3 / 18
スカイフリューゲル
#2
しおりを挟む
「スカフリ部部長だから大目に見るがな、お前は3年になるんだぞ?少しは先輩らしく振る舞う事をだな─」
教頭が秋月に諭すように話すと遮るように、
「媚びへつらう奴に言われたくはない」
と、バッサリ切り捨てる。
この一言に教頭の怒りは頂点にまで達し、彼は停学を言い渡される。だが反省の色は見えずむしろ「どうも」とお礼をする程だった。
一連の様子を見ていた強面の教師、岩尾は熱血体育教師ばりに彼を叱った。
「なんだその舐め腐った態度は?!お前はまだ学生で俺達は教師だ!いいか?学生の身分のうちはな、子供同然なんだ!大人の言うことはちゃんと聞けやコラァ!」
秋月の胸ぐらを掴み今にも殴りかかりそうな勢いで大声をだしている。が、クリーム色の隙間から見える瞳からは見下す様な眼差ししか見えない。
コンクリートの床に落ちた青色のジャージに視線を送りながら秋月はただ一言告げる。
「...子供で何が悪い?」
これ以上は何を言っても無駄だと教頭も岩尾も感じ取ったのか何も言わずに、ただ彼を職員室へ連行していく。
誰もいない校舎の中に3人の足音だけが響いていた。階段を上りながら秋月は窓から見える空を見る。
「.........いつから色が無くなったんだっけ」
「何訳の分からないことを言ってるんだ」
「......青くない空なんて空じゃない」
「教頭先生、反応しない方がいいですよ。コイツはもう俺らの言葉なんて耳に入らないんですから」
「.........冠崎、君は僕を満足させられるのかな」
支離滅裂な呟きに顔を見合せながら2人は職員室まで秋月を連れていくと停学手続きの用紙を貰いに校長室へ入っていく。
その時、どちらか一人でも彼を見ていれば良かった。そう2人が後悔するのは時間の問題で─。
勢いよくドアが開く音が聞こえた頃にはもう遅く、秋月は3階の窓から飛び降りた。
「秋月ぃぃぃぃぃいいい!!!」
教師2人は青ざめた顔で下を見る。がそこには秋月の姿はない。
「さ、3階から飛び降りて無事ってことは無いだろ?!」
「じ、じゃあどこに行ったって─」
教頭と岩尾は顔を見合わせて「まさか?!」と言い、窓から身を乗り出し上を見る。
そこには空中に浮いた秋月 奏がニコッと笑い、
「僕、これから部活動紹介がありますので失礼致します」
そう言ってエアロエンジンが搭載されてるスニーカーを使って空中を走っていった。
教頭が秋月に諭すように話すと遮るように、
「媚びへつらう奴に言われたくはない」
と、バッサリ切り捨てる。
この一言に教頭の怒りは頂点にまで達し、彼は停学を言い渡される。だが反省の色は見えずむしろ「どうも」とお礼をする程だった。
一連の様子を見ていた強面の教師、岩尾は熱血体育教師ばりに彼を叱った。
「なんだその舐め腐った態度は?!お前はまだ学生で俺達は教師だ!いいか?学生の身分のうちはな、子供同然なんだ!大人の言うことはちゃんと聞けやコラァ!」
秋月の胸ぐらを掴み今にも殴りかかりそうな勢いで大声をだしている。が、クリーム色の隙間から見える瞳からは見下す様な眼差ししか見えない。
コンクリートの床に落ちた青色のジャージに視線を送りながら秋月はただ一言告げる。
「...子供で何が悪い?」
これ以上は何を言っても無駄だと教頭も岩尾も感じ取ったのか何も言わずに、ただ彼を職員室へ連行していく。
誰もいない校舎の中に3人の足音だけが響いていた。階段を上りながら秋月は窓から見える空を見る。
「.........いつから色が無くなったんだっけ」
「何訳の分からないことを言ってるんだ」
「......青くない空なんて空じゃない」
「教頭先生、反応しない方がいいですよ。コイツはもう俺らの言葉なんて耳に入らないんですから」
「.........冠崎、君は僕を満足させられるのかな」
支離滅裂な呟きに顔を見合せながら2人は職員室まで秋月を連れていくと停学手続きの用紙を貰いに校長室へ入っていく。
