65 / 148
65
しおりを挟む
「…結菜!!」
「ひゃぁぁ!!」
私は即座にパパの前から逃げ出した。
だっていつもの甘々と違って般若みたいなんだもん!!
「捕まえた!!」
「うわぁん!!」
ごめんなさいぃぃ!!
謝るから許してぇぇ!!
パパは私を抱えたまま近くの椅子に座った。
「…結菜。誰から教えてもらった?」
「…ひっく…言わな…いもん…」
「…ひろくん」
ビクッ
「…なんだね?」
「…ち…違うもん…」
「結菜1人じゃ考えられないもんね?入学書を結菜の手紙に見せかけてパパにサインとハンコまでさせるなんてね?」
「うわぁん!!だって…パパそうしないと…学校行かせてくれないもん!!」
「…学院ならいいって前から言ってるよね?」
「学院じゃひろくんいないもん…」
私がそう言うとパパは私を抱く手を強くした。
「ねぇ…結菜。そのひろくんって結菜の何なの?」
「友達」
「…本当に?」
「パパ…手痛い…」
「…ごめんね。パパ熱くなりすぎたよ…ごめん…痛いよね。『治癒』」
パパは魔法で手の跡を消した。
「結菜」
「ん?」
「もし…好きな人が出来たらパパに教えてくれる?」
「うん!!ひろくん!!」
私が即答するとパパは固まった。
「そっか…そうなのかぁ…」
「あとね…パパとママとメイドさんと執事さんと…騎士さんと…」
「…待って。結菜…好きな人って…」
「皆大好き!!」
「あ…うん…結菜は結菜のままだったね…」
…どういう意味でしょう?
「結菜。変わらないでよ?」
「何が?」
「…何でもない」
何が変わらなければいいの…?
言ってくれないとわかんないよ?
「…ってことがあったの」
私は手元のカップを持った。
「やっぱりなぁ…俺いつか結菜の父さんに消されるんじゃね?」
「ん~大丈夫だと思うよ。パパ結菜のこと好きだし」
私がそう言うとひろくんは真剣な顔をした。
「…結菜…お前本当は全部分かってんだろ」
「何が?」
「いつもわかんないって顔してるけどな…お前の口から出てくる言葉は違う。幼さではなく真実ばかりだ。なぜ演技をする?」
私はカップを置いた。
「…捨てられたくないから」
「は?」
「…私ね。1度死んでるの」
「…転生か?」
「そう。これはまだパパ達にも話してないんだけど私の前世は地球に生まれたただの小学生。体育の授業中に熱中症で死んじゃった」
「…それと何の関係がある?」
「前世の私はね…結構頭良かったの。でも周りの人はそれを認めてくれなかった。異分子だったんだよ。よく言うでしょ?天才は変人でもあるって」
私はカップを強く握った。
「…いじめられることはなかったけど完全にハブられちゃった。別によかったんだけど…心は少しずつ傷ついてたみたいだね。1回リストカットしようとしてた。その時はカッターを当てる寸前で何やってんだろって思えたから大丈夫だったけど…今世の家族に嫌われたら私は…壊れるよ」
前世の家族は私を褒めてはくれなかった
従兄弟達は私を変なものでも見る目で見てた
幼い頃からそんなことを理解してしまうから…心は傷つくんだ
「…なるほどな」
「ひろくんはこんな私を嫌う?」
「いや。面白いと思うけどな。…でも文字を覚えるのは遅いよな」
「うっさい!!知らない文字なんだから仕方ないでしょ!!」
「結菜の場合は人の心をつくのに長けているって感じだな」
「ひろくんはその頭脳だよね。というか私…人の心につけこんでる?」
「まぁな。溺愛されてんならお前の理想通りにいってるってことだ」
…ならいっか
「…ありがと」
「何が?」
「何でもない」
「ひゃぁぁ!!」
私は即座にパパの前から逃げ出した。
だっていつもの甘々と違って般若みたいなんだもん!!
