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第4話
初めての共同作業 17
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アルバートの奇跡によりナタリアは奇跡の復活を遂げた。
全身の傷は消え、元通りにの姿になったのだった。
(全く、とんでもない人ね・・・。)
俺がかつてのライバルの力に驚きながらナタリアを見ていると、ナタリアが目を覚ました。
ナタリアは目を覚ましてすぐに事情を把握したのか、自分の無事を喜び泣きじゃくりながら抱きつく女たちを押しのけて立ち上がると、アルバートの前に進み出て頭を下げた。
「アルバート様。・・・ありがとう。
神官騎士の奇跡が無ければアタイは死んでた。・・・感謝してもしきれない。
そして・・・賭けはアタイの負けね。
約束通りローニャの言い分を認めるわ。アタイ達では龍虫退治は無謀過ぎたわ。」
しおらしいセリフだけれども後半はアルバートじゃなくて俺に言うセリフじゃない?
「いや、君たちはよくやったよ。勝ちも負けもない。」
アルバートの慰めの言葉を聞いたナタリアは目に涙を一杯溜めたまま体を震わせた。
・・・きっと男に負けたくない意地で仲間を危険にした自分が許せないんだろう。
そして、ナタリアは一つの決断をする。
目に涙を溜めながら、こう宣言した。
「でも・・・アタイには指揮官の資格がない。
今日でこのパーティを解散します。」
いきなりの申し出に俺もアルバートも「いや、なにもそこまで」と引き留めにかかった。だが、ナタリアが「既にパーティの皆も自分の限界に気が付いたはずです。」と言うと配下の女たちも目を閉じた。同意と言う意味だ。
きっと、彼女たちは龍虫との戦いで心が折れてしまったのだろう。アルバートのスキルの効果も既に尽き、我に返って戦いが恐ろしい物と思ってしまったのかもしれない。一度、心が恐怖を受け入れたら再起は難しい・・・。ナタリアは彼女たちの気持ちの変化に気が付いているのだろう・・・。
俺に出来ることは「それもいいかもしれないね。」と優しく第二の人生へと送り出してやるだけだ。
折角の出会いだが、ここでお別れか・・・。
と、思った矢先、ナタリアがアルバートの手を取って懇願する。
「アタイもアルバート様の旅に連れてって!!
あんたの力になりたいんだ。そして、もっと強くなりたいんだ!」
その言葉にアルバートは感心した。
「君は・・・地獄を見たというのにまだ戦うのか。
いいだろう。君は本物の戦士だ。歓迎するよ、ナタリア。」
・・・はぁ~~~っ!?
俺はアルバートの純粋さに呆れて猛抗議する。
「いやいやいや、なに騙されてんの? それは絶対に口実だよっ!
ナタリア。貴女、ただ単にアルバート様と一緒にいたいだけでしょっ!?」
「ローニャ、何を言っているんだ?
彼女の勇敢さは君も知るところのはずだ!」
アルバートは直ぐ否定した。どうやら俺の言う事に耳を貸す気は無さそうだ。
そしてナタリアはアルバートが自分の味方と知って嬉しそうにアルバートの腕に抱きついた。
「ありがとうございますっ!!
モトリルのナタリア。一生、あなたにつき従いますっ!!」
「お、おいおい。大仰だなぁ・・・。」
なんて言葉を口にしながらアルバートはまんざらでもなさそうだ。
それはそうだろう。その逞しい腕がナタリアの豊満な乳房に埋もれているんだから。
う~~~っ、アルバートのスケベっ!!
もう怒ったぞ! 断固、反対してやるっ!!
「そんなの駄目~~っ!!」
だが、俺の猛抗議は受け入れられず、それどころかアルバートの腕に抱き着くナタリアは勝ち誇った目で俺を見て笑った。
「じゃぁ、これからよろしくな。ローニャ。」
「よろしくな、じゃなーいっ!!」
勝負に勝ったはずなのに、何か負けた気がする~~っ!!
