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第四章 嫉妬の抱擁
第25話 ???界
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「幻霊が斃された」
重圧な声が重力を帯びて発せられた。
「我々は幾度も己が意義を問うてきた。そして同胞が斃される度に今一度、その意義を見つめ直してきた」
白一色。囲む円卓、床、椅子、空間までもが白色。だが、その純白な世界を凌辱する様に、十も満たない存在、君主が己が色を拵えて座っていた。
「我らの悲願は統一化……。混沌を成す世界を纏め上げ――」
「世界をあるべき姿に戻す、だろ? 聞き飽きたって。何回目だよ」
重圧な声を赤い灼焔が妨げる。机に脚を乗せる存在に注目がいった。
「他の奴がやられる度に雁首揃えて集まるって……ッハ、暇か」
両手を頭に持っていき支え、腰かけた椅子を体重移動で遊んでいる。明らかに無礼な振舞だが、灼焔はお構いなしと踏んでいる。
「弱いから斃されたんだ。それだけだ。お前らも本当は悲しむ体で集まってるんだろ。もともと仲良しこよしな存在じゃないだろ俺たち」
灼焔の言葉に誰も口を挟まない。肯定的な意見だと静観しているのか、それとも否定しているのか、どちらとも取れる静寂だ。
だが、静寂を破る存在もいる。
「口が過ぎるぞ灼焔。貴様も君主の末席に並ぶのなら、相応の態度を取るべきだ」
「あぁん? 俺に文句でもあるのかよ、藍嵐」
青の存在が口をはさんだ。
「私は恥じている。灼焔、貴様の様な低俗な存在が同じ君主だと私は恥じている。ため息しか出ない」
「……喧嘩売ってんのか。俺はいつでもいいぜ? 青いの!!」
立ち上がった灼焔から高密度のエネルギーが溢れ出し、空間を歪ませた。
「や、やめましょうよぉぉ……!」
「あらあら、血気盛んねぇ~」
震える緑。動じない桃色。
他にも君主は居るが、先ほどと同じく静観していた。
「貴様などはなから品性というものが無いと知っていた。過度な期待はしていない」
「……」
見え透いた挑発に青筋を浮かばせる赤。怒りを含ませる視線を受け、青は冷静な鋭い目つきで返す。
頭髪を炎に変えた赤。座っているが、テーブルの下で指先が濡れる青。
一触即発。重苦しいこの場で、今まさに争いが行われようとしていた。
しかし――
「よせ」
「ッグ!?」
「ッ!!」
重圧な言葉と共に、赤が膝から崩れ落ちる。膝を付くが床が円形に割れ、そこだけが見えない現象が起き、赤の周辺は異質な空間となっている。
そして異質さは赤だけではなく、座っている青にも襲っていた。
白の椅子が床を砕き、青が必死に我慢している様に、ひじ掛けを手で砕いている。
「幻霊が斃された今、同胞殺しは許さん」
白鎧姿の君主が口を開いた。
「これまで同胞殺しによる決闘を許してきたが、それは先代が決めた事柄。これからはそれらを禁ずる」
赤と青の額から多量の汗が流れている。
「……同胞を失うのは、これ以上我慢ならん。……藍嵐、灼焔。よいな」
声すら発せない状況の中、二人は首を小さく頷かせた。
同時に解かれる異質。安堵の表情を浮かべ、二人は椅子を深く座り直した。
「っほ……」
「怪我しなくてよかったわぁ」
君主達も各々の反応で安堵した。
くわばらくわばらと首を振る君主もいる中、白鎧の君主が取り仕切る。
「宰相よ」
「っは」
君主の背後から音もなく現れた。君主と同じ白鎧を着ているが、重厚でマッシブな君主とは違い、細身でスリムな体型だ。
宰相が語り出す。
「幻霊殿が斃れたのは物質世界の辺境次元、地球でございます」
続けよ。君主が下した。
