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サタン@異世界編PART2
ピッピンプンスカ教会大司教エーギル登場
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大司教というだけあって、ジョウチンが着ている司祭の服よりも上位者であることが伺える高級感のある服だ。
(こいつが……エーギルか?)
ーーーブッワッ……!!
「ぐっ……!」
「ぐうわっ!!」
ジョウチンとカトリーナが小さく叫んだその瞬間、瘴気だろうか、嫌なオーラが俺たちの体を包み込んだ。
(ちっ……こいつは……)
異空間から出てきた男はその場で何やら唱えると、足元に魔法陣が出て空中に留まった。
「プーチュープでは見ていましたが……。その身のこなし、只者ではないですね。魔王級モンスターでないことは確かですが」
「……ああ。動画よりイケメンだからビックリしたんだろ」
「いいえ。思ったより弱そうで安心しました。もちろん、思ったよりブ男であるとも思いました」
「はい即、●すぅー!喰らえ!!『最強風登場後、あっさり即死ブレード』!!!」
俺はエネルギーを溜めた腕を思いっきり振りかぶり、エーギルに向けて全力で斬撃を飛ばした。
「ほう、これが『無属性』の魔法ですか」
エーギルは左手に魔力を溜めて何やら唱えると、魔法シールドのようなものを展開し、防御した。
ガリガリガリガリ……!!!
俺の斬撃と魔法シールドがぶつかり合う金属音のような音が響く。
「小賢しいですね……!ふん!」
エーギルが魔力を解き放つと、さらに盾の厚みが出た。
ガリガリガリガリ……!!!
ガリガリガリガリ……!!!
ガリガリ……!!!
ガリ……ガリ……!!
ガリ……!!
ガ……!
ガリガリガリガリガリガリ……!!!
「いや、しつこい斬撃ですね!!早く消えなさいよ!!なんなんですかそれは!!」
「イケメンじゃないと言った者を切り裂くまで止まらないぜ!」
「めんどくさい技ですね!」
右手に魔力を集め、先ほどの黒槍が現れる。
「ほら!消えなさい!」
ーーーガギィィィィィィイイイン!!!
ーーーシュウウウウゥゥゥゥ……。
それを投げて俺の斬撃に当てると、両方とも霧散した。
「大人しく切り裂かれようよ」
「あなたのしつこい性格を表したような攻撃ですね」
エーギルは呆れたようにため息をついた。
「まぁ聞くまでもないけど、お前がエーギルだよね?」
男はニヤリと片頬で笑った。
「ええ。お初にお目に掛かります。ピッピンプンスカ教会のエーギルと申します。以後、お見知りおきを」
片手を曲げる紳士風の挨拶をしてみせる。
「怪物ウニ使って随分信者集めたみたいじゃないの。おかげで帝国とも仲良くやってるとか」
「いやいや、人聞きの悪い。信者の皆さんはペペン神のお導きでここに集まっているに過ぎません。私は同じくペペン神を崇める者同士の憩いの場を提供しているだけです」
「洗脳できない場合は殺しまでやらせようとしたくせによく言うぜ」
「あなたは……サンプル③ではありませんか。4Fに繋いでおいたはずですが」
「あんな豆腐そうめんみてぇな弱っちい鎖なんて、軽く力入れたら千切れちまったよ」
「思いっきり恨み言吐き出しながら繋がれてたけどな」
エーギルは一瞬考え込んだが、すぐに笑顔に戻った。
「まぁいいでしょう。結局、特定の命令以外は洗脳できていたわけですし。それよりも面白いサンプルが手に入りましたしね。ククク……」
「あ?面白いサンプル?」
俺は嫌な予感がして聞き返す。
「ククク。先ほどこちらにいらした女性2人です。……そこの醜い蜘蛛がバラそうとしたので首を刎ねる予定でしたが、もはや隠す必要も無くなりました」
そう言うと、エーギルは空間に巨大ポーポーを出現させ、魔法液晶で映像を映し出した。
そこに映っていたのはーーー。
両手両足を椅子に縛られてうな垂れる、メイジーの姿だった。
(こいつが……エーギルか?)
