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3章 妖の使いと死の呪い
22話
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町中をキメたような感じで歩く華南。
全体はモノクロで粗めのビジュアル、ドラマのワンシーン風。
階段を降りていく。
場面が切り替わりスーツ姿の中年男(講釈師)。
講釈師「皆さんこんにちは。 彼女はご存知、退魔師の溝口華南です。
では彼女はなぜこのようなことになったのか、今から皆さんと見返してみましょう。」
『 筋書きの通り 』
町に来る華南とメタモ、町並みはどことなく古びている。
二人が来たのは町のはずれにある運営してるかどうかも分からないような映画館。
敷地内の周りも草が生えていて整備されてるようではない。
入ろうとすると立ちはだかる人物、その姿は腕が人間離れ。
(ドッペル5号)
ドッペル5号は襲いかかり、華南とメタモは攻防。
力のあまり押し負ける。
華南は苦し紛れになりながらメタモと攻撃をするとドッペル5号は防ぐこともなく切られる。
嘲笑う表情で消滅するドッペル5号。
「!!」
華南の体に激痛が走る。
メタモ「大丈夫!?」
華南「あいつ・・・! 自ら切られに来た。
もういい、とにかく入るぞ。」
二人は場内に来て中は照明が落とされスクリーンには古い感じのアメリカの町並みが映っている。
警戒しながら見ていると突然スクリーンが光る。
そして現在、華南は全身黒い衣装の男の後をつける。
そのあとに来るメタモ、姿はスーツ姿に固めの帽子と一昔前の刑事風。
メタモ「なんか急にこんなことになっちゃってるんだけど、あいつが関係してるの?」
華南「わからん。」
メタモ「とりあえず先回りして挟み撃ちね。」
その場から離れる。
華南は男を追いかけるが途中で見失ってしまう。
男を追って華南が来たのは薄暗い倉庫、コンテナが並ぶ。
「どこに行った? それにメタモは 」
ガチャッ
背後を取られて銃を向けられる。
「お前がつけていたことは分かっていた。」
華南「こんな所に引き込んで、何が目的だ?」
「言ってることが分からんな。」
男は発砲し華南はスレスレで避ける。
その後も銃で撃ち、華南は避けたり刀で弾く。
華南「そういえばメタモは先回りしていたはずなのにどこ行ったんだ?」
銃を避けながら男を刀で切ろうとすると、
カンッ
何かを打ち鳴らす音と同時に再び元の道に戻る。
華南「?」
去っていく男の姿。
華南「おいメタモ。
・・・・・・メタモ!?」
メタモは暗いトンネルに来る。
「おかしいな、気づいたらこんなところに。
華南どこー?」
しばらく歩いていると今度はダクトが張り巡らされた地下通路。
「あの変な男だっていないし。」
探索していると階段を見つけ下りてる途中で人の気配を感じて隠れる。
「 この秘密兵器ギガドリラーを発進させ、すべての山を掘り起こし噴火を促して世界を沈めるのだ!
