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「こら深蘭。ピーマンよけないの」
「…きらい…だもん」
…異色の空間が出来上がっていた。
うん
そうだよね~
食卓を囲んでいる人のうち1人は知らない子供
1人は今まで部屋に閉じこもってた人なんだから
にぃと叔母さん、叔父さんは時折手を止めてこちらを見ている。
やめて~!!
見ないで~!!
「あの…お義姉さん…その子は」
「あら。大翔たいとさんったら義姪の顔を忘れたのかしら?」
「いや…」
「…大翔。今だけ黙っててあげて。あんなに幸せそうにしてる瑠美…久しぶりに見るわ。あの子が死んでから1度も笑わなかったのに…」
…え?
マジ?
かなり笑顔ですけど?
「大きくなれないわよ?」
「…もういいもん」
私は横を見た。
するとそこには写真が飾ってあった。
私の写真はなかったけど…
「ママは深蘭にもっと大きくなってほしいのよ?ほら。よそ見してると付いちゃうわよ」
ママは私の袖を捲った。
…あれ?
ママってこんなに過保護だっけ?
「口開けて。あ~んよ」
「…しんら…じぶんでたべれるもん!!」
「あ…よそを見るから口の横に付いちゃったわ。お口拭き拭きしましょうね」
…うん
過保護
そして安定の子供扱い…
「…おなかいっぱい」
「それじゃあお風呂に入ってねんねしましょうね。ママが子守唄を歌ってあげるわ。準備してくるわね」
ママはパタパタと音を立ててリビングを出ていった。
私はそれを見届けて叔父さんに向き合った。
「おじゃましてすみません。ママが…あのひとがわたしを…しんらだと…おもいこんでる…ので」
自分で言って辛くなってきた
「…いいよ。お義姉さんは君のおかげで明るくなれた。少しの間でも嬉しいよ」
…少し
そっか
私…帰らなきゃ…いけないんだ
「それとね。ゆいなちゃん。お祖母様から連絡があって…1週間はここにいてもいいそうよ」
「ありがとうございます」
…ばぁば
頑張ってパパを丸め込んでね
「…おせわになります」
「礼儀正しいわね。流石は柊総帥のお孫さんね」
「待って。母さん柊って…」
「あのお屋敷のよ。ゆいなちゃんはどうやらそこのお孫さんらしいのよ」
…うん
孫ですが何か
ママが戻ってきて私はママと一緒にお風呂に入った。

「深蘭。流すから目瞑るのよ」
「は~い」
私は目を手で覆った。
ママは私の髪を洗い終わると急いで自分も洗い2人で湯船に入った。
「はふぅ…」
湯船…最高
ちょっとお湯が熱いけどそれは慣れるだろうし
「深蘭。熱くない?」
「だいじょうぶ」
「そう?」
ママは私を自分の前に座らせて髪に指を滑らせた。
「深蘭の髪はいつ見ても綺麗ね」
…そっか
前世の私も黒髪黒目だったからこの色であってるんだ
…パパに直してもらってよかったぁ
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