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一年後…
「以上で入学式を終えます」
…長かった。
世界が変わっても校長先生とか偉い人の話は長いんだね。
あ、ども。
6歳になったアイルです。
パパとママのスパルタ教育は続きましたよ?
もちろん…私が泣いてもやめてくれなかった。
「…くぁぁ」
やば、あくびでた。
くすくすと私に対するであろう囁かな笑い声が聞こえた。
…入学早々馬鹿にされたよ。
「…はぁ。やっぱり平民は馬鹿にされるのかな…いや今のは私が悪いか」
これ以上平民全体の評判を下げないようにしないとね。
こういうのって確か1人の失敗を全体で見られたりするからね~。
クラス分け
「…まじか」
平民と貴族が同じクラスなのかよ。
「…うわ、最悪」
隣にいた男の子も同じことを考えたようだ。
…見た目からして…平民かな。
「…同じクラス?なんて名前なの?私はアイル。平民よ」
「俺はカインだ。…災難だな。せっかく入学できたのに…これじゃすぐに退学に追い込まれそうだ」
「あきらめるの?」
私はカインの顔を下からのぞき込んだ。
「私達は成績優秀者だったから入学を許された…違う?」
「そうだけど…でも身分の違いはどうしようもな…」
「どうにでもできるよ。所詮、みんな人間。違いは緊急時にどれだけ対処できるか…危険な時に頭の回らない人よりも回る人の方が生き残る可能性は高い。温室でぬくぬく育ってきた貴族に寒くて狭い場所で生き抜いた私達が負けるものですか!!」
「…それ自虐?」
「まぁ…そうなるね。身分の違いは頭脳でなんとでもなる。人間努力すればどうにだってなる!!やれば大抵なんとかなる!!」
「…すごい精神だな。どんな環境で生きてきたんだよ」
…ん~それなりに安全なところ?
治安は悪くないけど王都から少し離れてて、ちょーっと物流が悪いとこ?
「カインくん。これからよろしくね」
「よろしくな」
私達は固く握手を交わした。
あ、こうして見るとカインの髪と目って黒色なんだ。
…日本人みたい。
まぁ日本の名前だとカインよりもカイになるかな。
「…カインって別の国の人?」
「や、違うけど?生まれも育ちもここアテーリアだ」
…じゃあ日本人じゃないか。
「…まぁ…お互い頑張ろうか。結局入学出来たのは私達だけみたいだし」
「だな。…平民のテストの基準点が高すぎるんだよ。アイルは余裕っぽいけどな」
「そういうカインはギリギリだったんだね。教えようか?」
「…頼む。計算だけは何とかしてできるようになりたいんだ。母さんの助けになれるだろ?」
「おけ。じゃあ君には筆算という方法を教えようではないか!!」
あと九九カードも作ってあげよ~。
私達みたいな平民で入学した人は国が勉強用具や学校の制服、入学金にご飯代、全部出してくれるんだって。
…それだけ働ける人が少ないってことだよね。
「この国がすべきなのは全員に教育を施すことじゃないのかな…少なくとも6歳から1年~2年勉強すれば計算なんてすぐ覚えられるのに…」
無駄なことばっか。
というか貴族の娯楽に回す金を私達平民に回してくれよ。
私、100ベルあれば贅沢して2週間、切り詰めて1ヶ月暮らせる自信あるもん。
「以上で入学式を終えます」
…長かった。
世界が変わっても校長先生とか偉い人の話は長いんだね。
あ、ども。
6歳になったアイルです。
パパとママのスパルタ教育は続きましたよ?
もちろん…私が泣いてもやめてくれなかった。
「…くぁぁ」
やば、あくびでた。
くすくすと私に対するであろう囁かな笑い声が聞こえた。
…入学早々馬鹿にされたよ。
「…はぁ。やっぱり平民は馬鹿にされるのかな…いや今のは私が悪いか」
これ以上平民全体の評判を下げないようにしないとね。
こういうのって確か1人の失敗を全体で見られたりするからね~。
クラス分け
「…まじか」
平民と貴族が同じクラスなのかよ。
「…うわ、最悪」
隣にいた男の子も同じことを考えたようだ。
…見た目からして…平民かな。
「…同じクラス?なんて名前なの?私はアイル。平民よ」
「俺はカインだ。…災難だな。せっかく入学できたのに…これじゃすぐに退学に追い込まれそうだ」
「あきらめるの?」
私はカインの顔を下からのぞき込んだ。
「私達は成績優秀者だったから入学を許された…違う?」
「そうだけど…でも身分の違いはどうしようもな…」
「どうにでもできるよ。所詮、みんな人間。違いは緊急時にどれだけ対処できるか…危険な時に頭の回らない人よりも回る人の方が生き残る可能性は高い。温室でぬくぬく育ってきた貴族に寒くて狭い場所で生き抜いた私達が負けるものですか!!」
「…それ自虐?」
「まぁ…そうなるね。身分の違いは頭脳でなんとでもなる。人間努力すればどうにだってなる!!やれば大抵なんとかなる!!」
「…すごい精神だな。どんな環境で生きてきたんだよ」
…ん~それなりに安全なところ?
治安は悪くないけど王都から少し離れてて、ちょーっと物流が悪いとこ?
「カインくん。これからよろしくね」
「よろしくな」
私達は固く握手を交わした。
あ、こうして見るとカインの髪と目って黒色なんだ。
…日本人みたい。
まぁ日本の名前だとカインよりもカイになるかな。
「…カインって別の国の人?」
「や、違うけど?生まれも育ちもここアテーリアだ」
…じゃあ日本人じゃないか。
「…まぁ…お互い頑張ろうか。結局入学出来たのは私達だけみたいだし」
「だな。…平民のテストの基準点が高すぎるんだよ。アイルは余裕っぽいけどな」
「そういうカインはギリギリだったんだね。教えようか?」
「…頼む。計算だけは何とかしてできるようになりたいんだ。母さんの助けになれるだろ?」
「おけ。じゃあ君には筆算という方法を教えようではないか!!」
あと九九カードも作ってあげよ~。
私達みたいな平民で入学した人は国が勉強用具や学校の制服、入学金にご飯代、全部出してくれるんだって。
…それだけ働ける人が少ないってことだよね。
「この国がすべきなのは全員に教育を施すことじゃないのかな…少なくとも6歳から1年~2年勉強すれば計算なんてすぐ覚えられるのに…」
無駄なことばっか。
というか貴族の娯楽に回す金を私達平民に回してくれよ。
私、100ベルあれば贅沢して2週間、切り詰めて1ヶ月暮らせる自信あるもん。
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