「捕まえた!!」
「うわぁん!!」
ごめんなさいぃぃ!!
謝るから許してぇぇ!!
パパは私を抱えたまま近くの椅子に座った。
「…結菜。誰から教えてもらった?」
「…ひっく…言わな…いもん…」
「…ひろくん」
ビクッ
「…なんだね?」
「…ち…違うもん…」
「結菜1人じゃ考えられないもんね?入学書を結菜の手紙に見せかけてパパにサインとハンコまでさせるなんてね?」
「うわぁん!!だって…パパそうしないと…学校行かせてくれないもん!!」
「…学院ならいいって前から言ってるよね?」
「学院じゃひろくんいないもん…」
私がそう言うとパパは私を抱く手を強くした。
「ねぇ…結菜。そのひろくんって結菜の何なの?」
「友達」
「…本当に?」
「パパ…手痛い…」
「…ごめんね。パパ熱くなりすぎたよ…ごめん…痛いよね。『治癒』」
パパは魔法で手の跡を消した。
「結菜」
「ん?」
「もし…好きな人が出来たらパパに教えてくれる?」
「うん!!ひろくん!!」
私が即答するとパパは固まった。
「そっか…そうなのかぁ…」
「あとね…パパとママとメイドさんと執事さんと…騎士さんと…」
「…待って。結菜…好きな人って…」
「皆大好き!!」
「あ…うん…結菜は結菜のままだったね…」
…どういう意味でしょう?
「結菜。変わらないでよ?」
「何が?」
「…何でもない」
何が変わらなければいいの…?
言ってくれないとわかんないよ?
「…ってことがあったの」
私は手元のカップを持った。
「やっぱりなぁ…俺いつか結菜の父さんに消されるんじゃね?」
「ん~大丈夫だと思うよ。パパ結菜のこと好きだし」
私がそう言うとひろくんは真剣な顔をした。
「…結菜…お前本当は全部分かってんだろ」
「何が?」
「いつもわかんないって顔してるけどな…お前の口から出てくる言葉は違う。幼さではなく真実ばかりだ。なぜ演技をする?」
私はカップを置いた。
「…捨てられたくないから」
「は?」
「…私ね。1度死んでるの」
「…転生か?」
「そう。これはまだパパ達にも話してないんだけど私の前世は地球に生まれたただの小学生。体育の授業中に熱中症で死んじゃった」
「…それと何の関係がある?」
「前世の私はね…結構頭良かったの。でも周りの人はそれを認めてくれなかった。異分子だったんだよ。よく言うでしょ?天才は変人でもあるって」
私はカップを強く握った。
「…いじめられることはなかったけど完全にハブられちゃった。別によかったんだけど…心は少しずつ傷ついてたみたいだね。1回リストカットしようとしてた。その時はカッターを当てる寸前で何やってんだろって思えたから大丈夫だったけど…今世の家族に嫌われたら私は…壊れるよ」
前世の家族は私を褒めてはくれなかった
従兄弟達は私を変なものでも見る目で見てた
幼い頃からそんなことを理解してしまうから…心は傷つくんだ
「…なるほどな」
「ひろくんはこんな私を嫌う?」
「いや。面白いと思うけどな。…でも文字を覚えるのは遅いよな」
「うっさい!!知らない文字なんだから仕方ないでしょ!!」
「結菜の場合は人の心をつくのに長けているって感じだな」
「ひろくんはその頭脳だよね。というか私…人の心につけこんでる?」
「まぁな。溺愛されてんならお前の理想通りにいってるってことだ」
…ならいっか
「…ありがと」
「何が?」
「何でもない」
0
お気に入りに追加
1,072
あなたにおすすめの小説
チートな幼女に転生しました。【本編完結済み】
Nau
恋愛
道路に飛び出した子供を庇って死んだ北野優子。
でもその庇った子が結構すごい女神が転生した姿だった?!
