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第十四章 人生の春冬劇 ~関東で暴かれてくる秘密~
第十四章 ⑦
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ちなみに、このプロポーズの日が、
私たちの『初デート記念日』に
なるんですね!
それまでは、会っても、みどりちゃんが
一緒でしたから……。
この日は、待ち合わせ場所で始まって、
そこからランチ。で、その後、近くの
映画館に行って、映画鑑賞…。
義時君のお気に入りの、緊急救命の
最前線現場を描く、手に汗握る内容
でした。時に、出血シーンとか怖くて
目を開けることができず、時に、感動
で涙ボロボロでした。
私も、一日のうちに、そのシリーズの
ファンになってしまいました。
最初はバラバラの研修医たちが一人前
になっていく姿、そして、信頼と
友情のヒューマンストーリーです!
その感動を、映画館を出てから、私達
二人は、カフェで語り合いました。
その後、頃合いを見て、外に出て、
寒い冬空の下を二人で歩き、そのまま、
義時君が調べ、予約してくれていた
レストランに入り、ディナー……。
こんな流れでした……。
私は、「ここ出たら、駅で別れて、
終わりかなぁ……」と思っていたの
ですが、そのあとが、ありました!
何も知らない私は、駅をそのまま
通過して、歩いていく義時君の後ろ
に付いていきます。
「どこいくの?」と思いましたが、
黙って、付いていくことにします。
そして、彼は、ある高いビルの前で
立ち止まり、ニコッと笑って、
「上、昇ろう。夜景が最高だから」
と…。
義時君にエスコートされ、展望室
まで上がりました。
首都圏のビル群……、夜は、あんなに
キレイなんですね…。
幻想的でした。
で、時間を忘れ、夜の景色を眺めて
いた私は、その後、突然、プロポーズ
されるのです……!!
「柳沼さんッ!!
あの……!
俺、実は……」って、ダメですね!!
秘密にしておこうって、決めたんです
から…。
つい、言いそうになってしまいました!
危ない、危ない!!
それで、プロポーズの言葉は、私の胸
だけに大切に保存しておきたいので、
秘密ですが、その次の展開は、お教え
できます!
次に、私が義時君と会った日は、
本当に寒い、年末の12月29日
でした。
その時は、義時君から何も言われ
ませんでしたが、今度は私が独断で、
みどりちゃんに事前メールを送り
ました。
「明日、また、義時君と会います。
多分、年内最後のデートかな」と
言うような内容です。
すでに、プロポーズされたことを、
みどりちゃんに伝えているので、
あえて、「もし時間あったら一緒に
どう?」とか誘う必要はありません。
でも、『恋のキューピット役』を
してくれたのですから、ちゃんと、
伝えておきたかったんです。
それで、みどりちゃんからは、
そのメールに対して、
「もう、報告はいりませんよ!
アツアツの二人だけで、私のことは、
忘れて楽しんで~~!
私のこと、気にしないで良いからね、
本当に。
でも、何か、相談したい時は、
いつでも連絡してね!」と言う返信が
届きました。
正直、ホッとしたし、彼女のやさしさに
心打たれました。
そして、12月29日。
その年最後であり、また、私と彼との
2度目のデート日です!
場所は、千葉県です。
初デート&プロポーズは、私が住む
東京都でしたから、今度は、義時君の
いる千葉に行くのが当然ってものです。
義時君から、電話で言われました。
「こっちには、久しく来てないでしょ。
懐かしい、いすみに来てみて!
こっちも随分変わったけど、昔のまんま
の所もあるから……」。
そして、彼は、子どもの頃の私が母と
よく利用していた南大原駅の名前と、
待ち合わせの時間を告げてくれました。
電話が切れた後、私は、ちょっと憂鬱で
した。
正直言えば、懐かしくもなんとも
なかったのです!
いすみに、良い想い出なんか、なかった
のです!
でも、それを、彼に言えませんでした
……。
12月29日の朝。
私は、深く考えることはやめて、
義時君と思い切り『年末デート』を
楽しむことだけを考えて、出かける
準備に、朝早くから勤しんでいました。
化粧をしているうちに、だんだんと、
いすみに行くのが、楽しみになっても
きました!
