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あれから4年が経ち…
私は15歳になりました。
そして…
「エリーナ。お前も来年には結婚適齢期だ。そろそろ婚約者の1人でも見つけないと…」
「…お父様。エリーナは1人でいいですわ」
「しかしだな…」
「跡継ぎはシオンお兄様がいらっしゃいますし…」
「エリーナ。私はお前にも幸せになって欲しい」
「私の幸せは他人が幸せになるのを見ていることですわ」
…私とお父様の攻防戦が開かれていた。
シロとクロは2人とも結婚してしまい私の元を離れた。
「…エリーナ。パネラのことを気にしているのか?」
「いいえ。小さい頃にされていたことなど…もう忘れましたわ」
「母親のことか?」
私はビクッと震えた。
「…お母様のことは…ただ不幸だったと思っています。後宮内の争いに巻き込まれたのでしょう。それを承知でお嫁にここに来たお母様の責任ですわ」
本当はお父様が無理矢理連れてきたのをエリーナは知っていますわ
「あ…うん…そうだな」
「ではお父様。失礼致しますわ」
私は礼をしてから部屋を出た。
私は美しく成長した。
髪も伸び…出るところは出ている
しかし…身長が低いのが残念だ
「お父様は…過保護なの。パネラお姉様が幸せであれば私はそれでいいのよ」
私は自分にそう言い聞かせた。
その時向こうから1人の男性が歩いてきた。
服装からして…他国の方ね
私は礼をして待った。
本来礼をして待つのは使用人だったり…身分の低い人が行うのだが私は母親が平民だったため家族の中では1番身分が低い。
「…誰だ?使用人ではないだろう。何故頭を下げている」
思っていたより低い声だった。
「私は生まれが生まれですので…」
「顔を上げろ」
私は言われた通り顔を上げた。
「綺麗だ…」
「…私の心を知らないのだから言えることですわ」
「は?」
「失礼致しますわ」
私は急いでその場を立ち去ろうとしたのだが腕を掴まれた。
「なんですの?」
「気に入った。今から国王に会いに行こう」
「嫌ですわ」
さっきまでお父様の元にいたんですもの
「いいから来い」
「きゃっ」
強引な方ですね…
紳士とは言い難いですわ
私は怒りながらその方に引っ張られついさっきまでいた執務室の前に立った。
「はぁ…このお方がお父様にお会いしたいと仰っているの。開けてくださる?」
「は…はいぃ!!」
声が上擦りましたわよ?
…そんなに私は嫌われていますの?
私は不思議に思いながら中に入った。
「お父様。お父様にお会いしたいと仰る方をお連れいたしましたわ」
「あぁ……ってエリーナが!?」
「何か悪いんですの?」
「いや……」
歯切れが悪いですわ
…イライラしますの
私はお父様の隣に立った。
「国王陛下。私は隣国のトルーク国の第1王子のローレンと言います。突然ですがこちらのご令嬢を私にくださいませんか?」
「は…?」
私は思わずそう呟いてしまった。
あなたとお会いしたのはつい先程ですよね?
いつ惚れられる場面があったのです?