地球人の愚かな文明とともに滅びゆく様を見るとしよう。 」
「え?」
メタモは姿を現す。
「何者だ!?」
メタモ「やめなよ!! そんな危ないこと!」
「この作戦を聞かれた以上生かして返すな!! いけ!」
宇宙人のような姿をした兵士達が向かって来てメタモと攻防。
気づけば採石場。
メタモと兵士達の戦いは続く、その途中でメタモはかぶっていた帽子を投げる。
「ああ、もう、動きづらいな!」
スーツ姿から元の軽装に戻る。
メタモ「らちが明かない! こんなとこ早く出て行ってやる!」
華南は男を追って走ると道路に来る。
黒塗りの車が全速力で走ってくる。
それを華南は踏んで飛び越える。
車は止まると今度はバックで走って来て華南は刀をかまえる。
カンッ
打ち鳴らす音と同時に再び元の道路。
黒塗りの車が走って来る。
華南は車を踏んで飛び越える。
「!?」
飛び越える寸前で車はバックし、華南はバランスを崩すとボンネットにしがみつく。
車は走り出して車内にサングラスをした怪しい男達を見る。
別の場所でメタモは手足を広げて左右の壁にしがみつく。
同じ態勢をしていた男の一人が力尽きて落ちる。
下にはワニやピラニアが待ち構えていて男は悲鳴をあげ、メタモは見下ろして表情が引きつる。
華南がボンネットにしがみついたまま走る車。
その途中で一斗缶が積まれた壁や干し草の山にぶつけられる。
やがて木の板で打ち付けられた倉庫の壁にぶつけられ、車は止まり華南は振り落とされる。
男は銃で撃つと後ろにある火薬などに引火して爆発を起こす。
メタモはモノクロ調の映像の中 雨に降られ、雨宿りにやって来たのは大きな門。
そこには身だしなみがよくない和服姿の男(下人)、物売りの男、法師の男の三人がいる。
「ムッ、何やつ!?
メタモ「アタシだってよく分かんないんだよ。
こんなとこ出たいんだけど出口知らない?」
「怪しいやつめ、とっちめてやる!」
下人の男は刀を振ってメタモは避けたり弾いたりする。
メタモは地面に落ちている布切れを手に取って下人に投げると下人はもがく。
そのうちにメタモは逃げる。
華南は走っていて後から追うようにサングラスをした男が銃を向けて歩いてくる。
華南はやがて高層ビルの一室まで来るとまわりに逃げ道はなくなり壁は一面ガラス貼りの窓。
男は銃を持って歩みよる。
華南は構えて術を出そうとすると男は発砲。 弾はかすめて後ろの窓に当たる。
ガラスは勢いよく割れて華南もその反動で投げ出され、砕けたガラスとともに落下する。
「!!」
落下して地面に叩きつけられる寸前でさらに砕ける。
そこは別の空間になっていて高層ビルが建ち並ぶ街が反転したような景色。
やがてさらに別の空間に落ちる。
「ここは一体・・・?」
まわりでは無数に何かが回っていて、それらをよく見ると映画のフィルム。
近くに黒い影があって次第に姿が見える。
― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ―
〔 シネ魔 〕
監督の未練が思念体となった妖。
映画がいろんな都合で未完成になってしまった時などに現れる件が多い。
― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ―
「困るんだよ、私の作品を勝手に変えられては。」
再びモノクロ映像、シャワールームで浴びている女性。
体を流している途中でシャワーから色のついた液体が出てくる。
「・・・ !!」
女性はシャワーの水が色づいて出ていることに気づくとさらに何かの気配を感じて振り返る。
メタモ「ここでもないか・・・」
女性「キャアアアアアアアアアッッッ・・・・・・・・・・・・!!!」