何がどうあれ、義時君が住んでいる町
なのです。
それに、母との思い出の場所も見に
行けるかもしれない……。
柄にもなく、ちょっとウキウキして
きます…。
私は、あの〔さだみん〕からプレゼント
されたキーホルダーがついている鞄を
肩にして、最寄り駅まで歩きました。
吐く息が白く見える位、寒い、朝。
そして、駅で、都心方面の電車に乗り、
ある駅で特急に乗り換え。
実際、移動時間は、あっという間で
したね。
これが、恋の力です。
『夜の世界』にいた頃、出勤時間が
やけに長く感じれたものです!
何度、「ダルっ!
このまま、エスケープしたいなぁ!」と
思ったことでしょう。
その何十倍も長い時間、電車に乗って
いるのに、全然苦ではないのです、
デートのためなら……。
そして、私が、懐かしい南大原の駅で
降り、改札を通り抜け、駅前広場に
出たのは、ちょうど約束の時間
ピッタリでした!
計画では、約束の時間より、かなり
早く着いているはずだったのですが、
実際は、そんなにウマくいきません。
辺りを見渡してみます。
義時君は、来ていませ。
腕時計を確認してみます。
念のため駅前広場前のトイレの時計も
見てみます。
「今、向かってる途中なんだわ、
きっと……」と考えます。
一応、携帯も取り出して見てみました
が、メールも着信もありませんでした。
「どうしたのかな?」と思いながらも
電話するのは、やめました。
そして、辺りを見渡します。
懐かしい風景です……。
東京にはない、潮の香も……。
しばらく、昔のことを思い出して
いました……。
そして、再度、腕時計を…。
約束の時間は、とっくに過ぎています。
「あと5分待とう。
それで、来なかったら、電話してみよう
かな……」。
そう思いました。
ですが、皆さん…。
私は、その日、結局、彼と会えず、
約束も無断で破られ、結婚の話もナイ
ことになったのです……ってことは、
ありません!!
すみません!
ちょっと、驚かせてやろうって、
思って……。
でも、ふざけ過ぎました。
ごめんなさい。
結果的には、彼と、会えたのですが、
かなり待たされることに、なったの
です!
その時間の長かったこと……!
彼を待ちながら、駅の前に立つ私。
その目の前を老夫妻や子どもを連れた
若い女性が歩いていきます。
昔のように、人が少ない駅です。
東京とは、やはり違います……。
田舎の寂れた雰囲気……。
「懐かしい。来て良かった」と、
私は思いませんでした。
私は、戦々恐々としていたのです。
彼を待つ間。
何人か私と同年代と見える男性や
女性も通り過ぎていきました……。
その度に、胸が締め付けられます。
そうです!
私は、前の日の夜から怖かったのです。
不安で不安でしょうがなかったのです。
なぜなら、いすみ市には、私の
『あの事件』を知っている、目撃して
いる人間が、まだ、いっぱいいるの
ですから!
確かに、十数年経ってはいます。
でも、あの頃の同級生や上級生、
下級生、つまり、あの事件を目撃して
いた人間が、この街には、
いるのです!!
そして、見つかる可能性の多さ!
「もしかしたら、
『あッ!!あれって、おもらしの
奥中真子じゃない?』ってバレるん
じゃ?」と、怖かった。
特に、いすみで、彼と一緒にいるのを
小学時代の同級生に見られた折には、
「あれって、奥中じゃない!?
えッ!!隣にいるのは、銭湯の義時
だよね?」ってなるのではないか……、
そう考えてしまい、怖かった。
目の前を同年代の人が行くときは、
すかさず、顔を伏せました。
全員の記憶から消え去ってほしい
あの『事件の内容』が、私が、再度、
いすみの地に立つことによって、
あの事件を目撃していた人間たちに
再び思い出され、語られまくるような
ことになるのでは……?
私は、正直、怖かった。
早く、彼の車に乗り込みたかった。
こんな危険地帯-駅前-にずっと
立っていたくなかった!
そして、やっと、彼が、来ました。
義時君の車が、私の前に急停止した
のは、約束の時間をかなり過ぎての
ことでした。
シルバーのヴィッツでした、彼の車は。
大急ぎで運転席から降りて来た、彼は、
言ったものです。
「ごめんっ!!
