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第2章 新国家「エデン」
第15話 着せ替え人形
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「ほ、本当にこんなドレスに着替えるのですかっ!?」
明けの明星様の指示により、私が他国の殿方を誑かしてお金を融資させるというゴミみたいな作戦が進行中です。今は、その殿方を誘惑するためのドレスを選別するための衣装替えを行っています。
衣装には数十着の候補がありますので、魔神ギーン・ギーン・ラー様も協力してくださって二人でドレスルームで着替えを行い、そのあとに明けの明星様の前でお披露目をするという流れなのですが・・・。困ったことに明けの明星様が特別にデザインされたドレスはどれもこれも破廉恥極まりないほどに露出が多いドレスばかり・・・。これにはさすがの魔神ギーン・ギーン・ラー様も困惑されるばかり。
「本当に異界の女性はこのような布切れ一枚だけの・・・ビキニとか言う衣装を着て、日常生活なされておられるのでしょうか?
ね、ねぇ。ラーマ・・・。私達、旦那様に騙されてはいませんか?」
と、滅多なことで明けの明星様を疑わない魔神ギーン・ギーン・ラー様ですら泣き言が出てしまうほど、露出の多い衣装ばかり着させられているのでした。
当然、この試着にはドレスルームにもお披露目の場にも男性は締め出されており、明けの明星様以外は全員、女性という環境ではあるのですが、それでも恥ずかしさを覚えずにはいられないほど、破廉恥な衣装ばかりです。
異界と違い、私たちの世界の淑女は足首よりも上は出さないものなのです。それなのに信じられないことに異界の女学生は下着スレスレの高さまでの丈しかないスカートをはくのだとか。
「アホたれっ!! ラーマっ!! お前、600年も生きとって何を恥ずかしがっとんじゃっ!!
地球やったら15~6歳のJKが校則破ってまでスカートの丈を短くするんやぞっ!!」
「ええ~・・・。」
「しかも、己で丈を短くしたくせに、階段上り下りの時には下着が見えないか心配するねん。」
「アホたれじゃないですか。」
「違うっ!! それがええねん。突っ張ってみても恥じらいが残っとるのが男にはええねんっ!」
「先ほどは恥ずかしがるなって仰っておられましたが矛盾しておられませんか?」
「あああっ!! もううるさいわーいっ!
それでのーても、こっちはスラックス導入に腹立っとんねん。黙ってセーラー服に着替えんかーいっ!!」
と、こんな頓珍漢な問答を繰り返してきたのですが、さすがにこれはいけません。
え~と・・・。ビキニでしたっけ?
なんなんですか? これは・・・。異界の女性は頭おかしいんですか?・・・。
それでも着替えないと怒り出すから仕方ありません。私と魔神ギーン・ギーン・ラー様はそれぞれ赤と白のビキニに着替えました。
「おおっ!! 二人とも着替えたかっ!!」
「「うう~っ・・・。は、はい。」」
私と魔神ギーン・ギーン・ラー様は、気恥ずかしさから思わず、恨みがましい目で魔王様を見るのですが、魔王様ときたら、さして気に留めるそぶりも見せずに私たちの着替えた姿を舐めまわすようにご覧になっておられます。どうやらよほどお気に召されたのか、黒ヘビがずっとお元気なママなのです。
・・・・・・ええ、そうですわよ?
あいかわらず全裸のままです。この御仁は。
「わ、私たちよりも魔王様の方がお着替えあそばされた方がよろしいのではありませんか?」
と、私が忠告すると「おいおい。どこ見とんねん、エッチやのぅ」と、煽られるのが関の山。私と魔神ギーン・ギーン・ラー様はただ、耐えるしかないのです。
「ふむふむ。ええで、銀の髪のギーン・ギーン・ラーには白いビキニが似合うし、ピンクのラーマには赤のビキニが良う合うとる
しかもお前らアホみたいにデカい乳しとるさかいにビキニがよう似合うわ。」
※関西で「アホみたいに○○」とは、馬鹿げているほど常識外れ。つまり物凄いという意味。信じられないかもしれませんが「アホみたいに賢い」という言葉が通用します。
「・・・で? どないや? ビキニ着た感想は?」
・・・・・・(旦那様は、これでも女を褒めておられるおつもりなのでしょうか?)