「頂点に君臨する原生生物は純粋なヒューマン型です。そして先日、その物質世界は次元規模でダンジョン覚醒に至り、我らの観測対象になりました。ここまでは皆様もご存じのはずです」
異論なし。君主たちは耳を傾けている。
「観測に挙手したのは幻霊殿ですが、結果はご存じの通りです」
「宰相、少し駆け足じゃないのか。各世界には各特徴がある。察するに幻霊は世界の特徴に足元を掬われたのだろう……。その世界の特徴はどうだ」
「特徴ですか……」
腕を組んでいる藍嵐が質問した。
「生物はいたって平均な観測データが出ています。普通過ぎると言ったところでしょうか。しかし、ヒューマン型の特徴は反比例する様なデータが出ております」
電子音が響くと、君主たちの眼前に映像が流れる。
「これをご覧に」
略奪、接収、暴力、闘弁、凌辱、そして破壊。
「非常に攻撃性があり、争いを好むのが特徴です」
キノコ雲が上がる。
「ひ、酷い……。同族をこんなにも……」
「これはまた……」
口元を抑える君主もいる。
「おぞましいものです。ここまで同族に対して攻撃的とは、類を見ない程です」
「……見るに堪えんな。宰相、下がって良いぞ」
頭を下げると、宰相は忽然と消えた。
「して、幻霊の胆力は皆も存じているだろう。だが、この攻撃的で覚醒したばかりの地球のヒューマン型に、幻霊が斃されたなど我は到底思えん。何か裏があるとみた」
白鎧の言葉に、一目おく存在だと君主たちは頷いた。
「俺もそう思う。あのおっさんは寡黙だが、実力は確かだ」
「貴様よりは強いな」
「ッチ、黙ってろ青いの」
白鎧は指を顎に当てもの思いに耽った。そして数秒後、顔を上げた。
「黄金、お前は幻霊と深い仲であり、それと近しい存在だ。……お前の意見を聞こう」
この白一色の場で、一際異色を放つ存在が指名された。
西洋のプレートアーマーがベースだが、刺々しくも柔らかな見た目。黄金の色を放ち、各所に宝石が散りばめられている。兜の奥の赤い二つの点が白鎧を見た。
「意見も何も、俺だって驚いている」
渋い壮年の声が発せられた。
「白鎧以外で幻霊に勝てる奴がどれだけ居る? ん? 俺でも辛勝がやっとだろう」
「えーと、勝てるの?」
「私は争いは好まないから……」
君主だちがざわめきだした。だが皆言葉を詰まらせるばかりで、ハッキリとした答えはでない。
「すまん。俺でも勝てるかどうか怪しい。忘れてくれ」
黄金が見渡し、手をひらひらとさせて落ち着かせた。
「……はぁ。まぁ、白鎧は俺が何か知ってるんじゃないかって疑ってるんだろ?」
「疑ってはいない。知っているならお前は話す」
「信用あるねぇ~」
そう言いながら手をかざすと、黄金の杯が出現。中の赤い液体を兜の口部から飲んだ。
「ンク。俺は幻霊の身に何が起こったのか知らん。だから提案する」
「……提案?」
「俺も地球を現地監査する」
静まり返る円卓。
声と態度には出さないが、疑心暗鬼に陥る。
「信用ないねぇ~」
首を振る黄金。
「屍の俺でも、情の一つや二つはある。……生きてるとは言わないが、屍が信用無いなら、同胞を想う俺を、信頼してはくれねぇか」
なんの淀みのない真剣味がある言葉だった。感情が見て取れない複数の視線が黄金を射る。赤い二つの目が白鎧を離さない。
「……いいだろう」
「……」
白鎧の白い目が黄金を見た。
「だがこの場にいる君主を別に現地監査させる。事態が事態だけに黄金、お前を守るためでもある」
「助かるよ」
黄金はもう一人観測者が着くと予想していた。だがら意見をせず、感謝を述べた。
「して、誰が黄金と赴きたい」
白鎧が円卓の君主たちを見渡す。誰もが尻込みする中、一つ、挙手する手があった。