カメラを忘れたの思い出して、家に
引き返してたら、こんなに、
遅れちゃったッ!!」と。
私は、ホッとしました。
やっと、車に乗れるから。
それと、誰にも話しかけられなかった
から…、あの頃の同級生とかから……。
そして、彼が遅れたのが、事故や事件
によるのではなかったから……。
彼の顔を見て、一瞬にして、
それまで抱いていた恐れや不安が、
いっぺんに消え去りました。
思えたんです。
「ずっと不安がってるなんてバカ
みたい。
今日は、ここで、いっぱい楽しんで、
いっぱい良い想い出作ろッ!」と。
私は、ドキドキしながら、義時君の
車の助手席に乗り込みました。
義時君は運転席に座りながら、
「遅れた分、今日は、色々な名所に
案内するから!
で、最後は、とっておきの所に、
案内するから、お楽しみに!!」
と言って、ニコッと笑ってくれました。
ドキッとします。
「眼福だぁ」と思いました。
もう、恐れも不安も何もありません!
ただ、幸せ……。
「私が、こんなデートできる日が、
来るなんて……」、何か、夢のよう
でした…。
愛する彼が運転する車の窓から眺める、
懐かしい、いすみ…。
義時君は、大南燈台や千樹城址公園に
連れて行ってくれました。
正直、年末です、真冬です!
私は、声に出しませんでしたが、
「こんな冬に、公園と灯台かぁ……。
正直、映画館とか喫茶店とか行きたい
なぁ。
ただ、さ・む・い!」と
思っていました。
でも、愛って偉大ですね。
義時君と並んで歩いているうちに、
寒さを感じなくなりました。
ただただ、幸せなんです!
まぁ、欲を言えば、
手をつなぎたかった、です。
だけど、恥ずかしくて、自分からは
言えません。
「手を握れたらもっと幸せなのに
なぁ……」と思いながら、でも、
黙っているしかありません…。
そして、とうとう、言い出せません
でしたね、その日は……。
私も、乙女なもんです。
(著作権は、篠原元にあります)
私たちの『初デート記念日』に
なるんですね!
それまでは、会っても、みどりちゃんが
一緒でしたから……。
この日は、待ち合わせ場所で始まって、
そこからランチ。で、その後、近くの
映画館に行って、映画鑑賞…。
義時君のお気に入りの、緊急救命の
最前線現場を描く、手に汗握る内容
でした。時に、出血シーンとか怖くて
目を開けることができず、時に、感動
で涙ボロボロでした。
私も、一日のうちに、そのシリーズの
ファンになってしまいました。
最初はバラバラの研修医たちが一人前
になっていく姿、そして、信頼と
友情のヒューマンストーリーです!
その感動を、映画館を出てから、私達
二人は、カフェで語り合いました。
その後、頃合いを見て、外に出て、
寒い冬空の下を二人で歩き、そのまま、
義時君が調べ、予約してくれていた
レストランに入り、ディナー……。
こんな流れでした……。
私は、「ここ出たら、駅で別れて、
終わりかなぁ……」と思っていたの
ですが、そのあとが、ありました!
何も知らない私は、駅をそのまま
通過して、歩いていく義時君の後ろ
に付いていきます。
「どこいくの?」と思いましたが、
黙って、付いていくことにします。
そして、彼は、ある高いビルの前で
立ち止まり、ニコッと笑って、
「上、昇ろう。夜景が最高だから」
と…。
義時君にエスコートされ、展望室
まで上がりました。
首都圏のビル群……、夜は、あんなに
キレイなんですね…。
幻想的でした。
で、時間を忘れ、夜の景色を眺めて
いた私は、その後、突然、プロポーズ
されるのです……!!
「柳沼さんッ!!
あの……!
俺、実は……」って、ダメですね!!
秘密にしておこうって、決めたんです
から…。
つい、言いそうになってしまいました!
危ない、危ない!!
それで、プロポーズの言葉は、私の胸
だけに大切に保存しておきたいので、
秘密ですが、その次の展開は、お教え
できます!