魔神ギーン・ギーン・ラー様がそんな苛立ちを覚えていそうな目でジッと私を見つめるものですから、私、もうおかしくって。つい、いたずらっぽい目くばせを魔神ギーン・ギーン・ラー様にお返してから、二人で息を合わせてご返答申し上げました。
「頭おかしいんじゃないですか?」
「頭おかしいんじゃないですか?」
「はっはっはっは。
ようし、お前ら后と側室じゃなかったら、ぶっ殺しとるからなぁ~?
・・・まぁ、ええ。」
「お前ら、ちょっとその場でジャンプしてみろ。」
突然のジャンプ要請。
私と魔神ギーン・ギーン・ラー様が思わずキョトンとして「は、はい? ジャンプでございますか?」と聞き返すほど脈絡のないジャンプ要請でした。
しかも、魔王様はただジャンプするのではだめだと仰る始末。
「ああ。でも、ただ飛ぶだけやったらあかんで?
ほれ、こうやってな。両手で動物の耳の形を模した姿をとって、こんな風に腰を左右に振りながら飛ぶんや。」
といって、ゴミみたいなダンスをご披露頂けたのですが・・・。
・・・・・・。
・・・・・・・・・揺れてますっ!! もう、ビッタンビッタンと魔王様の逞しい黒ヘビが魔王様が飛ぶのに合わせて暴れまくっておられます。
「きゃあああっ!! きゃあっ!! きゃあああっ~っ!!」
いやあああんッ!! 破廉恥ですっ!! こんなの破廉恥すぎますわ~~っ!!
私はもう、目のやり場に困りながら、言葉にならない思いを込めて「きゃあ、きゃあ」と奇声を上げるばかり。
対して魔神ギーン・ギーン・ラー様は、大喜びです。
「きゃああんっ!! だ、旦那様っ!! す、ステキですっ!!
今夜も私が泣いてお許しを請うまで可愛がってくださいましっ!!」
「アホたれっ!! お前ら二人して何をガン見しとるんじゃっ!!
そんなことどうでもええから、飛ばんかいっ!! ほらっ!! 飛べ~~~っ!!」
そこで私と魔神ギーン・ギーン・ラー様は魔王様の狙いがわかりました。
私と魔神ギーン・ギーン・ラー様が半狂乱になっている原因と同じように魔王様は私たちの乳房が揺れるのをご期待されているのだと。
そう、わかっていてもここまで来たら、もう飛ばないわけには参りません。
私と魔神ギーン・ギーン・ラー様は、魔王様の命じられるままにその場で飛びます。
「おおおっ!!
ええで、ええでっ!! お前らマジで凄い乳してんなぁっ!!
もうっ、激しくタップン、タップンそんなデカいもんが揺れとるから、ビキニが可哀想なくらいやっ!!」
・・・・・・・そんな奇行がしばらく続いたのですが、やがて明けの明星様が突然、魔神ギーン・ギーン・ラー様をビキニ姿のまま抱きかかえてどこかへ連れ去ってしまわれたので、終焉を迎えたのでした・・・・・・。
そして魔神ギーン・ギーン・ラー様の「いやあ~ん。もう、旦那様ったらぁ~。」という嬉しそうな絶叫が残る部屋に取り残された私はビキニ姿のまま、しばらく一人でピョンピョンするのでした。
・・・・・・何だったのですか? これ・・・・・・。
奇行の一日が終わった翌日。我に返った私は明けの明星様にはっきりと申し上げました。
「却下いたしますわっ!! エデン国女王として、あのような破廉恥な衣装を着るわけには参りませんっ!!
ドレスに関しては、伝統的な衣装にいたしますっ!!」
それを聞いて明けの明星様からは
「お前、あんな衣装を本気にしたんか?
あんなもん、冗談に決まっとるやろが・・・・・・。」
とか、信じられないお返事をいただきました。
ただ、魔神ギーン・ギーン・ラー様だけは、「白いチャイナドレス」をいたくお気に召されたようで、深い切込みの入った物をすでに装着なさっています。
・・・・・・何を着ても信じられないほどお似合いになる美貌に、さすがにちょっと嫉妬いたします。
て、いうか数日前までは、あなたは男性でしたわよね? なにをどうしたら、そんなに急に女の子になってしまえるのですか? ちょっと聞いてみたい気も致しますが・・・・・・。そんなことよりもっ!!
「あれだけご予算を掛けさせて、御冗談とは御無体極まりませんっ!!