その時、どちらか一人でも彼を見ていれば良かった。そう2人が後悔するのは時間の問題で─。
勢いよくドアが開く音が聞こえた頃にはもう遅く、秋月は3階の窓から飛び降りた。
「秋月ぃぃぃぃぃいいい!!!」
教師2人は青ざめた顔で下を見る。がそこには秋月の姿はない。
「さ、3階から飛び降りて無事ってことは無いだろ?!」
「じ、じゃあどこに行ったって─」
教頭と岩尾は顔を見合わせて「まさか?!」と言い、窓から身を乗り出し上を見る。
そこには空中に浮いた秋月 奏がニコッと笑い、
「僕、これから部活動紹介がありますので失礼致します」
そう言ってエアロエンジンが搭載されてるスニーカーを使って空中を走っていった。
0
お気に入りに追加
0
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
寝室から喘ぎ声が聞こえてきて震える私・・・ベッドの上で激しく絡む浮気女に復讐したい
白崎アイド
大衆娯楽
カチャッ。
私は静かに玄関のドアを開けて、足音を立てずに夫が寝ている寝室に向かって入っていく。
「あの人、私が
裏切りの代償
志波 連
恋愛
伯爵令嬢であるキャンディは婚約者ニックの浮気を知り、婚約解消を願い出るが1年間の再教育を施すというニックの父親の言葉に願いを取り下げ、家出を決行した。
家庭教師という職を得て充実した日々を送るキャンディの前に父親が現れた。
連れ帰られ無理やりニックと結婚させられたキャンディだったが、子供もできてこれも人生だと思い直し、ニックの妻として人生を全うしようとする。
しかしある日ニックが浮気をしていることをしり、我慢の限界を迎えたキャンディは、友人の手を借りながら人生を切り開いていくのだった。
他サイトでも掲載しています。
R15を保険で追加しました。
表紙は写真AC様よりダウンロードしました。
どうぞご勝手になさってくださいまし
志波 連
恋愛
政略結婚とはいえ12歳の時から婚約関係にあるローレンティア王国皇太子アマデウスと、ルルーシア・メリディアン侯爵令嬢の仲はいたって上手くいっていた。
辛い教育にもよく耐え、あまり学園にも通学できないルルーシアだったが、幼馴染で親友の侯爵令嬢アリア・ロックスの励まされながら、なんとか最終学年を迎えた。
やっと皇太子妃教育にも目途が立ち、学園に通えるようになったある日、婚約者であるアマデウス皇太子とフロレンシア伯爵家の次女であるサマンサが恋仲であるという噂を耳にする。
アリアに付き添ってもらい、学園の裏庭に向かったルルーシアは二人が仲よくベンチに腰掛け、肩を寄せ合って一冊の本を仲よく見ている姿を目撃する。
風が運んできた「じゃあ今夜、いつものところで」という二人の会話にショックを受けたルルーシアは、早退して父親に訴えた。
しかし元々が政略結婚であるため、婚約の取り消しはできないという言葉に絶望する。
ルルーシアの邸を訪れた皇太子はサマンサを側妃として迎えると告げた。
ショックを受けたルルーシアだったが、家のために耐えることを決意し、皇太子妃となることを受け入れる。
ルルーシアだけを愛しているが、友人であるサマンサを助けたいアマデウスと、アマデウスに愛されていないと思い込んでいるルルーシアは盛大にすれ違っていく。
果たして不器用な二人に幸せな未来は訪れるのだろうか……
他サイトでも公開しています。
R15は保険です。
表紙は写真ACより転載しています。
My Angel -マイ・エンジェル-
甲斐てつろう
青春
逃げて、向き合って、そして始まる。
いくら頑張っても認めてもらえず全てを投げ出して現実逃避の旅に出る事を選んだ丈二。
道中で同じく現実に嫌気がさした麗奈と共に行く事になるが彼女は親に無断で家出をした未成年だった。
世間では誘拐事件と言われてしまい現実逃避の旅は過酷となって行く。
旅の果てに彼らの導く答えとは。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる