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四葉の裏側
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救出された後、私は家に帰された。
そしてすぐに会社に向かった。
「…白川」
「はい?」
「…あんたのお父さんどうなってるの」
「父が…ですか?」
…おい。
なぜそこで首を傾げる。
あの超人を見て育って何も思わないのか?
「別にいつも通りだと思いますけど…」
「アレで?いつも通り?」
…ドア飛ばしましたけど?
金属の。
「…それよりも椎名様」
「ん?」
「…何をしておられるんですか」
「ん~ハッキング?」
「犯罪ですよ!!しかもそれ四葉じゃないですか!!消されますよ!!」
「大丈夫。華に許可は貰ったから」
「次期総帥の四葉華様にですか?」
「そう。セキュリティの確認をしてほしいんだって。…よし。抜けた」
「…抜けちゃまずくないですか?」
「まぁ…新しいセキュリティソフト渡せばいいよ」
「作るんですか!?」
「他の会社にも売れるしね~」
売れるものは何でも利用するよ。
…ってあれ?
「…白川」
「何でしょうか」
「…今すぐ私のスマホとってくれない?」
「はい。こちらに」
私はスマホからある電話番号に電話をかけた。
『もしもし?』
「華。ちょっと聞きたいんだけどさ」
『うん。あ…お祖母様!!それはダメ!!それはしまって!!まずいから!!』
…ん?
『あ…ご…ごめんね?私の友達が東郷に誘拐されたってお祖母様に連絡がいっちゃって…キレちゃったの。それで…その…』
「報復中?」
『…悲しいけど正解』
…確かお祖母様って四葉グループの前総帥の妻だよね?
「…待って?報復?」
『え?千夏が自分で言ったでしょ?』
「…うん。勘で言っただけなんだけど」
『えっとね。……ってお祖母様だからそれはしまってってばぁ!!』
「何を出したの?」
『釘バット』
「……へ?」
『釘バット、手錠』
「……」
『釘バット、手錠、鎖、目隠し用の布、怪しい小瓶』
「増えた!?」
『まだまだ出てきそう…』
「…電話してていいの?」
『多分…もう誰にも止められないよ。…笑ってるし』
「…怖い。サイコパス。四葉怖い」
『私も怖い?』
「華は可愛い!!」
可愛い!!
ずっと愛でてられるくらいに!!
『…で?何のようなの?』
…本題に戻された。
「いや…セキュリティ…第一関門突破しちゃって」
『そうなの?…まだ緩かったのかな。ありがとう。引き続きやってくれる?』
「いや…その…」
『ん?』
「裏サイトに鍵付きのファイルがあって…」
『それがどうしたの?』
「そこに…たんまり華の幼少期の写真が」
『お父様ぁぁぁぁ!!』
耳がキーンとなった。
痛い…。
『絶対お父様かお祖父様しかやらないわ!!』
「分かったから…落ち着こ?」
『…ふぅ。…千夏。あとでそのサイト教えて。もし消された時用に写真撮っておいて』
「了解。じゃあ元の作業に戻るね」
『うん。お願い』
「あ。そうそう。全部突破できちゃったら新しいセキュリティ送るね」
『わぁ!!ほんと!?』
「200万で」
『…お金とるの?』
「うそうそ。友人割引でタダでいいよ。その代わりまた新しいのに変えるならお金とるよ」
『わかった。お父様に話しておくね』
「はぁい。じゃあまたね」
『ばいばい』
プチッと電話を切るとスマホを机に置いた。
「白川…カフェオレとケーキ」
「カフェオレは甘くしますか?」
「ん~ミルクだけでいいや。その代わりケーキは生クリームたっぷりのやつがいいな」
「かしこまりました。…ケーキの味はいかがいたしましょうか」
「甘いヤツならなんでもいいや。とにかく糖分が欲しい」
「はい。かしこまりました。10分ほどお待ちください」
…10分ってすごいよね。
ここから1番近いケーキ屋ま20分はかかるのに。
「…あ。その前に誰かに簡単な甘味を届けさせます」
「わかった」
…そして気が利く。
しかし…簡単な甘味ってなんだろう。
2分後…
コンコン
「失礼します」
女性社員の藤川さんが甘い匂いをさせる何かを持ってきてくれた。
「それなぁに?」
「女性社員のみんなで作ったクッキーです。社長もよかったらどうぞ」
…簡単な甘味ってこれか。
「ありがとう。そこに置いておいて」
「はい」
私は藤川さんが出ていった後にクッキーを1枚口に入れた。
…甘い。
じんわり広がってく優しい甘み。
これ…好きな味だ。
もう1枚口に入れて…吐き出した。
「待って!?誰!?クッキーに入れる砂糖と塩を間違えた人!!」
私は思いっきりみんなのいる部屋のドアを開けて叫んでしまった。
「あ…た…多分私です」
「…これいつ作ったの?」
「さっき…みんなで作りました」
…え?
…なぜ1人だけ間違うんだよ。
ドジっ子か。
…あ。
てかこの子…バイトの子だ。
「料理のミスだったからまだいいけど…仕事のミスだったらほんと許さないよ?」
「はい…すみません」
「ま。ここはそんな雰囲気でやるつもりないから気楽にね。間違えてもみんなでフォローすればいいよ」
「え…は…はい!!」
…ふふふ。
久しぶりの新人いびり。
「椎名様。やめてください。貴重な労働源を失いますよ?」
「あ。おかえり」
…いつもはこんなじゃないんだけどね~。
色々被りすぎたかも。
そしてすぐに会社に向かった。
「…白川」
「はい?」
「…あんたのお父さんどうなってるの」
「父が…ですか?」
…おい。
なぜそこで首を傾げる。
あの超人を見て育って何も思わないのか?