一体、どういうおつもりなのですかっ!!」
私、さすがに弄ばれて腹が立ちましたので、ここはビシッと進言申し上げるべき時と思ってかなり強い口調で申し上げたのですが、相手は異界の王さえ畏怖めされるほどの魔王様。きっと子猫が甘えてじゃれているくらいにしか思われてないのでしょうね。
「ええやん。めっちゃ可愛かったで? お前。
いつかあんなにも可愛いお前を抱ける日が来るかと思ったら、胸が躍ったわ。」
・・・・・・。そんなに可愛いと言われたら、何も言えなくなってしまうではありませんか。
というか・・・。こんなことをしていて本当に大丈夫なのでしょうか? 我が国は。
「何も心配することはない。
外交が始まったらすぐに俺の言うたことがわかる。」
「でも、どんなドレス着ても構わんけど、忘れるな?
タプンタプンとその凶悪なサイズの乳揺らすことと、それ以上にデカい尻を左右にクネクネ揺らすことをな。」
「私っ!! そんなに大きなお尻していませ~~~~んっ!!!
もうっ!! なんなのですかっ!!」
私が真っ赤になって必死に抵抗する姿を嬉しそうにご覧になっていた魔王様でしたが、突然、紙とペンをご所望されたかと思うと、信じられないほどお綺麗な字で何枚もの書簡をお書きあそばされました。
「す、すごい・・・。」
文書作成する専門の職員である祐筆ですら、その達筆ぶりには驚愕するばかり・・・。私もこれほど美しく、そして色気のある字を見たことが無かったので、驚かずにはいられませんでした。魔王様の文字は男性的な力強さではなくて柔らかい筆遣いが特徴的な女性的な文字だったのです。
「文書を見る目があるほど教養のある者はその文字の筆運びの美しさから色気も感じる。
違うか?」
文句のつけようのない文字を書かれた上でそう言われては反論の余地もなく、その場にいたもの全てが魔王様の書かれた文書を見ながら、ため息交じりにただ頷くばかり。
「ええか。この書状をすぐに各国に配るんやで?
そうして外交官が訪ねてきたら、開戦の合図や。俺の言う通りに動けよっ!!」
これが、この恐怖の魔王がもたらす破滅地獄の始まりだったのです・・・・・・。
明けの明星様の指示により、私が他国の殿方を誑かしてお金を融資させるというゴミみたいな作戦が進行中です。今は、その殿方を誘惑するためのドレスを選別するための衣装替えを行っています。
衣装には数十着の候補がありますので、魔神ギーン・ギーン・ラー様も協力してくださって二人でドレスルームで着替えを行い、そのあとに明けの明星様の前でお披露目をするという流れなのですが・・・。困ったことに明けの明星様が特別にデザインされたドレスはどれもこれも破廉恥極まりないほどに露出が多いドレスばかり・・・。これにはさすがの魔神ギーン・ギーン・ラー様も困惑されるばかり。
「本当に異界の女性はこのような布切れ一枚だけの・・・ビキニとか言う衣装を着て、日常生活なされておられるのでしょうか?
ね、ねぇ。ラーマ・・・。私達、旦那様に騙されてはいませんか?」
と、滅多なことで明けの明星様を疑わない魔神ギーン・ギーン・ラー様ですら泣き言が出てしまうほど、露出の多い衣装ばかり着させられているのでした。
当然、この試着にはドレスルームにもお披露目の場にも男性は締め出されており、明けの明星様以外は全員、女性という環境ではあるのですが、それでも恥ずかしさを覚えずにはいられないほど、破廉恥な衣装ばかりです。
異界と違い、私たちの世界の淑女は足首よりも上は出さないものなのです。それなのに信じられないことに異界の女学生は下着スレスレの高さまでの丈しかないスカートをはくのだとか。
「アホたれっ!! ラーマっ!! お前、600年も生きとって何を恥ずかしがっとんじゃっ!!
地球やったら15~6歳のJKが校則破ってまでスカートの丈を短くするんやぞっ!!」
「ええ~・・・。」
「しかも、己で丈を短くしたくせに、階段上り下りの時には下着が見えないか心配するねん。」
「アホたれじゃないですか。」
「違うっ!! それがええねん。突っ張ってみても恥じらいが残っとるのが男にはええねんっ!」
「先ほどは恥ずかしがるなって仰っておられましたが矛盾しておられませんか?」
「あああっ!! もううるさいわーいっ!
