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第十五章 挙式までの最終戦 ~巡り合うのは善か、悪か?~
第十五章 ⑬
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(ここでは、第五章⑤と
時間枠が一致するので、
交互に読まれることをすすめる)
やよいちゃんは、「あの……。真子さん、
憶えてますか?あの喧嘩騒ぎの時のこと…」
と訊いてきたのです。
私は、『喧嘩騒ぎ』というキーワードで
何も思い出せませんでした。
正直、「ごめん……。忘れてるかも。
喧嘩って、私たちが喧嘩したってことなの
かな?」。
「いや、違います……」。
そう言って、やよいちゃんは、あの当時の
私とやよいちゃんに起こった『喧嘩騒ぎ』
の『良い思い出はなし』を話し出してくれ
ました…。
結論を言うとですね、やよいちゃんの
話しを聞いてる間も、聞き終えた後も、
「そんなことあったのかなぁ」と言う感じ
でした。
どうやら、私の記憶からは抜け落ちて
しまっている【事実】らしい。
でも、その【事実】、つまり、『喧嘩騒ぎ』
で非常なインパクト、ショックを受けた
やよいちゃんは、その出来事をずっと忘れた
ことはなかったと言うのです…。
それは、奈良県に住んでいた、
丸瀬やよいちゃんが、小2の時のことで
した。
同じく奈良の、そして、やよいちゃんの
隣に住んでいた私は、小学校に通って
いれば、小5の時……と言うことになります。
その日、学校は休みだったようですね。
小3のやよいちゃんと学校には通っていない
年上の私は、2人で山菜採りに、近くの山に
出かけたそうです。
両方とも、母親にお弁当を作ってもらい、
「収穫したら、今夜は、合同で山菜てんぷら
パーティよ」と、母親たちに送り出され、
ウキウキと山へ向かいます。
私もやよいちゃんも、山への小径を、歌を
歌いながら、時に笑い合いながら進んで
いました。
しかし……。突如、その平和は、崩れます。
何と……!!
幼い女子2人-私たち-が登る進行方向から
現れたのです!!!
2頭の小熊をつれた雌熊が……!
って言うのはウソで、近所の悪さで有名な
中学生男子グループ……。
彼らに目をつけられ、周りに大人はいない、
山道です。
叫んでも、誰も来てくれないでしょう。
身体の大きさも力も断然の差がある彼ら
の前で、幼い女子2人が、できることなんて
ありません。
逃げようにも、すぐに、捕まって、変な
イタズラを……。
って言うことになるでしょう、出会ったの
が、熊であれ、近くの悪い評判の中学生
たちであっても。
でも、実際は……。
女子2人が歩く向こうからやって来たのは、
麦わら帽子、虫取り網、虫かごの女の子達
でした。
つまり、やよいちゃんと同じ学校の、
しかも、クラスは違うけど、同じ学年の
女子4人だったそうです。
最初に気づいたのは、やよいちゃんだった
そうです。
そして、向こうからやってくる、つまり、
山を下りてくる女の子達も、やよいちゃんと
私の存在に気づき、アッという表情に
なります。
徐々に近づき、遂に、すれ違う私たち。
同じ学校とは言え、クラスは別で、あっちの
グループには、やよいちゃんが知らない子も
いました。
だから、お互いが、ジロジロ見合いながら、
無言ですれ違い、私たちはそのまま山奥へ
進み、4人はそのまま学校や家の方へ下る
はずだったのです。
でも……!