感謝を込めて別世界で転生することに!
めちゃくちゃ感謝されて…出来上がった新しい私もしかして規格外?
しかも学園に通うことになって行ってみたら、女嫌いの公爵家嫡男に気に入られて?!
どうなる?私の人生!
※R15は保険です。
※しれっと改正することがあります。
転生貴族のスローライフ
マツユキ
ファンタジー
現代の日本で、病気により若くして死んでしまった主人公。気づいたら異世界で貴族の三男として転生していた
しかし、生まれた家は力主義を掲げる辺境伯家。自分の力を上手く使えない主人公は、追放されてしまう事に。しかも、追放先は誰も足を踏み入れようとはしない場所だった
これは、転生者である主人公が最凶の地で、国よりも最強の街を起こす物語である
*基本は1日空けて更新したいと思っています。連日更新をする場合もありますので、よろしくお願いします
美少女に転生して料理して生きてくことになりました。
ゆーぞー
ファンタジー
田中真理子32歳、独身、失業中。
飲めないお酒を飲んでぶったおれた。
気がついたらマリアンヌという12歳の美少女になっていた。
その世界は加護を受けた人間しか料理をすることができない世界だった
あの、神様、普通の家庭に転生させてって言いましたよね?なんか、森にいるんですけど.......。
▽空
ファンタジー
テンプレのトラックバーンで転生したよ......
どうしようΣ( ̄□ ̄;)
とりあえず、今世を楽しんでやる~!!!!!!!!!
R指定は念のためです。
マイペースに更新していきます。
まさか転生?
花菱
ファンタジー
気付いたら異世界? しかも身体が?
一体どうなってるの…
あれ?でも……
滑舌かなり悪く、ご都合主義のお話。
初めてなので作者にも今後どうなっていくのか分からない……
伯爵家の三男に転生しました。風属性と回復属性で成り上がります
竹桜
ファンタジー
武田健人は、消防士として、風力発電所の事故に駆けつけ、救助活動をしている途中に、上から瓦礫が降ってきて、それに踏み潰されてしまった。次に、目が覚めると真っ白な空間にいた。そして、神と名乗る男が出てきて、ほとんど説明がないまま異世界転生をしてしまう。
転生してから、ステータスを見てみると、風属性と回復属性だけ適性が10もあった。この世界では、5が最大と言われていた。俺の異世界転生は、どうなってしまうんだ。
残滓と呼ばれたウィザード、絶望の底で大覚醒! 僕を虐げてくれたみんなのおかげだよ(ニヤリ)
SHO
ファンタジー
15歳になり、女神からの神託の儀で魔法使い(ウィザード)のジョブを授かった少年ショーンは、幼馴染で剣闘士(ソードファイター)のジョブを授かったデライラと共に、冒険者になるべく街に出た。
しかし、着々と実績を上げていくデライラとは正反対に、ショーンはまともに魔法を発動する事すら出来ない。
相棒のデライラからは愛想を尽かされ、他の冒険者たちからも孤立していくショーンのたった一つの心の拠り所は、森で助けた黒ウサギのノワールだった。
そんなある日、ショーンに悲劇が襲い掛かる。しかしその悲劇が、彼の人生を一変させた。
無双あり、ザマァあり、復讐あり、もふもふありの大冒険、いざ開幕!
死んだのに異世界に転生しました!
drop
ファンタジー
友人が車に引かれそうになったところを助けて引かれ死んでしまった夜乃 凪(よるの なぎ)。死ぬはずの夜乃は神様により別の世界に転生することになった。
この物語は異世界テンプレ要素が多いです。
主人公最強&チートですね
主人公のキャラ崩壊具合はそうゆうものだと思ってください!
初めて書くので
読みづらい部分や誤字が沢山あると思います。
それでもいいという方はどうぞ!
(本編は完結しました)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる