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番外編 子供
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「…輝?私…平気だよ?」
「平気じゃないだろ。眠れてないんだ。」
「1日2日寝ないくらい…」
「俺が許さん。」
輝はそう言うと私をベットにおろした。
「リラックス出来る物は全て用意させよう。」
「大丈夫…だから。輝は心配しすぎなの。」
私はベットに横になった。
「寝るね…おやすみ…」
「おやすみ。」
輝は私の額にキスをした。
そして私の手を握った。
私はそれを見て少しだけ微笑んで目を閉じた。
「かーさま…かーさま…」
「詩乃?どこにいるの?」
「かーさま…」
「詩乃!!」
私は暗闇の中に詩乃を見つけ駆け寄った。
「…あ…れ?お嬢様…?」
「あぁアイ会いたかったわ…一生私に仕えると約束したでしょ?」
「約束しました。」
「なら私と一緒に行きましょう。」
「え…」
お嬢様の私を掴んだ手は…手ではなかった。
手のようなボンヤリとした黒いものだった。
「お嬢様…?」
「心配することはないわ。一瞬よ。」
お嬢様の手にキラリと光る何かが見えた。
「お嬢様!!そんなものをお持ちになってはいけません!!昔アイが教えたことをお忘れですか!!」
「いいえ覚えているわ。だから持っているんじゃない。この…ナイフは人の命を奪うことが出来る。だからあなたの命を奪って一緒に行くのよ。」
「嫌です!!私には夫も娘も…家族がいるんです!!」
「知らないわ。」
私は咄嗟にお嬢様の手を振りきり逃げた。
「あら?鬼ごっこ?いいわよ。久しぶりにやりましょう。」
「嫌…嫌…お嬢様が…変わってしまった…お嬢様が…あのお可愛らしいお嬢様が…」
「あはは。待ちなさい。アイ。」
「変わってしまったのは…私の…せい?」
私は立ち止まった。
「私が…変えてしまった?」
「あら?もう終わりなの?じゃあ…」
お嬢様はナイフを持った手を振り上げた。
私はそのナイフを叩き落とした。
そしてお嬢様を抱きしめた。
「お嬢様…アイのせいでお変わりになってしまったのですよね…すみません。ですが私にはまだ心残りがあります。ですのでそちらが片付いたらお嬢様の方へ行かせていただきます。それまでお待ちいただけますか?」
「…約束よ?」
「はい。アイは約束を破りません。」
「…じゃあ待ってる。」
お嬢様は消えた。
「えぇ…私は約束を破りませんわ。」
「ん…」
「起きたか?少し魘されていたが大丈夫そうだな。」
「大丈夫…って言ったでしょ?」
「だが顔色はまだ治っていない。まだ動くなよ。」
「はぁい…」
私は大人しくベットの上で過ごした。
「平気じゃないだろ。眠れてないんだ。」
「1日2日寝ないくらい…」
「俺が許さん。」
輝はそう言うと私をベットにおろした。
「リラックス出来る物は全て用意させよう。」
「大丈夫…だから。輝は心配しすぎなの。」
私はベットに横になった。
「寝るね…おやすみ…」
「おやすみ。」
輝は私の額にキスをした。
そして私の手を握った。
私はそれを見て少しだけ微笑んで目を閉じた。
「かーさま…かーさま…」
「詩乃?どこにいるの?」
「かーさま…」
「詩乃!!」
私は暗闇の中に詩乃を見つけ駆け寄った。
「…あ…れ?お嬢様…?」
「あぁアイ会いたかったわ…一生私に仕えると約束したでしょ?」
「約束しました。」
「なら私と一緒に行きましょう。」
「え…」
お嬢様の私を掴んだ手は…手ではなかった。
手のようなボンヤリとした黒いものだった。
「お嬢様…?」
「心配することはないわ。一瞬よ。」
お嬢様の手にキラリと光る何かが見えた。
「お嬢様!!そんなものをお持ちになってはいけません!!昔アイが教えたことをお忘れですか!!」
「いいえ覚えているわ。だから持っているんじゃない。この…ナイフは人の命を奪うことが出来る。だからあなたの命を奪って一緒に行くのよ。」
「嫌です!!私には夫も娘も…家族がいるんです!!」
「知らないわ。」
私は咄嗟にお嬢様の手を振りきり逃げた。
「あら?鬼ごっこ?いいわよ。久しぶりにやりましょう。」
「嫌…嫌…お嬢様が…変わってしまった…お嬢様が…あのお可愛らしいお嬢様が…」
「あはは。待ちなさい。アイ。」
「変わってしまったのは…私の…せい?」
私は立ち止まった。
「私が…変えてしまった?」
「あら?もう終わりなの?じゃあ…」
お嬢様はナイフを持った手を振り上げた。
私はそのナイフを叩き落とした。
そしてお嬢様を抱きしめた。
「お嬢様…アイのせいでお変わりになってしまったのですよね…すみません。ですが私にはまだ心残りがあります。ですのでそちらが片付いたらお嬢様の方へ行かせていただきます。それまでお待ちいただけますか?」
「…約束よ?」
「はい。アイは約束を破りません。」
「…じゃあ待ってる。」
お嬢様は消えた。
「えぇ…私は約束を破りませんわ。」
「ん…」
「起きたか?少し魘されていたが大丈夫そうだな。」
「大丈夫…って言ったでしょ?」
「だが顔色はまだ治っていない。まだ動くなよ。」
「はぁい…」
私は大人しくベットの上で過ごした。
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