やよいちゃんは、すれ違いざま、女の子の
1人が、まぁ、その子は、やよいちゃんの
家のすぐ近くの子で、1学年前は同じクラス
だった子です…‥、その子が、まさに、
私たちとすれ違う瞬間に、こう言うのを
聞いたと言うのです。
「うわッ!やよい、千葉から来た、
引きこもり女と一緒だよ、ダッサ……」。
ボソッと言ったそうです。
でも、やよいちゃんの耳は、その声を
捉えました、しっかりと……。
立ち止まるやよいちゃん。
それにつれられて、私も立ち止まった
そうです。
振り返る、やよいちゃん。
でも、4人は、そのまま、学校の方へ下りて
いきます。
だけど、あの、さっきボソッと言った子が
一瞬振り返り、やよいちゃんと目が合い
ます。
そして、その子も、立ち止まります。
それで、他の3人も、足を止め、私たちの
方を見ます。
数秒間、見つめ合う……、いや睨み合う、
4人とやよいちゃん。
私は、俯いて、地面を見ているだけだった
ようです。
奈良の小さな山間の地区……。
千葉県から突然越して来た親子-母親と娘-
のこと、しかも、娘は、学校に行かず、
家にこもってるかと思えば、時には、
フラフラと1人で歩き回っている……、
かなり、噂になっていたそうです。
悪い意味で……。
子どもたちの間で、私のことは、
『引きこもり女』と呼ばれていたのです。
4人の女の子VSやよいちゃん……。
女子同士の火花が散ります。
どっちが先手を取るか、睨み合いです。
そして……。
最初に、口を開いたのは、あの、1学年前
まで、やよいちゃんと同じクラスだった
女の子でした。
「やよい!引きこもり女と、仲良~し!
どこ行くの~!」と笑いながら茶化します。
周りの子たちも、
「引きこもり!引きこもり!」とか、
「引きこもり菌、うつっちゃぅ!!」と……。
血気盛んで、気の強い、やよいちゃんです。
4人の子に、一斉にそう言われ茶化されて
いるからといって、
その子たちの側につくとか、私から逃げる
とか……、そんなことはしません。
皆さん、小3のやよいちゃんは、
どんな行動に出た、と思いますか?
自分の側にいるのは小5の私と言っても、
私は、俯いて、委縮して、立ち尽くしている
だけです。
あっちは、団結している4人。
明かに、多勢に無勢です。
でも……!!
一度火がついたら、吠えたける獅子のごとく
なる丸瀬やよいちゃん、8歳の女の子は、
その囃し立て、バカにする4人の女の子に
飛び掛かって行った……!!!
手にしている、山菜のこ鎌を握りしめて…。
その後に、どんな結末が待っているか、
皆さんは、想像ができるでしょう。
集団とは言え、4人の小学生。
で、油断しています……。
そこに、父親から借りた山菜のこ鎌を手に
して突進する同学年の小学生。
小学生と言えど、手に持っているのは
危険な刃物です。
流血沙汰に発展するのです。
でも、千葉から越して来た私をかばい、
私をバカにする子たちに対し怒り狂って
突進しようとした、やよいちゃんは、
一歩も動けなくなってしまったそうです。
なぜなら……。
山道を登って来る人が目に入ったから。
……、しかも、運悪く、担任の教師。
やよいちゃんも4人の子も、固まります。
と言うストーリーもありかもしれませんが、
事実は、違っていました。
やよいちゃんを、動けなくさせたのは、
なんと、私だった……のです。
ずっと俯いて、黙って、立ち尽くしていた
私が、モノスゴイ力で、やよいちゃんの
腕を掴んで、離さなかった……と言うのです。
目をつぶり、顔を真っ赤にしながら、
自分の腕をしっかりと掴んで離さない私に、
やよいちゃんは、言った……、いえ、
怒鳴ったそうです。
「真子ちゃん!!
何してんの?!離してッ!
アイツら、真子ちゃんをバカにしてんだよ?
真子ちゃんの友達として、許せない!
だから、離して、早くッ!!
友達でしょ、友達なら離して!」
そう言いながら、必死に、腕を振りほどこう
と暴れる、やよいちゃん……。
もちろん、手には、山菜のこ鎌が手に……。
そして!