全身の傷は消え、元通りにの姿になったのだった。
(全く、とんでもない人ね・・・。)
俺がかつてのライバルの力に驚きながらナタリアを見ていると、ナタリアが目を覚ました。
ナタリアは目を覚ましてすぐに事情を把握したのか、自分の無事を喜び泣きじゃくりながら抱きつく女たちを押しのけて立ち上がると、アルバートの前に進み出て頭を下げた。
「アルバート様。・・・ありがとう。
神官騎士の奇跡が無ければアタイは死んでた。・・・感謝してもしきれない。
そして・・・賭けはアタイの負けね。
約束通りローニャの言い分を認めるわ。アタイ達では龍虫退治は無謀過ぎたわ。」
しおらしいセリフだけれども後半はアルバートじゃなくて俺に言うセリフじゃない?
「いや、君たちはよくやったよ。勝ちも負けもない。」
アルバートの慰めの言葉を聞いたナタリアは目に涙を一杯溜めたまま体を震わせた。
・・・きっと男に負けたくない意地で仲間を危険にした自分が許せないんだろう。
そして、ナタリアは一つの決断をする。
目に涙を溜めながら、こう宣言した。
「でも・・・アタイには指揮官の資格がない。
今日でこのパーティを解散します。」
いきなりの申し出に俺もアルバートも「いや、なにもそこまで」と引き留めにかかった。だが、ナタリアが「既にパーティの皆も自分の限界に気が付いたはずです。」と言うと配下の女たちも目を閉じた。同意と言う意味だ。
きっと、彼女たちは龍虫との戦いで心が折れてしまったのだろう。アルバートのスキルの効果も既に尽き、我に返って戦いが恐ろしい物と思ってしまったのかもしれない。一度、心が恐怖を受け入れたら再起は難しい・・・。ナタリアは彼女たちの気持ちの変化に気が付いているのだろう・・・。
俺に出来ることは「それもいいかもしれないね。」と優しく第二の人生へと送り出してやるだけだ。
折角の出会いだが、ここでお別れか・・・。
と、思った矢先、ナタリアがアルバートの手を取って懇願する。
「アタイもアルバート様の旅に連れてって!!
あんたの力になりたいんだ。そして、もっと強くなりたいんだ!」
その言葉にアルバートは感心した。
「君は・・・地獄を見たというのにまだ戦うのか。
いいだろう。君は本物の戦士だ。歓迎するよ、ナタリア。」
・・・はぁ~~~っ!?
俺はアルバートの純粋さに呆れて猛抗議する。
「いやいやいや、なに騙されてんの? それは絶対に口実だよっ!
ナタリア。貴女、ただ単にアルバート様と一緒にいたいだけでしょっ!?」
「ローニャ、何を言っているんだ?
彼女の勇敢さは君も知るところのはずだ!」
アルバートは直ぐ否定した。どうやら俺の言う事に耳を貸す気は無さそうだ。
そしてナタリアはアルバートが自分の味方と知って嬉しそうにアルバートの腕に抱きついた。
「ありがとうございますっ!!
モトリルのナタリア。一生、あなたにつき従いますっ!!」
「お、おいおい。大仰だなぁ・・・。」
なんて言葉を口にしながらアルバートはまんざらでもなさそうだ。
それはそうだろう。その逞しい腕がナタリアの豊満な乳房に埋もれているんだから。
う~~~っ、アルバートのスケベっ!!
もう怒ったぞ! 断固、反対してやるっ!!
「そんなの駄目~~っ!!」
だが、俺の猛抗議は受け入れられず、それどころかアルバートの腕に抱き着くナタリアは勝ち誇った目で俺を見て笑った。
「じゃぁ、これからよろしくな。ローニャ。」
「よろしくな、じゃなーいっ!!」
勝負に勝ったはずなのに、何か負けた気がする~~っ!!
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