ーーーブッワッ……!!
「ぐっ……!」
「ぐうわっ!!」
ジョウチンとカトリーナが小さく叫んだその瞬間、瘴気だろうか、嫌なオーラが俺たちの体を包み込んだ。
(ちっ……こいつは……)
異空間から出てきた男はその場で何やら唱えると、足元に魔法陣が出て空中に留まった。
「プーチュープでは見ていましたが……。その身のこなし、只者ではないですね。魔王級モンスターでないことは確かですが」
「……ああ。動画よりイケメンだからビックリしたんだろ」
「いいえ。思ったより弱そうで安心しました。もちろん、思ったよりブ男であるとも思いました」
「はい即、●すぅー!喰らえ!!『最強風登場後、あっさり即死ブレード』!!!」
俺はエネルギーを溜めた腕を思いっきり振りかぶり、エーギルに向けて全力で斬撃を飛ばした。
「ほう、これが『無属性』の魔法ですか」
エーギルは左手に魔力を溜めて何やら唱えると、魔法シールドのようなものを展開し、防御した。
ガリガリガリガリ……!!!
俺の斬撃と魔法シールドがぶつかり合う金属音のような音が響く。
「小賢しいですね……!ふん!」
エーギルが魔力を解き放つと、さらに盾の厚みが出た。
ガリガリガリガリ……!!!
ガリガリガリガリ……!!!
ガリガリ……!!!
ガリ……ガリ……!!
ガリ……!!
ガ……!
ガリガリガリガリガリガリ……!!!
「いや、しつこい斬撃ですね!!早く消えなさいよ!!なんなんですかそれは!!」
「イケメンじゃないと言った者を切り裂くまで止まらないぜ!」
「めんどくさい技ですね!」
右手に魔力を集め、先ほどの黒槍が現れる。
「ほら!消えなさい!」
ーーーガギィィィィィィイイイン!!!
ーーーシュウウウウゥゥゥゥ……。
それを投げて俺の斬撃に当てると、両方とも霧散した。
「大人しく切り裂かれようよ」
「あなたのしつこい性格を表したような攻撃ですね」
エーギルは呆れたようにため息をついた。
「まぁ聞くまでもないけど、お前がエーギルだよね?」
男はニヤリと片頬で笑った。
「ええ。お初にお目に掛かります。ピッピンプンスカ教会のエーギルと申します。以後、お見知りおきを」
片手を曲げる紳士風の挨拶をしてみせる。
「怪物ウニ使って随分信者集めたみたいじゃないの。おかげで帝国とも仲良くやってるとか」
「いやいや、人聞きの悪い。信者の皆さんはペペン神のお導きでここに集まっているに過ぎません。私は同じくペペン神を崇める者同士の憩いの場を提供しているだけです」
「洗脳できない場合は殺しまでやらせようとしたくせによく言うぜ」
「あなたは……サンプル③ではありませんか。4Fに繋いでおいたはずですが」
「あんな豆腐そうめんみてぇな弱っちい鎖なんて、軽く力入れたら千切れちまったよ」
「思いっきり恨み言吐き出しながら繋がれてたけどな」
エーギルは一瞬考え込んだが、すぐに笑顔に戻った。
「まぁいいでしょう。結局、特定の命令以外は洗脳できていたわけですし。それよりも面白いサンプルが手に入りましたしね。ククク……」
「あ?面白いサンプル?」
俺は嫌な予感がして聞き返す。
「ククク。先ほどこちらにいらした女性2人です。……そこの醜い蜘蛛がバラそうとしたので首を刎ねる予定でしたが、もはや隠す必要も無くなりました」
そう言うと、エーギルは空間に巨大ポーポーを出現させ、魔法液晶で映像を映し出した。
そこに映っていたのはーーー。
両手両足を椅子に縛られてうな垂れる、メイジーの姿だった。
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