次の瞬間、誰もが想像していなかった
信じられないようなことが起こってしまう
のです。
(著作権は、篠原元にあります)
時間枠が一致するので、
交互に読まれることをすすめる)
やよいちゃんは、「あの……。真子さん、
憶えてますか?あの喧嘩騒ぎの時のこと…」
と訊いてきたのです。
私は、『喧嘩騒ぎ』というキーワードで
何も思い出せませんでした。
正直、「ごめん……。忘れてるかも。
喧嘩って、私たちが喧嘩したってことなの
かな?」。
「いや、違います……」。
そう言って、やよいちゃんは、あの当時の
私とやよいちゃんに起こった『喧嘩騒ぎ』
の『良い思い出はなし』を話し出してくれ
ました…。
結論を言うとですね、やよいちゃんの
話しを聞いてる間も、聞き終えた後も、
「そんなことあったのかなぁ」と言う感じ
でした。
どうやら、私の記憶からは抜け落ちて
しまっている【事実】らしい。
でも、その【事実】、つまり、『喧嘩騒ぎ』
で非常なインパクト、ショックを受けた
やよいちゃんは、その出来事をずっと忘れた
ことはなかったと言うのです…。
それは、奈良県に住んでいた、
丸瀬やよいちゃんが、小2の時のことで
した。
同じく奈良の、そして、やよいちゃんの
隣に住んでいた私は、小学校に通って
いれば、小5の時……と言うことになります。
その日、学校は休みだったようですね。
小3のやよいちゃんと学校には通っていない
年上の私は、2人で山菜採りに、近くの山に
出かけたそうです。
両方とも、母親にお弁当を作ってもらい、
「収穫したら、今夜は、合同で山菜てんぷら
パーティよ」と、母親たちに送り出され、
ウキウキと山へ向かいます。
私もやよいちゃんも、山への小径を、歌を
歌いながら、時に笑い合いながら進んで
いました。
しかし……。突如、その平和は、崩れます。
何と……!!
幼い女子2人-私たち-が登る進行方向から
現れたのです!!!
2頭の小熊をつれた雌熊が……!
って言うのはウソで、近所の悪さで有名な
中学生男子グループ……。
彼らに目をつけられ、周りに大人はいない、
山道です。
叫んでも、誰も来てくれないでしょう。
身体の大きさも力も断然の差がある彼ら
の前で、幼い女子2人が、できることなんて
ありません。
逃げようにも、すぐに、捕まって、変な
イタズラを……。
って言うことになるでしょう、出会ったの
が、熊であれ、近くの悪い評判の中学生
たちであっても。
でも、実際は……。
女子2人が歩く向こうからやって来たのは、
麦わら帽子、虫取り網、虫かごの女の子達
でした。
つまり、やよいちゃんと同じ学校の、
しかも、クラスは違うけど、同じ学年の
女子4人だったそうです。
最初に気づいたのは、やよいちゃんだった
そうです。
そして、向こうからやってくる、つまり、
山を下りてくる女の子達も、やよいちゃんと
私の存在に気づき、アッという表情に
なります。
徐々に近づき、遂に、すれ違う私たち。
同じ学校とは言え、クラスは別で、あっちの
グループには、やよいちゃんが知らない子も
いました。
だから、お互いが、ジロジロ見合いながら、
無言ですれ違い、私たちはそのまま山奥へ
進み、4人はそのまま学校や家の方へ下る
はずだったのです。
でも……!