「……俺が病みそうだ」
誰にも気づかれず、そっと呟いた。
(アンブレイカブルよ、こりゃ骨が折れるな)
赤い目が小さく半目になった。
重圧な声が重力を帯びて発せられた。
「我々は幾度も己が意義を問うてきた。そして同胞が斃される度に今一度、その意義を見つめ直してきた」
白一色。囲む円卓、床、椅子、空間までもが白色。だが、その純白な世界を凌辱する様に、十も満たない存在、君主が己が色を拵えて座っていた。
「我らの悲願は統一化……。混沌を成す世界を纏め上げ――」
「世界をあるべき姿に戻す、だろ? 聞き飽きたって。何回目だよ」
重圧な声を赤い灼焔が妨げる。机に脚を乗せる存在に注目がいった。
「他の奴がやられる度に雁首揃えて集まるって……ッハ、暇か」
両手を頭に持っていき支え、腰かけた椅子を体重移動で遊んでいる。明らかに無礼な振舞だが、灼焔はお構いなしと踏んでいる。
「弱いから斃されたんだ。それだけだ。お前らも本当は悲しむ体で集まってるんだろ。もともと仲良しこよしな存在じゃないだろ俺たち」
灼焔の言葉に誰も口を挟まない。肯定的な意見だと静観しているのか、それとも否定しているのか、どちらとも取れる静寂だ。
だが、静寂を破る存在もいる。
「口が過ぎるぞ灼焔。貴様も君主の末席に並ぶのなら、相応の態度を取るべきだ」
「あぁん? 俺に文句でもあるのかよ、藍嵐」
青の存在が口をはさんだ。
「私は恥じている。灼焔、貴様の様な低俗な存在が同じ君主だと私は恥じている。ため息しか出ない」
「……喧嘩売ってんのか。俺はいつでもいいぜ? 青いの!!」
立ち上がった灼焔から高密度のエネルギーが溢れ出し、空間を歪ませた。
「や、やめましょうよぉぉ……!」
「あらあら、血気盛んねぇ~」
震える緑。動じない桃色。
他にも君主は居るが、先ほどと同じく静観していた。
「貴様などはなから品性というものが無いと知っていた。過度な期待はしていない」
「……」
見え透いた挑発に青筋を浮かばせる赤。怒りを含ませる視線を受け、青は冷静な鋭い目つきで返す。
頭髪を炎に変えた赤。座っているが、テーブルの下で指先が濡れる青。
一触即発。重苦しいこの場で、今まさに争いが行われようとしていた。
しかし――
「よせ」
「ッグ!?」
「ッ!!」
重圧な言葉と共に、赤が膝から崩れ落ちる。膝を付くが床が円形に割れ、そこだけが見えない現象が起き、赤の周辺は異質な空間となっている。
そして異質さは赤だけではなく、座っている青にも襲っていた。
白の椅子が床を砕き、青が必死に我慢している様に、ひじ掛けを手で砕いている。
「幻霊が斃された今、同胞殺しは許さん」
白鎧姿の君主が口を開いた。
「これまで同胞殺しによる決闘を許してきたが、それは先代が決めた事柄。これからはそれらを禁ずる」
赤と青の額から多量の汗が流れている。
「……同胞を失うのは、これ以上我慢ならん。……藍嵐、灼焔。よいな」
声すら発せない状況の中、二人は首を小さく頷かせた。
同時に解かれる異質。安堵の表情を浮かべ、二人は椅子を深く座り直した。
「っほ……」
「怪我しなくてよかったわぁ」
君主達も各々の反応で安堵した。
くわばらくわばらと首を振る君主もいる中、白鎧の君主が取り仕切る。
「宰相よ」
「っは」
君主の背後から音もなく現れた。君主と同じ白鎧を着ているが、重厚でマッシブな君主とは違い、細身でスリムな体型だ。
宰相が語り出す。
「幻霊殿が斃れたのは物質世界の辺境次元、地球でございます」
続けよ。君主が下した。
「頂点に君臨する原生生物は純粋なヒューマン型です。そして先日、その物質世界は次元規模でダンジョン覚醒に至り、我らの観測対象になりました。ここまでは皆様もご存じのはずです」