「別にいつも通りだと思いますけど…」
「アレで?いつも通り?」
…ドア飛ばしましたけど?
金属の。
「…それよりも椎名様」
「ん?」
「…何をしておられるんですか」
「ん~ハッキング?」
「犯罪ですよ!!しかもそれ四葉じゃないですか!!消されますよ!!」
「大丈夫。華に許可は貰ったから」
「次期総帥の四葉華様にですか?」
「そう。セキュリティの確認をしてほしいんだって。…よし。抜けた」
「…抜けちゃまずくないですか?」
「まぁ…新しいセキュリティソフト渡せばいいよ」
「作るんですか!?」
「他の会社にも売れるしね~」
売れるものは何でも利用するよ。
…ってあれ?
「…白川」
「何でしょうか」
「…今すぐ私のスマホとってくれない?」
「はい。こちらに」
私はスマホからある電話番号に電話をかけた。
『もしもし?』
「華。ちょっと聞きたいんだけどさ」
『うん。あ…お祖母様!!それはダメ!!それはしまって!!まずいから!!』
…ん?
『あ…ご…ごめんね?私の友達が東郷に誘拐されたってお祖母様に連絡がいっちゃって…キレちゃったの。それで…その…』
「報復中?」
『…悲しいけど正解』
…確かお祖母様って四葉グループの前総帥の妻だよね?
「…待って?報復?」
『え?千夏が自分で言ったでしょ?』
「…うん。勘で言っただけなんだけど」
『えっとね。……ってお祖母様だからそれはしまってってばぁ!!』
「何を出したの?」
『釘バット』
「……へ?」
『釘バット、手錠』
「……」
『釘バット、手錠、鎖、目隠し用の布、怪しい小瓶』
「増えた!?」
『まだまだ出てきそう…』
「…電話してていいの?」
『多分…もう誰にも止められないよ。…笑ってるし』
「…怖い。サイコパス。四葉怖い」
『私も怖い?』
「華は可愛い!!」
可愛い!!
ずっと愛でてられるくらいに!!
『…で?何のようなの?』
…本題に戻された。
「いや…セキュリティ…第一関門突破しちゃって」
『そうなの?…まだ緩かったのかな。ありがとう。引き続きやってくれる?』
「いや…その…」
『ん?』
「裏サイトに鍵付きのファイルがあって…」
『それがどうしたの?』
「そこに…たんまり華の幼少期の写真が」
『お父様ぁぁぁぁ!!』
耳がキーンとなった。
痛い…。
『絶対お父様かお祖父様しかやらないわ!!』
「分かったから…落ち着こ?」
『…ふぅ。…千夏。あとでそのサイト教えて。もし消された時用に写真撮っておいて』
「了解。じゃあ元の作業に戻るね」
『うん。お願い』
「あ。そうそう。全部突破できちゃったら新しいセキュリティ送るね」
『わぁ!!ほんと!?』
「200万で」
『…お金とるの?』
「うそうそ。友人割引でタダでいいよ。その代わりまた新しいのに変えるならお金とるよ」
『わかった。お父様に話しておくね』
「はぁい。じゃあまたね」
『ばいばい』
プチッと電話を切るとスマホを机に置いた。
「白川…カフェオレとケーキ」
「カフェオレは甘くしますか?」
「ん~ミルクだけでいいや。その代わりケーキは生クリームたっぷりのやつがいいな」
「かしこまりました。…ケーキの味はいかがいたしましょうか」
「甘いヤツならなんでもいいや。とにかく糖分が欲しい」
「はい。かしこまりました。10分ほどお待ちください」
…10分ってすごいよね。
ここから1番近いケーキ屋ま20分はかかるのに。
「…あ。その前に誰かに簡単な甘味を届けさせます」
「わかった」
…そして気が利く。
しかし…簡単な甘味ってなんだろう。
2分後…
コンコン
「失礼します」
女性社員の藤川さんが甘い匂いをさせる何かを持ってきてくれた。
「それなぁに?」
「女性社員のみんなで作ったクッキーです。社長もよかったらどうぞ」
…簡単な甘味ってこれか。
「ありがとう。そこに置いておいて」
「はい」
私は藤川さんが出ていった後にクッキーを1枚口に入れた。
…甘い。
じんわり広がってく優しい甘み。
これ…好きな味だ。
もう1枚口に入れて…吐き出した。
「待って!?誰!?クッキーに入れる砂糖と塩を間違えた人!!」
私は思いっきりみんなのいる部屋のドアを開けて叫んでしまった。
「あ…た…多分私です」
「…これいつ作ったの?」
「さっき…みんなで作りました」
…え?
…なぜ1人だけ間違うんだよ。
ドジっ子か。
…あ。
てかこの子…バイトの子だ。
「料理のミスだったからまだいいけど…仕事のミスだったらほんと許さないよ?」
「はい…すみません」
「ま。ここはそんな雰囲気でやるつもりないから気楽にね。間違えてもみんなでフォローすればいいよ」
「え…は…はい!!」
…ふふふ。
久しぶりの新人いびり。
「椎名様。やめてください。貴重な労働源を失いますよ?」
「あ。おかえり」
…いつもはこんなじゃないんだけどね~。
色々被りすぎたかも。
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