華南は刀を振ったり術で火の玉を飛ばすが当たらない。
シネ魔との攻防。
華南は刀を振ったり火の玉を飛ばして攻撃するがかわされる。
その間、シネ魔の頭のカメラは動く。
華南が向かっていく。
シネ魔「アクション!!」
カチンコが鳴った後で華南の残像が現れて刀を振ると華南は避ける。
華南「なんだ今のは?」
さらに向かって行くが華南の残像は火の玉を飛ばして攻撃し、受け止めきれず華南は吹き飛んで倒れる。
追い打ちをかけるようにシネ魔はメガホンやカチンコで攻撃する。
シネ魔「この場所に来ようが話の流れはすでに決まっている。
お前が私に倒されてこの筋書きは完結するんだ。」
華南「!?」
メタモが来たのは夜の道。
警戒していると警官の男がメタモに向かって走って来る。
メタモ「え?」
メタモは恐怖のあまり逃げる。
「なによあいつ!?」 表情ぜんぜん変わらないし
走ってる途中でメタモは違和感を感じるとお尻に何かが刺さっていることに気づく。
抜くととがった金属片。
メタモは驚いて投げ捨てるとそのまま走り去り、警官の男は金属片を回収すると追うのをやめる。
残像の華南が火の玉を飛ばすと華南は刀で受け止める。
さらに複数の残像が出てきて華南目がけて火の玉が飛ぶ。
「・・・・・・!!」
力のあまり押し負けそうになる。
それから弾くと火の玉は軌道を変えて回っているフィルムの一部に当たる。
シネ魔「な・・・!?」
当たった箇所は焼け焦げて切れる。
シネ魔「これでは最後までいかない!」
メタモ「さっきからどうなってるのこれ~!?」
走りながらいろんな作品に切り替わる。
銃を持った乱暴者達がトロッコに乗って追いかけまわし、鳥が群れをなしてやってきて、上空から核ミサイルが飛んできて、崖に落っこちてきた車が大爆発を起こす。
メタモは逃げてる途中で見えない壁に当たる。
そこは華南が焼き切ったフィルムの部分で行き止まりになっている。
反対側を見ると複数の映画の登場人物の危ない奴らの追っ手。
「華南、助けて。
メタモちゃんはもう、ダメかもしれない・・・」
華南は術や刀で、シネ魔は撮影に使う機材で戦う。
シネ魔「フン、結末まではいかずとも、何度もやり直すことはできる。
次第に貴様の力だって薄れていくだろう。」
カチンコを鳴らそうとすると上から紫の液体が垂れてきてカチンコに着く。
鳴らそうとするが鳴らない。
シネ魔「なんだこれは!?
しかも、くっついて取れん!!」
華南は蹴り飛ばしてシネ魔はカチンコを離してしまうと転がっていく。
シネ魔は頭のカメラ部分からレーザーを出す。
シネ魔「こころざし半ばで不慮の事故で死んでしまった!
そしてこの作品もまた未完となって今でも蔵の中にある。
超大作になりうるかもしれないこの作品をだ!
お前に忘れ去られる悲しみが分かるか?」
華南「そんなの決まってるだろ。
良かろうが悪かろうが、人々の中に思いが残っていれば、決して忘れられることなんてないんだ。
それにこんなすごい映画、今までなんで出てこないのかが不思議でならない。」
戦いの末にシネ魔にとどめの一撃をくらわす。
「よかろう、ならばこのフィルムをお前に託そう。
少しでも風化をさせたらお前を永遠に呪うからな!!」
シネ魔は消滅。
それからしばらくすると華南とメタモは再び映画館の場内に戻り、スクリーンには“ THE END ”と表記。
さらにそれから映画は消えて薄くて明るい明りが灯る。
華南「・・・・・・。」 メタモ「・・・・・・。」
華南はアタッシュケースに映画館で保管されていたフィルムを詰めると映画館を後にする。
メタモ「今まで何してたんだよ! 死ぬかと思ったんだから!」 ( プンスカ )
