは余裕だなぁ?お前だけ特別メニューでやってやろうか」
「やめて!!まじやめて!!これお仕事!!うちの会社のゲームだからぁぁぁ!!」
「…ふぅん?」
昴お兄ちゃんは冷めた笑いを浮かべ、私の机に1枚のプリントを置いてった。
「んじゃ。それ依頼しとくわ」
…ん?

私はその紙をそーっと捲り…
「なにこれ!?期限ながっ!?」
「倒れたら困るからな。親父がまた会いたいってよ」
「…仕事入れなくてもそれぐらい行くのに。じゃあもう服はいらないって言っておいて。さすがにしまいきれない」
「無理だろうな」
…ですよね~( ̄∀ ̄)。
行く度に服増えてくからね~。
…はぁ。
仕方ない…簡単に組み上げておくか。
「お兄ちゃん!!今から早退していいですか!!」
「理由は?」
「お仕事!!ちょっと会社のみんなと相談してくる!!」
「おう。いってら。白川も行くんだよな」
「当たり前です。…椎名様。どこ行くんですか。表に車呼びましたから」
「ありがとっ!!春斗くんカバンよろしく!!」
「え!?持ってかないの!?」
私は財布とスマホやら大事なものをポケットに突っ込み教室を飛び出した。


「みんなー!!新しい仕事入っ…きゃぁぁぁ!!」
私は扉を開けて入った途端になにかに躓いた。
「誰!?こんなとこにダンボール置いた人!!」
「いや…社長。それさっき届いた社長宛の届け物です」
…あ、そっか。
私宛のやつはドア近くに置いとくように言ったもんね~。
私はそのダンボールを抱えた。
「誰から?」
宛先は…書いてない。
何この荷物…怪しすぎる。
「最近ネットで何も頼んでないし…この荷物なんだろ」
脅迫とか~?
そんなわけないか…。
私は社長室へ行き、机の上で開けることにした。
「椎名様。そちらは?」
「私宛の荷物。怪しいから…白川、一緒に開けて?」
「構いませんよ」
白川は私からダンボールを受け取るとローテーブルに置き、ガムテープを丁寧に剥がした。
開いてみると…
「…なにこれ」
スマホの残骸と1枚の手紙が入っていた。
「…なんだ。これだけか。心配して損した~。というか郵送代無駄だよね、これ。小袋に入れればいいのに」
「警察に通報しましょうか?」
「ん~…白川が必要だと思うならしといて。私しばらく仕事してるから」
「かしこまりました」
白川は荷物を持って部屋から出ていった。
…白川の前ではあんなこと言ったけど…あれ絶対脅迫文だ。
スマホの残骸ってことは…アプリ関係。
なんとなく頭に思い浮かぶのはあのチート騒ぎの人だけど…。
「…それはないかな」
あの人はただただ騒ぐだけだったし。
騒ぐ人は周りの人からウザがられたりする…って感じだったけど。
私はぼーっと後ろの窓を見つめ…また椅子ごと倒れた。
「いった!?」
この椅子…座り心地はいいんだけど倒れやすいな。
ちゃんとした背もたれ付きのやつ買おうかな…。
これは腰のあたりまでしか背もたれないし。
いらないと思ってたけど結構いるわ。
「…椎名様」
「ん?」
白川がノック無しで部屋に入ってきた。
珍しい…そんなに切羽詰まってるの?
「手紙の中身を拝見しました」
「それで?脅迫文?」
「いえ。ラブレターでした」
…は?
「かなり熱烈な」
…いや…あの。
「椎名様に見せるわけにもいかないので社員で処分致しました」
「…内容は?」
「『好きだ』と1枚の紙に繰り返し…」
気持ち悪い!!
「見なくてよかった…白川、ありがと」
「仕事ですから。…従兄弟は役に立ちましたか?」
「ちょっと有能すぎて怖いくらい」
…そのうち連絡もしてないのにスケジュール把握されそうだよな~。
新藤さんと繋がりそうで怖い。
「あいつは僕と同じで四葉につかなかった珍しい白川家の子ですから」
…ふぅん。
四葉につかないのが珍しいってことは…ほとんどの白川一族が四葉に仕えてるってことか。
「白川はなんでうちに?」
「僕は四葉に忠誠を誓えませんでした。四葉に仕えるものとして失格です」
「それで他企業に…ってこと?」
「…そんな感じです。従兄弟は…元々どこにも忠誠を誓う気がありませんでした。何にも興味を持たないので痺れを切らした叔父が僕の元へ寄越したんです」
寄越したってそんな物みたいな…。
よし、白川の従兄弟くん大事にしよう。
ところで従兄弟くんって名前なんだっけ?
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