それでのーても、こっちはスラックス導入に腹立っとんねん。黙ってセーラー服に着替えんかーいっ!!」
と、こんな頓珍漢な問答を繰り返してきたのですが、さすがにこれはいけません。
え~と・・・。ビキニでしたっけ?
なんなんですか? これは・・・。異界の女性は頭おかしいんですか?・・・。
それでも着替えないと怒り出すから仕方ありません。私と魔神ギーン・ギーン・ラー様はそれぞれ赤と白のビキニに着替えました。
「おおっ!! 二人とも着替えたかっ!!」
「「うう~っ・・・。は、はい。」」
私と魔神ギーン・ギーン・ラー様は、気恥ずかしさから思わず、恨みがましい目で魔王様を見るのですが、魔王様ときたら、さして気に留めるそぶりも見せずに私たちの着替えた姿を舐めまわすようにご覧になっておられます。どうやらよほどお気に召されたのか、黒ヘビがずっとお元気なママなのです。
・・・・・・ええ、そうですわよ?
あいかわらず全裸のままです。この御仁は。
「わ、私たちよりも魔王様の方がお着替えあそばされた方がよろしいのではありませんか?」
と、私が忠告すると「おいおい。どこ見とんねん、エッチやのぅ」と、煽られるのが関の山。私と魔神ギーン・ギーン・ラー様はただ、耐えるしかないのです。
「ふむふむ。ええで、銀の髪のギーン・ギーン・ラーには白いビキニが似合うし、ピンクのラーマには赤のビキニが良う合うとる
しかもお前らアホみたいにデカい乳しとるさかいにビキニがよう似合うわ。」
※関西で「アホみたいに○○」とは、馬鹿げているほど常識外れ。つまり物凄いという意味。信じられないかもしれませんが「アホみたいに賢い」という言葉が通用します。
「・・・で? どないや? ビキニ着た感想は?」
・・・・・・(旦那様は、これでも女を褒めておられるおつもりなのでしょうか?)
魔神ギーン・ギーン・ラー様がそんな苛立ちを覚えていそうな目でジッと私を見つめるものですから、私、もうおかしくって。つい、いたずらっぽい目くばせを魔神ギーン・ギーン・ラー様にお返してから、二人で息を合わせてご返答申し上げました。
「頭おかしいんじゃないですか?」
「頭おかしいんじゃないですか?」
「はっはっはっは。
ようし、お前ら后と側室じゃなかったら、ぶっ殺しとるからなぁ~?
・・・まぁ、ええ。」
「お前ら、ちょっとその場でジャンプしてみろ。」
突然のジャンプ要請。
私と魔神ギーン・ギーン・ラー様が思わずキョトンとして「は、はい? ジャンプでございますか?」と聞き返すほど脈絡のないジャンプ要請でした。
しかも、魔王様はただジャンプするのではだめだと仰る始末。
「ああ。でも、ただ飛ぶだけやったらあかんで?
ほれ、こうやってな。両手で動物の耳の形を模した姿をとって、こんな風に腰を左右に振りながら飛ぶんや。」
といって、ゴミみたいなダンスをご披露頂けたのですが・・・。
・・・・・・。
・・・・・・・・・揺れてますっ!! もう、ビッタンビッタンと魔王様の逞しい黒ヘビが魔王様が飛ぶのに合わせて暴れまくっておられます。
「きゃあああっ!! きゃあっ!! きゃあああっ~っ!!」
いやあああんッ!! 破廉恥ですっ!! こんなの破廉恥すぎますわ~~っ!!
私はもう、目のやり場に困りながら、言葉にならない思いを込めて「きゃあ、きゃあ」と奇声を上げるばかり。
対して魔神ギーン・ギーン・ラー様は、大喜びです。
「きゃああんっ!! だ、旦那様っ!! す、ステキですっ!!
今夜も私が泣いてお許しを請うまで可愛がってくださいましっ!!」
「アホたれっ!! お前ら二人して何をガン見しとるんじゃっ!!
そんなことどうでもええから、飛ばんかいっ!! ほらっ!! 飛べ~~~っ!!」
そこで私と魔神ギーン・ギーン・ラー様は魔王様の狙いがわかりました。
私と魔神ギーン・ギーン・ラー様が半狂乱になっている原因と同じように魔王様は私たちの乳房が揺れるのをご期待されているのだと。
そう、わかっていてもここまで来たら、もう飛ばないわけには参りません。
私と魔神ギーン・ギーン・ラー様は、魔王様の命じられるままにその場で飛びます。
「おおおっ!!
