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「…結菜ちゃん。先生のこと分かる?」
「まきせんせい?」
「…忘れてるんだね。困ったなぁ…このこと結菜ちゃんのお父さん達は知ってるわけないでしょ?」
…お父さんとパパは同じ人…のはず
私は足元にあった白い掛け布団を握った。
「連絡して…迎え…はダメか。このまま様子見でこのまま入院して…」
「…せんせい。ゆいな…このこはどうしてにゅういんしてるの?」
「この子ときたか…結菜ちゃんの体はう~ん…なんというか…ボロボロ…なのかな…うわぁ…わかりやすく説明するのめんど…」
「…ようするに…びょうじゃく」
「お?…意外と知識は残ってるのかも。よかった。説明してもなんとか話通るね」
先生は手に持っていたバインダーを近くの机に置いた。
「あの…」
「ん?」
「…このこのこと…おしえてください」
「…教えてって言われても…結菜ちゃんが病院に来てすることといえば…泣く、笑うくらいだったしなぁ…」
…この子って感情出すことほとんどないの?
「…わかんないの…ここがどこかも…どこかにかえらなきゃいけないきがするのに…パパとママのことも…ぜんぜんおもいだせなくて…」
「…大丈夫。思い出せるよ」
先生は私の頭を優しく撫でてくれた。
すると私は泣き疲れて眠ってしまった。

先生視点
結菜ちゃんが眠って数分後…
「結菜ぁぁ!!」
「結菜は!?」
結菜ちゃんのお父さんとお母さんが同時に飛び込んできた。
「…お静かに。今眠ったところですから」
「…結菜は…?記憶を失ったって聞いたけど…」
「…お2人のことも思い出せない…と」
僕がそう言うとお父さんは頭に手を当てた。
「…まさか…!!」
お父さんはすぐさま結菜ちゃんの手を握った。
「…やっぱり」
「どうしたの?」
「…結菜の中の魔力が…全くと言っていいほど…無い。1人でここに来ようなんて無茶するから…元々体も弱ってたのに…よく肉体が耐えられたものだよ」
…魔力?
「一体何の話を…」
「…マキ。いい加減その胡散臭いキャラをやめろ」
…ちっ
「バレてたのか。結構上手くいったと思ってたんだけどな」
「結菜にはバラすなよ?…絶対泣くから」
「だよな。今までずっと近くにいた存在が…魔族なんだから」
「魔族?…マラト。先生。何を言っているの?」
…こいつ…話してないのか
「…俺はマラトの国の裏側に位置する魔界の長…マキだ」
「魔界?…確かに時々不穏な気配は感じていたけど」
「お前の奥さん何者だ?地面の裏側だぞ?」
「…ただの勘よ」
「勘で済まされるものか。…結界の見直しをしないといけないな」
「お?久しぶりに帰るのか?」
「まぁな。こっちでの仕事は…ほとんど結菜ちゃんが占めてるし」
「…すまない」
…まぁ…こちら側で魔力の解明が出来るかどうかも知りたかったんだけどな
結果は…無理だ
所詮科学は魔法に遠く及ばない
無から有を生み出す魔法とは違って有から有を…それもめんどくさい方法を使わないといけない科学が解明できるはずもなかった
「有給もらって数日だけ帰るさ」
「…お前人間として順応しすぎだろ」
「マラトだって一国の王だろ?立場的には同じじゃないか。…あぁ。あとお前の国の種何個か貰ったからな」
「おま…!!…まぁ魔界で育てられると種類も変わるからいいけど…今度から先に言え」
「結菜ちゃんが関わらないと来ないくせに」
こいつ…とんでもない親バカになったよな
ほんと…嫁ができると人間変わっちまうものだな
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