次に、私が義時君と会った日は、
本当に寒い、年末の12月29日
でした。
その時は、義時君から何も言われ
ませんでしたが、今度は私が独断で、
みどりちゃんに事前メールを送り
ました。
「明日、また、義時君と会います。
多分、年内最後のデートかな」と
言うような内容です。
すでに、プロポーズされたことを、
みどりちゃんに伝えているので、
あえて、「もし時間あったら一緒に
どう?」とか誘う必要はありません。
でも、『恋のキューピット役』を
してくれたのですから、ちゃんと、
伝えておきたかったんです。
それで、みどりちゃんからは、
そのメールに対して、
「もう、報告はいりませんよ!
アツアツの二人だけで、私のことは、
忘れて楽しんで~~!
私のこと、気にしないで良いからね、
本当に。
でも、何か、相談したい時は、
いつでも連絡してね!」と言う返信が
届きました。
正直、ホッとしたし、彼女のやさしさに
心打たれました。
そして、12月29日。
その年最後であり、また、私と彼との
2度目のデート日です!
場所は、千葉県です。
初デート&プロポーズは、私が住む
東京都でしたから、今度は、義時君の
いる千葉に行くのが当然ってものです。
義時君から、電話で言われました。
「こっちには、久しく来てないでしょ。
懐かしい、いすみに来てみて!
こっちも随分変わったけど、昔のまんま
の所もあるから……」。
そして、彼は、子どもの頃の私が母と
よく利用していた南大原駅の名前と、
待ち合わせの時間を告げてくれました。
電話が切れた後、私は、ちょっと憂鬱で
した。
正直言えば、懐かしくもなんとも
なかったのです!
いすみに、良い想い出なんか、なかった
のです!
でも、それを、彼に言えませんでした
……。
12月29日の朝。
私は、深く考えることはやめて、
義時君と思い切り『年末デート』を
楽しむことだけを考えて、出かける
準備に、朝早くから勤しんでいました。
化粧をしているうちに、だんだんと、
いすみに行くのが、楽しみになっても
きました!
何がどうあれ、義時君が住んでいる町
なのです。
それに、母との思い出の場所も見に
行けるかもしれない……。
柄にもなく、ちょっとウキウキして
きます…。
私は、あの〔さだみん〕からプレゼント
されたキーホルダーがついている鞄を
肩にして、最寄り駅まで歩きました。
吐く息が白く見える位、寒い、朝。
そして、駅で、都心方面の電車に乗り、
ある駅で特急に乗り換え。
実際、移動時間は、あっという間で
したね。
これが、恋の力です。
『夜の世界』にいた頃、出勤時間が
やけに長く感じれたものです!
何度、「ダルっ!
このまま、エスケープしたいなぁ!」と
思ったことでしょう。
その何十倍も長い時間、電車に乗って
いるのに、全然苦ではないのです、
デートのためなら……。
そして、私が、懐かしい南大原の駅で
降り、改札を通り抜け、駅前広場に
出たのは、ちょうど約束の時間
ピッタリでした!
計画では、約束の時間より、かなり
早く着いているはずだったのですが、
実際は、そんなにウマくいきません。
辺りを見渡してみます。
義時君は、来ていませ。
腕時計を確認してみます。
念のため駅前広場前のトイレの時計も
見てみます。
「今、向かってる途中なんだわ、
きっと……」と考えます。
一応、携帯も取り出して見てみました
が、メールも着信もありませんでした。
「どうしたのかな?」と思いながらも
電話するのは、やめました。
そして、辺りを見渡します。
懐かしい風景です……。
東京にはない、潮の香も……。
しばらく、昔のことを思い出して
いました……。
そして、再度、腕時計を…。
約束の時間は、とっくに過ぎています。
「あと5分待とう。
それで、来なかったら、電話してみよう
かな……」。
そう思いました。
ですが、皆さん…。
私は、その日、結局、彼と会えず、
約束も無断で破られ、結婚の話もナイ
ことになったのです……ってことは、
ありません!!
すみません!
ちょっと、驚かせてやろうって、
思って……。
でも、ふざけ過ぎました。
ごめんなさい。
結果的には、彼と、会えたのですが、
かなり待たされることに、なったの
です!