それよりも私は嫁ぐなど嫌ですわ
鳥籠の中の姫になりたいんですの
絶対お断りですわ
「よかろう。行き遅れるんじゃないかと心配していたのだ」
「お父様!?エリーナは嫁ぐ気はないと言いましたよね!!」
私は思わず机をバンと叩いてしまった。
「…もういいですわ。政略結婚をさせるつもりでしたらエリーナは城を出ますわ」
「エリーナ!!」
「元々私はここの生活が嫌いですの。…お父様は気づいていらっしゃらなかったようですけど…一夫多妻制など嫌ですわ。子供のことも考えてくださいまし」
…一夫多妻制は私を不幸にするだけ
だから1人がいいの
「エリーナ。国王として命令だ。トルーク国に嫁ぎなさい」
「…分かりましたわ。国王令には逆らえませんもの。生きている限りは」
「…エリーナ。自殺することは禁じたはずだよ」
「簡単に禁じられることではありませんわ。私の命など軽いものですわ。それにこの命は11歳のあの日になくなるはずのものですもの」
私は胸元に手を当てて言った。
あの日止められていなければ私は飛び降りて死んでいた。
だから別に命なんて…
私は15歳になりました。
そして…
「エリーナ。お前も来年には結婚適齢期だ。そろそろ婚約者の1人でも見つけないと…」
「…お父様。エリーナは1人でいいですわ」
「しかしだな…」
「跡継ぎはシオンお兄様がいらっしゃいますし…」
「エリーナ。私はお前にも幸せになって欲しい」
「私の幸せは他人が幸せになるのを見ていることですわ」
…私とお父様の攻防戦が開かれていた。
シロとクロは2人とも結婚してしまい私の元を離れた。
「…エリーナ。パネラのことを気にしているのか?」
「いいえ。小さい頃にされていたことなど…もう忘れましたわ」
「母親のことか?」
私はビクッと震えた。
「…お母様のことは…ただ不幸だったと思っています。後宮内の争いに巻き込まれたのでしょう。それを承知でお嫁にここに来たお母様の責任ですわ」
本当はお父様が無理矢理連れてきたのをエリーナは知っていますわ
「あ…うん…そうだな」
「ではお父様。失礼致しますわ」
私は礼をしてから部屋を出た。
私は美しく成長した。
髪も伸び…出るところは出ている
しかし…身長が低いのが残念だ
「お父様は…過保護なの。パネラお姉様が幸せであれば私はそれでいいのよ」
私は自分にそう言い聞かせた。
その時向こうから1人の男性が歩いてきた。
服装からして…他国の方ね
私は礼をして待った。
本来礼をして待つのは使用人だったり…身分の低い人が行うのだが私は母親が平民だったため家族の中では1番身分が低い。
「…誰だ?使用人ではないだろう。何故頭を下げている」
思っていたより低い声だった。
「私は生まれが生まれですので…」
「顔を上げろ」
私は言われた通り顔を上げた。
「綺麗だ…」
「…私の心を知らないのだから言えることですわ」
「は?」
「失礼致しますわ」
私は急いでその場を立ち去ろうとしたのだが腕を掴まれた。
「なんですの?」
「気に入った。今から国王に会いに行こう」
「嫌ですわ」
さっきまでお父様の元にいたんですもの
「いいから来い」
「きゃっ」
強引な方ですね…
紳士とは言い難いですわ
私は怒りながらその方に引っ張られついさっきまでいた執務室の前に立った。
「はぁ…このお方がお父様にお会いしたいと仰っているの。開けてくださる?」
「は…はいぃ!!」
声が上擦りましたわよ?
…そんなに私は嫌われていますの?
私は不思議に思いながら中に入った。
「お父様。お父様にお会いしたいと仰る方をお連れいたしましたわ」
「あぁ……ってエリーナが!?」
「何か悪いんですの?」
「いや……」
歯切れが悪いですわ
…イライラしますの
私はお父様の隣に立った。
「国王陛下。私は隣国のトルーク国の第1王子のローレンと言います。突然ですがこちらのご令嬢を私にくださいませんか?」
「は…?」
私は思わずそう呟いてしまった。
あなたとお会いしたのはつい先程ですよね?
いつ惚れられる場面があったのです?
それよりも私は嫁ぐなど嫌ですわ
鳥籠の中の姫になりたいんですの
絶対お断りですわ
「よかろう。行き遅れるんじゃないかと心配していたのだ」
「お父様!?エリーナは嫁ぐ気はないと言いましたよね!!」
私は思わず机をバンと叩いてしまった。
「…もういいですわ。政略結婚をさせるつもりでしたらエリーナは城を出ますわ」
「エリーナ!!」
「元々私はここの生活が嫌いですの。…お父様は気づいていらっしゃらなかったようですけど…一夫多妻制など嫌ですわ。子供のことも考えてくださいまし」
…一夫多妻制は私を不幸にするだけ
だから1人がいいの
「エリーナ。国王として命令だ。トルーク国に嫁ぎなさい」
「…分かりましたわ。国王令には逆らえませんもの。生きている限りは」
「…エリーナ。自殺することは禁じたはずだよ」
「簡単に禁じられることではありませんわ。私の命など軽いものですわ。それにこの命は11歳のあの日になくなるはずのものですもの」
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