ええで、ええでっ!! お前らマジで凄い乳してんなぁっ!!
もうっ、激しくタップン、タップンそんなデカいもんが揺れとるから、ビキニが可哀想なくらいやっ!!」
・・・・・・・そんな奇行がしばらく続いたのですが、やがて明けの明星様が突然、魔神ギーン・ギーン・ラー様をビキニ姿のまま抱きかかえてどこかへ連れ去ってしまわれたので、終焉を迎えたのでした・・・・・・。
そして魔神ギーン・ギーン・ラー様の「いやあ~ん。もう、旦那様ったらぁ~。」という嬉しそうな絶叫が残る部屋に取り残された私はビキニ姿のまま、しばらく一人でピョンピョンするのでした。
・・・・・・何だったのですか? これ・・・・・・。
奇行の一日が終わった翌日。我に返った私は明けの明星様にはっきりと申し上げました。
「却下いたしますわっ!! エデン国女王として、あのような破廉恥な衣装を着るわけには参りませんっ!!
ドレスに関しては、伝統的な衣装にいたしますっ!!」
それを聞いて明けの明星様からは
「お前、あんな衣装を本気にしたんか?
あんなもん、冗談に決まっとるやろが・・・・・・。」
とか、信じられないお返事をいただきました。
ただ、魔神ギーン・ギーン・ラー様だけは、「白いチャイナドレス」をいたくお気に召されたようで、深い切込みの入った物をすでに装着なさっています。
・・・・・・何を着ても信じられないほどお似合いになる美貌に、さすがにちょっと嫉妬いたします。
て、いうか数日前までは、あなたは男性でしたわよね? なにをどうしたら、そんなに急に女の子になってしまえるのですか? ちょっと聞いてみたい気も致しますが・・・・・・。そんなことよりもっ!!
「あれだけご予算を掛けさせて、御冗談とは御無体極まりませんっ!!
一体、どういうおつもりなのですかっ!!」
私、さすがに弄ばれて腹が立ちましたので、ここはビシッと進言申し上げるべき時と思ってかなり強い口調で申し上げたのですが、相手は異界の王さえ畏怖めされるほどの魔王様。きっと子猫が甘えてじゃれているくらいにしか思われてないのでしょうね。
「ええやん。めっちゃ可愛かったで? お前。
いつかあんなにも可愛いお前を抱ける日が来るかと思ったら、胸が躍ったわ。」
・・・・・・。そんなに可愛いと言われたら、何も言えなくなってしまうではありませんか。
というか・・・。こんなことをしていて本当に大丈夫なのでしょうか? 我が国は。
「何も心配することはない。
外交が始まったらすぐに俺の言うたことがわかる。」
「でも、どんなドレス着ても構わんけど、忘れるな?
タプンタプンとその凶悪なサイズの乳揺らすことと、それ以上にデカい尻を左右にクネクネ揺らすことをな。」
「私っ!! そんなに大きなお尻していませ~~~~んっ!!!
もうっ!! なんなのですかっ!!」
私が真っ赤になって必死に抵抗する姿を嬉しそうにご覧になっていた魔王様でしたが、突然、紙とペンをご所望されたかと思うと、信じられないほどお綺麗な字で何枚もの書簡をお書きあそばされました。
「す、すごい・・・。」
文書作成する専門の職員である祐筆ですら、その達筆ぶりには驚愕するばかり・・・。私もこれほど美しく、そして色気のある字を見たことが無かったので、驚かずにはいられませんでした。魔王様の文字は男性的な力強さではなくて柔らかい筆遣いが特徴的な女性的な文字だったのです。
「文書を見る目があるほど教養のある者はその文字の筆運びの美しさから色気も感じる。
違うか?」
文句のつけようのない文字を書かれた上でそう言われては反論の余地もなく、その場にいたもの全てが魔王様の書かれた文書を見ながら、ため息交じりにただ頷くばかり。
「ええか。この書状をすぐに各国に配るんやで?
そうして外交官が訪ねてきたら、開戦の合図や。俺の言う通りに動けよっ!!」
これが、この恐怖の魔王がもたらす破滅地獄の始まりだったのです・・・・・・。
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