その時間の長かったこと……!
彼を待ちながら、駅の前に立つ私。
その目の前を老夫妻や子どもを連れた
若い女性が歩いていきます。
昔のように、人が少ない駅です。
東京とは、やはり違います……。
田舎の寂れた雰囲気……。
「懐かしい。来て良かった」と、
私は思いませんでした。
私は、戦々恐々としていたのです。
彼を待つ間。
何人か私と同年代と見える男性や
女性も通り過ぎていきました……。
その度に、胸が締め付けられます。
そうです!
私は、前の日の夜から怖かったのです。
不安で不安でしょうがなかったのです。
なぜなら、いすみ市には、私の
『あの事件』を知っている、目撃して
いる人間が、まだ、いっぱいいるの
ですから!
確かに、十数年経ってはいます。
でも、あの頃の同級生や上級生、
下級生、つまり、あの事件を目撃して
いた人間が、この街には、
いるのです!!
そして、見つかる可能性の多さ!
「もしかしたら、
『あッ!!あれって、おもらしの
奥中真子じゃない?』ってバレるん
じゃ?」と、怖かった。
特に、いすみで、彼と一緒にいるのを
小学時代の同級生に見られた折には、
「あれって、奥中じゃない!?
えッ!!隣にいるのは、銭湯の義時
だよね?」ってなるのではないか……、
そう考えてしまい、怖かった。
目の前を同年代の人が行くときは、
すかさず、顔を伏せました。
全員の記憶から消え去ってほしい
あの『事件の内容』が、私が、再度、
いすみの地に立つことによって、
あの事件を目撃していた人間たちに
再び思い出され、語られまくるような
ことになるのでは……?
私は、正直、怖かった。
早く、彼の車に乗り込みたかった。
こんな危険地帯-駅前-にずっと
立っていたくなかった!
そして、やっと、彼が、来ました。
義時君の車が、私の前に急停止した
のは、約束の時間をかなり過ぎての
ことでした。
シルバーのヴィッツでした、彼の車は。
大急ぎで運転席から降りて来た、彼は、
言ったものです。
「ごめんっ!!
カメラを忘れたの思い出して、家に
引き返してたら、こんなに、
遅れちゃったッ!!」と。
私は、ホッとしました。
やっと、車に乗れるから。
それと、誰にも話しかけられなかった
から…、あの頃の同級生とかから……。
そして、彼が遅れたのが、事故や事件
によるのではなかったから……。
彼の顔を見て、一瞬にして、
それまで抱いていた恐れや不安が、
いっぺんに消え去りました。
思えたんです。
「ずっと不安がってるなんてバカ
みたい。
今日は、ここで、いっぱい楽しんで、
いっぱい良い想い出作ろッ!」と。
私は、ドキドキしながら、義時君の
車の助手席に乗り込みました。
義時君は運転席に座りながら、
「遅れた分、今日は、色々な名所に
案内するから!
で、最後は、とっておきの所に、
案内するから、お楽しみに!!」
と言って、ニコッと笑ってくれました。
ドキッとします。
「眼福だぁ」と思いました。
もう、恐れも不安も何もありません!
ただ、幸せ……。
「私が、こんなデートできる日が、
来るなんて……」、何か、夢のよう
でした…。
愛する彼が運転する車の窓から眺める、
懐かしい、いすみ…。
義時君は、大南燈台や千樹城址公園に
連れて行ってくれました。
正直、年末です、真冬です!
私は、声に出しませんでしたが、
「こんな冬に、公園と灯台かぁ……。
正直、映画館とか喫茶店とか行きたい
なぁ。
ただ、さ・む・い!」と
思っていました。
でも、愛って偉大ですね。
義時君と並んで歩いているうちに、
寒さを感じなくなりました。
ただただ、幸せなんです!
まぁ、欲を言えば、
手をつなぎたかった、です。
だけど、恥ずかしくて、自分からは
言えません。
「手を握れたらもっと幸せなのに
なぁ……」と思いながら、でも、
黙っているしかありません…。
そして、とうとう、言い出せません
でしたね、その日は……。
私も、乙女なもんです。
(著作権は、篠原元にあります)
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