あばずれローニャ

黒神譚

文字の大きさ
上 下
107 / 150
第8話

闇の戦巫女 8

しおりを挟む
(ああ・・・。ど、どうすればチャームを元に戻せるの?
 このままじゃ私だけでなくチャームもダメになってしまうわ・・・)

闇の勢力の神殿の影響でチャームは一変してしまった。
以前の彼女は確かに淫乱ではあったけれど、ある程度の優しさは持ち合わせている子だった。
それが今や魔王のよう・・・。
私は自分の身の危険からくる恐怖と共にチャームの事を案じ、不安で一杯だった。

そんな私の恐怖を慰めるかのようにメリナは私の体を丁寧に洗い流してくれた。
沐浴の場の水は清潔で失禁で汚れた私の綺麗にしてくれた。
そして、私も彼女の体を丁寧に洗う。

丁寧に・・・。それはチャームの指示した通り、お互いを愛しあうように丁寧に。

彼女の肌が私の肌に触れるたびに。
私の指先が彼女の肌に触れるたびに
私達は接触する部位に敏感に反応してしまう。
互いに体を震わせながら、吐息を漏らした。

ナタリアのような手馴れた感じではなく、メリナのぎこちない肌の動きが逆に私を狂わせる。
私達はいつの間にかお互いを求めてむさぼりあうかのように丁寧に体を洗った。
それがチャームの魔性の力による束縛だと気が付いていたけれど、私達に抗う事などできなかった。

しばらくの間、お互いの体を沐浴の水で濡らしながら汚れを落とした。するとやがて、チャームが飽きたかのように
「下手くそっ!」
と、酷い一言をメリナに浴びせかけて、沐浴を一方的に終わらせた。

「・・・はぁっ・・・はぁっ・・・」

疲れ切って立ち上がれなくなったメリナの紅潮した肌が悩ましく揺れる。
しかし、彼女のそんな姿を見ても
(ディエゴだった時の私だったら、もっと彼女を気持ちよく洗ってあげられただろうに、今の私は生娘そのもので・・・ごめんね。)などと考えてしまう私は未だチャームの呪いの中にいるようだ。

そして力を増したチャームの恐怖はメリナの精神も支配する。

(メリナ。さっさと食事の準備をしなさいっ!!
 甘く煮付けたお肉。それから新鮮なサラダと美味しいフルーツジュースを用意しなさい。
 手抜きは許さないわよっ!! さっさと行きなさいっ!!)

「は・・・はいぃぃ~~~っ!!」

チャームに命令されたメリナは恐怖に顔を歪め、慌てて着替えたので衣服が乱れたまま沐浴の場から逃げるように出て行った。
そうして、沐浴の場には私一人残された。

(ふ~、やっと監視の目から逃げられたわ。
 ごめんね。ママ。怖かったでしょう?)
(・・・っ! チャ、チャームっ!! あなた・・・。)

不意に優しいチャームの声に私は驚き、目の前で心配そうな顔をして私を見つめる掌サイズのチャームの具現化した姿を見つめた。
そこにはいつものチャームがいた。

(チャーム。あなた・・・正気に戻ったのっ!?)

驚く私を見てチャームは得意げに笑った。

(当たり前よっ! 私を誰だと思っているの? 魔神シトリー様の一人娘よっ!
 闇の神殿の魔力は確かに私に力を与えてくれるし、属性に影響も与える。
 でも、ある程度は抵抗できるわ。だからメリナを追い払うために一芝居打ったわけよ。)

(も、もう~・・・びっくりさせないでよ!)

真実を知って安堵する私にチャームはひっそりと(ママ、可愛かったわよ。まんざらでもなさそうだったし)と、意地悪を言うのだった。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

校長室のソファの染みを知っていますか?

フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。 しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。 座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

13歳女子は男友達のためヌードモデルになる

矢木羽研
青春
写真が趣味の男の子への「プレゼント」として、自らを被写体にする女の子の決意。「脱ぐ」までの過程の描写に力を入れました。裸体描写を含むのでR15にしましたが、性的な接触はありません。

小学生最後の夏休みに近所に住む2つ上のお姉さんとお風呂に入った話

矢木羽研
青春
「……もしよかったら先輩もご一緒に、どうですか?」 「あら、いいのかしら」 夕食を作りに来てくれた近所のお姉さんを冗談のつもりでお風呂に誘ったら……? 微笑ましくも甘酸っぱい、ひと夏の思い出。 ※性的なシーンはありませんが裸体描写があるのでR15にしています。 ※小説家になろうでも同内容で投稿しています。 ※2022年8月の「第5回ほっこり・じんわり大賞」にエントリーしていました。

JKがいつもしていること

フルーツパフェ
大衆娯楽
平凡な女子高生達の日常を描く日常の叙事詩。 挿絵から御察しの通り、それ以外、言いようがありません。

思春期ではすまない変化

こしょ
青春
TS女体化現代青春です。恋愛要素はありません。 自分の身体が一気に別人、モデルかというような美女になってしまった中学生男子が、どうやれば元のような中学男子的生活を送り自分を守ることができるのだろうかっていう話です。 落ちがあっさりすぎるとかお褒めの言葉とかあったら教えて下さい嬉しいのですっごく 初めて挑戦してみます。pixivやカクヨムなどにも投稿しています。

朝起きたら女体化してました

たいが
恋愛
主人公の早乙女駿、朝起きると体が... ⚠誤字脱字等、めちゃくちゃあります

隣の席の女の子がエッチだったのでおっぱい揉んでみたら発情されました

ねんごろ
恋愛
隣の女の子がエッチすぎて、思わず授業中に胸を揉んでしまったら…… という、とんでもないお話を書きました。 ぜひ読んでください。

処理中です...