華南「はあ? お前に限ってありえないだろ。」
メタモ「うるさいバカ! バカバカバカ・・・・・・・・・・・・ 」
華南「ちょっ、 もう・・・、 悪かった・・・・・・ 」
メタモは軽くたたき、華南はそれを避けながら去っていく。
[ 後日談 ]
映画館に保管されていたフィルムの数々は隣町の映画館に寄贈した。
そして例の作品は未完成だが、スタッフがうまく編集して 最高傑作な作品を作ろうとしていたいち映画監督の不屈な思いをつづるドキュメンタリー作品として上映されている。
講釈師「映画にはとても不思議な魅力があるものです。
それは時に人に感動を与えることもできれば傷つけることだってできます。
見る方のとらえ方によって変わっていくのかもしれませんね。
お時間が来たようです。 “ 祓え 溝口華南 ”今回はここまで。
それでは皆さんごきげんよう。」
とある民家。
男のすすり泣く声が聞こえて窓の外から除くダークマン
‐ つづく ‐
全体はモノクロで粗めのビジュアル、ドラマのワンシーン風。
階段を降りていく。
場面が切り替わりスーツ姿の中年男(講釈師)。
講釈師「皆さんこんにちは。 彼女はご存知、退魔師の溝口華南です。
では彼女はなぜこのようなことになったのか、今から皆さんと見返してみましょう。」
『 筋書きの通り 』
町に来る華南とメタモ、町並みはどことなく古びている。
二人が来たのは町のはずれにある運営してるかどうかも分からないような映画館。
敷地内の周りも草が生えていて整備されてるようではない。
入ろうとすると立ちはだかる人物、その姿は腕が人間離れ。
(ドッペル5号)
ドッペル5号は襲いかかり、華南とメタモは攻防。
力のあまり押し負ける。
華南は苦し紛れになりながらメタモと攻撃をするとドッペル5号は防ぐこともなく切られる。
嘲笑う表情で消滅するドッペル5号。
「!!」
華南の体に激痛が走る。
メタモ「大丈夫!?」
華南「あいつ・・・! 自ら切られに来た。
もういい、とにかく入るぞ。」
二人は場内に来て中は照明が落とされスクリーンには古い感じのアメリカの町並みが映っている。
警戒しながら見ていると突然スクリーンが光る。
そして現在、華南は全身黒い衣装の男の後をつける。
そのあとに来るメタモ、姿はスーツ姿に固めの帽子と一昔前の刑事風。
メタモ「なんか急にこんなことになっちゃってるんだけど、あいつが関係してるの?」
華南「わからん。」
メタモ「とりあえず先回りして挟み撃ちね。」
その場から離れる。
華南は男を追いかけるが途中で見失ってしまう。
男を追って華南が来たのは薄暗い倉庫、コンテナが並ぶ。
「どこに行った? それにメタモは 」
ガチャッ
背後を取られて銃を向けられる。
「お前がつけていたことは分かっていた。」
華南「こんな所に引き込んで、何が目的だ?」
「言ってることが分からんな。」
男は発砲し華南はスレスレで避ける。
その後も銃で撃ち、華南は避けたり刀で弾く。
華南「そういえばメタモは先回りしていたはずなのにどこ行ったんだ?」
銃を避けながら男を刀で切ろうとすると、
カンッ
何かを打ち鳴らす音と同時に再び元の道に戻る。
華南「?」
去っていく男の姿。
華南「おいメタモ。
・・・・・・メタモ!?」
メタモは暗いトンネルに来る。
「おかしいな、気づいたらこんなところに。
華南どこー?」
しばらく歩いていると今度はダクトが張り巡らされた地下通路。
「あの変な男だっていないし。」
探索していると階段を見つけ下りてる途中で人の気配を感じて隠れる。
「 この秘密兵器ギガドリラーを発進させ、すべての山を掘り起こし噴火を促して世界を沈めるのだ!