やよいちゃんは、すれ違いざま、女の子の
1人が、まぁ、その子は、やよいちゃんの
家のすぐ近くの子で、1学年前は同じクラス
だった子です…‥、その子が、まさに、
私たちとすれ違う瞬間に、こう言うのを
聞いたと言うのです。
「うわッ!やよい、千葉から来た、
引きこもり女と一緒だよ、ダッサ……」。
ボソッと言ったそうです。
でも、やよいちゃんの耳は、その声を
捉えました、しっかりと……。
立ち止まるやよいちゃん。
それにつれられて、私も立ち止まった
そうです。
振り返る、やよいちゃん。
でも、4人は、そのまま、学校の方へ下りて
いきます。
だけど、あの、さっきボソッと言った子が
一瞬振り返り、やよいちゃんと目が合い
ます。
そして、その子も、立ち止まります。
それで、他の3人も、足を止め、私たちの
方を見ます。
数秒間、見つめ合う……、いや睨み合う、
4人とやよいちゃん。
私は、俯いて、地面を見ているだけだった
ようです。
奈良の小さな山間の地区……。
千葉県から突然越して来た親子-母親と娘-
のこと、しかも、娘は、学校に行かず、
家にこもってるかと思えば、時には、
フラフラと1人で歩き回っている……、
かなり、噂になっていたそうです。
悪い意味で……。
子どもたちの間で、私のことは、
『引きこもり女』と呼ばれていたのです。
4人の女の子VSやよいちゃん……。
女子同士の火花が散ります。
どっちが先手を取るか、睨み合いです。
そして……。
最初に、口を開いたのは、あの、1学年前
まで、やよいちゃんと同じクラスだった
女の子でした。
「やよい!引きこもり女と、仲良~し!
どこ行くの~!」と笑いながら茶化します。
周りの子たちも、
「引きこもり!引きこもり!」とか、
「引きこもり菌、うつっちゃぅ!!」と……。
血気盛んで、気の強い、やよいちゃんです。
4人の子に、一斉にそう言われ茶化されて
いるからといって、
その子たちの側につくとか、私から逃げる
とか……、そんなことはしません。
皆さん、小3のやよいちゃんは、
どんな行動に出た、と思いますか?
自分の側にいるのは小5の私と言っても、
私は、俯いて、委縮して、立ち尽くしている
だけです。
あっちは、団結している4人。
明かに、多勢に無勢です。
でも……!!
一度火がついたら、吠えたける獅子のごとく
なる丸瀬やよいちゃん、8歳の女の子は、
その囃し立て、バカにする4人の女の子に
飛び掛かって行った……!!!
手にしている、山菜のこ鎌を握りしめて…。
その後に、どんな結末が待っているか、
皆さんは、想像ができるでしょう。
集団とは言え、4人の小学生。
で、油断しています……。
そこに、父親から借りた山菜のこ鎌を手に
して突進する同学年の小学生。
小学生と言えど、手に持っているのは
危険な刃物です。
流血沙汰に発展するのです。
でも、千葉から越して来た私をかばい、
私をバカにする子たちに対し怒り狂って
突進しようとした、やよいちゃんは、
一歩も動けなくなってしまったそうです。
なぜなら……。
山道を登って来る人が目に入ったから。
……、しかも、運悪く、担任の教師。
やよいちゃんも4人の子も、固まります。
と言うストーリーもありかもしれませんが、
事実は、違っていました。
やよいちゃんを、動けなくさせたのは、
なんと、私だった……のです。
ずっと俯いて、黙って、立ち尽くしていた
私が、モノスゴイ力で、やよいちゃんの
腕を掴んで、離さなかった……と言うのです。
目をつぶり、顔を真っ赤にしながら、
自分の腕をしっかりと掴んで離さない私に、
やよいちゃんは、言った……、いえ、
怒鳴ったそうです。
「真子ちゃん!!
何してんの?!離してッ!
アイツら、真子ちゃんをバカにしてんだよ?
真子ちゃんの友達として、許せない!
だから、離して、早くッ!!
友達でしょ、友達なら離して!」
そう言いながら、必死に、腕を振りほどこう
と暴れる、やよいちゃん……。
もちろん、手には、山菜のこ鎌が手に……。
そして!
次の瞬間、誰もが想像していなかった
信じられないようなことが起こってしまう
のです。
(著作権は、篠原元にあります)
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