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#28 もう会わない

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初公演が終わってから10日が経った。







あれからシオン様と話していない。FINE交換したのに電話もしていない。もう温泉や学校で会っていない。






気がついたら、夏になった。






里菜「……………」





朝、学校の廊下で歩く3人。






真子「里菜、元気だしなって~」




由夢「そうだよ!元気出して!」






まだ、シオン様と気まずいまま。





由夢「じゃあ、また昼休みでね」



真子「練習 頑張って。」



里菜「…………うん。」







里菜は誰もいないレッスン室に入り、たった1人で自主練習をする。






   


























“ 気になるわよ。だって貴方の事が好きなんだから。 ”


































あの時、言葉を聞いてドキッとした。













一瞬、両思いになれたんじゃないかと思ったけど。













シオン様の嘘つき。













もう会わないようにしよう。














でも…

























配達員「すいませ──ん! 坂口 里菜さんはおらっしゃいますか?」







レッスン室のドアから配達員がひょこりと覗いた。







里菜「えっ…?私ですけど……」






配達員「あ!丁度良かったです!こちら坂口さん宛のお荷物になります!それでは!」






荷物を里菜の渡すと、配達員は去っていった。





里菜「 (何も頼んでないのに…… 何が届いたんだろう?……っ!! ) 」








ダンボールの宛名を見ると、坂口 彩香……(さかぐち あやか)と書いてある。








里菜「もしかして、お母さんから……!?」






里菜はダンボールを開ける。






中には、ジップロックに入っていた母からの手紙と色とりどりの野菜がゴロゴロ入っていた。







里菜「えっ…!? これ野菜っ!?!?!? どういうこと…??」



 



里菜は野菜が送られてきたことに頭にはてなを浮かべて、全く意味が分からず手紙を読んでみる。










里菜の母 



『 里菜へ、元気でやってる? 初公演お疲れ様。



 里菜の初公演がおめざめテレビであげられたのよ。



お母さんもお父さんもテレビ見たわよ。



主役のジュリエット役よく頑張ったわね。



最近どう?疲れてない?ご飯はちゃんと食べてる? 



ちょっと心配なんだけど……笑



せっかくだから、里菜の大好きな



おばあちゃんが作った野菜を送るわね。



良かったら、料理に使ってね。





あと、それから…





何か相談があるならお母さんに言ってもいいのよ。



何かストレスとか悩み、1人で抱え込んでない?



お父さんとお母さんが付いてるから。



なんでもいつでも話してちょうだい。



また荷物送るわね。お母さんより。』



















「  お母さん……  」
















お母さんとお父さん……








初公演の時、テレビ見てくれたんだ…








それに真子ちゃんと由夢ちゃんがそばにいるから……










持つべきものはやっぱり、家族と友達だよね。
























あ、あっ、あれ……………????
























「なんで………、目から涙が出るんだろう………??」
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