地球人の愚かな文明とともに滅びゆく様を見るとしよう。 」
「え?」
メタモは姿を現す。
「何者だ!?」
メタモ「やめなよ!! そんな危ないこと!」
「この作戦を聞かれた以上生かして返すな!! いけ!」
宇宙人のような姿をした兵士達が向かって来てメタモと攻防。
気づけば採石場。
メタモと兵士達の戦いは続く、その途中でメタモはかぶっていた帽子を投げる。
「ああ、もう、動きづらいな!」
スーツ姿から元の軽装に戻る。
メタモ「らちが明かない! こんなとこ早く出て行ってやる!」
華南は男を追って走ると道路に来る。
黒塗りの車が全速力で走ってくる。
それを華南は踏んで飛び越える。
車は止まると今度はバックで走って来て華南は刀をかまえる。
カンッ
打ち鳴らす音と同時に再び元の道路。
黒塗りの車が走って来る。
華南は車を踏んで飛び越える。
「!?」
飛び越える寸前で車はバックし、華南はバランスを崩すとボンネットにしがみつく。
車は走り出して車内にサングラスをした怪しい男達を見る。
別の場所でメタモは手足を広げて左右の壁にしがみつく。
同じ態勢をしていた男の一人が力尽きて落ちる。
下にはワニやピラニアが待ち構えていて男は悲鳴をあげ、メタモは見下ろして表情が引きつる。
華南がボンネットにしがみついたまま走る車。
その途中で一斗缶が積まれた壁や干し草の山にぶつけられる。
やがて木の板で打ち付けられた倉庫の壁にぶつけられ、車は止まり華南は振り落とされる。
男は銃で撃つと後ろにある火薬などに引火して爆発を起こす。
メタモはモノクロ調の映像の中 雨に降られ、雨宿りにやって来たのは大きな門。
そこには身だしなみがよくない和服姿の男(下人)、物売りの男、法師の男の三人がいる。
「ムッ、何やつ!?
メタモ「アタシだってよく分かんないんだよ。
こんなとこ出たいんだけど出口知らない?」
「怪しいやつめ、とっちめてやる!」
下人の男は刀を振ってメタモは避けたり弾いたりする。
メタモは地面に落ちている布切れを手に取って下人に投げると下人はもがく。
そのうちにメタモは逃げる。
華南は走っていて後から追うようにサングラスをした男が銃を向けて歩いてくる。
華南はやがて高層ビルの一室まで来るとまわりに逃げ道はなくなり壁は一面ガラス貼りの窓。
男は銃を持って歩みよる。
華南は構えて術を出そうとすると男は発砲。 弾はかすめて後ろの窓に当たる。
ガラスは勢いよく割れて華南もその反動で投げ出され、砕けたガラスとともに落下する。
「!!」
落下して地面に叩きつけられる寸前でさらに砕ける。
そこは別の空間になっていて高層ビルが建ち並ぶ街が反転したような景色。
やがてさらに別の空間に落ちる。
「ここは一体・・・?」
まわりでは無数に何かが回っていて、それらをよく見ると映画のフィルム。
近くに黒い影があって次第に姿が見える。
― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ―
〔 シネ魔 〕
監督の未練が思念体となった妖。
映画がいろんな都合で未完成になってしまった時などに現れる件が多い。
― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ―
「困るんだよ、私の作品を勝手に変えられては。」
再びモノクロ映像、シャワールームで浴びている女性。
体を流している途中でシャワーから色のついた液体が出てくる。
「・・・ !!」
女性はシャワーの水が色づいて出ていることに気づくとさらに何かの気配を感じて振り返る。
メタモ「ここでもないか・・・」
女性「キャアアアアアアアアアッッッ・・・・・・・・・・・・!!!」
華南は刀を振ったり術で火の玉を飛ばすが当たらない。
シネ魔との攻防。
華南は刀を振ったり火の玉を飛ばして攻撃するがかわされる。
その間、シネ魔の頭のカメラは動く。
華南が向かっていく。
シネ魔「アクション!!」
カチンコが鳴った後で華南の残像が現れて刀を振ると華南は避ける。
華南「なんだ今のは?」
さらに向かって行くが華南の残像は火の玉を飛ばして攻撃し、受け止めきれず華南は吹き飛んで倒れる。
追い打ちをかけるようにシネ魔はメガホンやカチンコで攻撃する。