異論なし。君主たちは耳を傾けている。
「観測に挙手したのは幻霊殿ですが、結果はご存じの通りです」
「宰相、少し駆け足じゃないのか。各世界には各特徴がある。察するに幻霊は世界の特徴に足元を掬われたのだろう……。その世界の特徴はどうだ」
「特徴ですか……」
腕を組んでいる藍嵐が質問した。
「生物はいたって平均な観測データが出ています。普通過ぎると言ったところでしょうか。しかし、ヒューマン型の特徴は反比例する様なデータが出ております」
電子音が響くと、君主たちの眼前に映像が流れる。
「これをご覧に」
略奪、接収、暴力、闘弁、凌辱、そして破壊。
「非常に攻撃性があり、争いを好むのが特徴です」
キノコ雲が上がる。
「ひ、酷い……。同族をこんなにも……」
「これはまた……」
口元を抑える君主もいる。
「おぞましいものです。ここまで同族に対して攻撃的とは、類を見ない程です」
「……見るに堪えんな。宰相、下がって良いぞ」
頭を下げると、宰相は忽然と消えた。
「して、幻霊の胆力は皆も存じているだろう。だが、この攻撃的で覚醒したばかりの地球のヒューマン型に、幻霊が斃されたなど我は到底思えん。何か裏があるとみた」
白鎧の言葉に、一目おく存在だと君主たちは頷いた。
「俺もそう思う。あのおっさんは寡黙だが、実力は確かだ」
「貴様よりは強いな」
「ッチ、黙ってろ青いの」
白鎧は指を顎に当てもの思いに耽った。そして数秒後、顔を上げた。
「黄金、お前は幻霊と深い仲であり、それと近しい存在だ。……お前の意見を聞こう」
この白一色の場で、一際異色を放つ存在が指名された。
西洋のプレートアーマーがベースだが、刺々しくも柔らかな見た目。黄金の色を放ち、各所に宝石が散りばめられている。兜の奥の赤い二つの点が白鎧を見た。
「意見も何も、俺だって驚いている」
渋い壮年の声が発せられた。
「白鎧以外で幻霊に勝てる奴がどれだけ居る? ん? 俺でも辛勝がやっとだろう」
「えーと、勝てるの?」
「私は争いは好まないから……」
君主だちがざわめきだした。だが皆言葉を詰まらせるばかりで、ハッキリとした答えはでない。
「すまん。俺でも勝てるかどうか怪しい。忘れてくれ」
黄金が見渡し、手をひらひらとさせて落ち着かせた。
「……はぁ。まぁ、白鎧は俺が何か知ってるんじゃないかって疑ってるんだろ?」
「疑ってはいない。知っているならお前は話す」
「信用あるねぇ~」
そう言いながら手をかざすと、黄金の杯が出現。中の赤い液体を兜の口部から飲んだ。
「ンク。俺は幻霊の身に何が起こったのか知らん。だから提案する」
「……提案?」
「俺も地球を現地監査する」
静まり返る円卓。
声と態度には出さないが、疑心暗鬼に陥る。
「信用ないねぇ~」
首を振る黄金。
「屍の俺でも、情の一つや二つはある。……生きてるとは言わないが、屍が信用無いなら、同胞を想う俺を、信頼してはくれねぇか」
なんの淀みのない真剣味がある言葉だった。感情が見て取れない複数の視線が黄金を射る。赤い二つの目が白鎧を離さない。
「……いいだろう」
「……」
白鎧の白い目が黄金を見た。
「だがこの場にいる君主を別に現地監査させる。事態が事態だけに黄金、お前を守るためでもある」
「助かるよ」
黄金はもう一人観測者が着くと予想していた。だがら意見をせず、感謝を述べた。
「して、誰が黄金と赴きたい」
白鎧が円卓の君主たちを見渡す。誰もが尻込みする中、一つ、挙手する手があった。
「……俺が病みそうだ」
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