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お・しゃ・け♪

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「…ひなぁ」
「うん。危ない。目がトロンとしてきたよ。…またお酒入ってたんだ」
「チョコレートボンボン…〇〇社から×××年△月発売の…微量のお酒を含むため…お子様にはご注意を……」
「…はい。説明ありがとう。横になろっか」
「うにゅぅ…」
ひなは私の頭を膝の上に乗せた。
「ねぇクソ。ヘアピン」
「はい」
「なつ。髪が口に入らないようにヘアピンするからね」
「…ん」
ひなはヘアピンを止めると私の髪を撫で始めた。
「…幼児化…とまではいかないけど甘えん坊だね」
「…水飲んで寝る…の前にご飯」
「はいはい。クソ。先に連絡してご飯用意しといて。もう頼んだから」
「今日はリトルハニーからのお願いが多くてパパ嬉しいよ」
「リトルハニー言うな」
あ…やっと否定した。

「…ごはぁん!!」
「好きなだけ食べて。余ったら残せばいいし足りないなら追加するから」
「ふぁに?」
私はたこ焼きを口に入れたまま首を傾げた。
「…もう食べ終わってからでいいよ」
「うん!!食べる!!」
私は小1時間ほど食べ続けた。
…私大食いいけるんじゃね?

「千夏ちゃんを迎えに…来た…んだけどどういう状況なの?」
「あ…はるとおにいちゃぁん」
「あぁもう…事情は向こうで説明する。…つかよく家わかったな。しかも入る勇気あったんだ」
「ちょっとね」
春斗くんとひなは共に外に出ていった。

~春斗視点~

「…え?酔った?…それって乗り物酔い…じゃないよね」
「…お酒。チョコに入ってたのでもう危なかったんだけど…ジュースと間違えてカクテルがぶ飲みして」
…待って?
なんでカクテルがあるの?
…女子会だよね?
高校生の。
「前からこうなる時はあったんだよ?一応。そん時は…今より酷かったけど」
「今より?」
…今の千夏ちゃんも結構やばい気がするんだけど…?
「…完全に赤ちゃん返りして私のことをママだと思ったのか少しでも離れたら泣く。ご飯も1人で食べられないから口開けて待ってるし…」
「…やばいね」
「でしょ?…まだ今はいい方だからなるべく早く寝かせてあげること」
…なんか…千夏ちゃんのお母さんよりもお母さんっぽい?
これが女の子達が言う母性かな…。

その後も少し話し雛子ちゃんと部屋に戻ると…トロンとした目で千夏ちゃんが見つめてきた。
「…おにいちゃん…」
「ん?事情は聞いた。…千夏ちゃん成人してもお酒禁止ね」
「ふぇ…?」
千夏ちゃんは指を咥え首を傾げた。
「にいちゃ…だっこ」
「…なんか…うん。危ない」
「でしょ?なつってばお母さんがお酒好きのくせに自分は弱いから…体調が悪い時は匂いもダメな時あるから気をつけて~」
「…それって全部丸投げしたよね?」
…はぁ。
まぁ…千夏ちゃんにはワインセラーには入らないように言っておいて…。
「むぅ…だっこぉ!!」
「はいはい」
千夏ちゃんを抱っこすると…しがみついてきた。
「なつ。またね」
「ひなぁ~ばいばぁい」
…幼児化ってすごい。
千夏ちゃんを抱っこしたまま僕は車に乗り込んだ。
「おにいちゃん…だっこ…ちーちゃん…だっこがいいの」
「…あー…はいはい」
…というかちーちゃんって言うんだ。
小さい頃そう言ってたのかな。
千夏ちゃんは僕の膝に登ると頭を僕の胸に預けた。
「ちーちゃんね…きょうね…いっぱいあそんだの」
「…え?」
なんか…始まったんだけど。
「ひながね。ちーちゃんのだいすきなおかしくれたの!!」
「え…あ…あの」
「…おにいちゃん?」
…僕もうよく分からなくなってきた。
…こういう時は冬真が最適なんだけど…。
「家まであと何分?」
「10分程でございます」
「なるべく急いで」
「かしこまりました」
僕は運転席との仕切りを開けてそう話した。
「…おにいちゃんキラキラね」
「…キラキラ?何が?」
「キラキラね」
…よく分からない。
というか…冬真でもわかるのかな。
「…くぁぁ…ちーちゃん…ねむねむ…」
「あ…じゃあ横になってていいよ。着いたらおこすから」
「や!!」
…おこさないでってこと?
千夏ちゃんは座席の上で丸くなった。
「…おやすみ」
「ん」
…幼児化…大変だな。
秋斗達にも話しておかないと…。
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