シネ魔「この場所に来ようが話の流れはすでに決まっている。
お前が私に倒されてこの筋書きは完結するんだ。」
華南「!?」
メタモが来たのは夜の道。
警戒していると警官の男がメタモに向かって走って来る。
メタモ「え?」
メタモは恐怖のあまり逃げる。
「なによあいつ!?」 表情ぜんぜん変わらないし
走ってる途中でメタモは違和感を感じるとお尻に何かが刺さっていることに気づく。
抜くととがった金属片。
メタモは驚いて投げ捨てるとそのまま走り去り、警官の男は金属片を回収すると追うのをやめる。
残像の華南が火の玉を飛ばすと華南は刀で受け止める。
さらに複数の残像が出てきて華南目がけて火の玉が飛ぶ。
「・・・・・・!!」
力のあまり押し負けそうになる。
それから弾くと火の玉は軌道を変えて回っているフィルムの一部に当たる。
シネ魔「な・・・!?」
当たった箇所は焼け焦げて切れる。
シネ魔「これでは最後までいかない!」
メタモ「さっきからどうなってるのこれ~!?」
走りながらいろんな作品に切り替わる。
銃を持った乱暴者達がトロッコに乗って追いかけまわし、鳥が群れをなしてやってきて、上空から核ミサイルが飛んできて、崖に落っこちてきた車が大爆発を起こす。
メタモは逃げてる途中で見えない壁に当たる。
そこは華南が焼き切ったフィルムの部分で行き止まりになっている。
反対側を見ると複数の映画の登場人物の危ない奴らの追っ手。
「華南、助けて。
メタモちゃんはもう、ダメかもしれない・・・」
華南は術や刀で、シネ魔は撮影に使う機材で戦う。
シネ魔「フン、結末まではいかずとも、何度もやり直すことはできる。
次第に貴様の力だって薄れていくだろう。」
カチンコを鳴らそうとすると上から紫の液体が垂れてきてカチンコに着く。
鳴らそうとするが鳴らない。
シネ魔「なんだこれは!?
しかも、くっついて取れん!!」
華南は蹴り飛ばしてシネ魔はカチンコを離してしまうと転がっていく。
シネ魔は頭のカメラ部分からレーザーを出す。
シネ魔「こころざし半ばで不慮の事故で死んでしまった!
そしてこの作品もまた未完となって今でも蔵の中にある。
超大作になりうるかもしれないこの作品をだ!
お前に忘れ去られる悲しみが分かるか?」
華南「そんなの決まってるだろ。
良かろうが悪かろうが、人々の中に思いが残っていれば、決して忘れられることなんてないんだ。
それにこんなすごい映画、今までなんで出てこないのかが不思議でならない。」
戦いの末にシネ魔にとどめの一撃をくらわす。
「よかろう、ならばこのフィルムをお前に託そう。
少しでも風化をさせたらお前を永遠に呪うからな!!」
シネ魔は消滅。
それからしばらくすると華南とメタモは再び映画館の場内に戻り、スクリーンには“ THE END ”と表記。
さらにそれから映画は消えて薄くて明るい明りが灯る。
華南「・・・・・・。」 メタモ「・・・・・・。」
華南はアタッシュケースに映画館で保管されていたフィルムを詰めると映画館を後にする。
メタモ「今まで何してたんだよ! 死ぬかと思ったんだから!」 ( プンスカ )
華南「はあ? お前に限ってありえないだろ。」
メタモ「うるさいバカ! バカバカバカ・・・・・・・・・・・・ 」
華南「ちょっ、 もう・・・、 悪かった・・・・・・ 」
メタモは軽くたたき、華南はそれを避けながら去っていく。
[ 後日談 ]
映画館に保管されていたフィルムの数々は隣町の映画館に寄贈した。
そして例の作品は未完成だが、スタッフがうまく編集して 最高傑作な作品を作ろうとしていたいち映画監督の不屈な思いをつづるドキュメンタリー作品として上映されている。
講釈師「映画にはとても不思議な魅力があるものです。
それは時に人に感動を与えることもできれば傷つけることだってできます。
見る方のとらえ方によって変わっていくのかもしれませんね。
お時間が来たようです。 “ 祓え 溝口華南 ”今回はここまで。
それでは皆さんごきげんよう。」
とある民家。
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‐ つづく ‐
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