47 / 146
サタン@異世界編PART1
父親を探す少年と交わした"約束"
しおりを挟む
「皆さんどうも、こんにちは!『カトサタンおんえあ』のカトちゃんと」
「誰か俺を殺しておくれよーー!!不死身のサタちゃんと~~?」
素人の少年に対して無茶ブリ過ぎる動画の入りを強要し、ニヤニヤしながらトスする。
「バンバン!ハロープーチュープ。どうも!!ローエングリンです!」
「挨拶あるんかい!」
「しかも名前カッコよすぎだろ」
敬礼のようなポーズをキメてカッコつける少年に思わずツッコむ。
「おい!お前、さっき動画に出ると個人情報がどうのとか抜かしてたよな。なにさりげなく入りの挨拶キメてんだよ」
「い、いや、動画クリエイターになったらこの挨拶やりたいと思ってて……」
「そこまで考えてるなら個人情報とかガタガタ言ってんじゃねーよ!!」
ローエングリンは舌を出しておどけてみせた。
「はい、カトちゃん。進行進行」
「あ、そうだった!……はい!ということで、今回は『ピッピンプンスカ教会の闇を暴いてみた!』の企画で新しい情報が入ったので緊急で動画を回してます」
「新展開ありましたね~」
俺はいつも通り適当に相槌を打つ。
「それがなんと、彼、ローエングリン君のお父さんが、ある日おかしくなって、ピッピンプンスカ教会に向かった、という情報です。それについて語ってもらえるかな?」
カトリーナはポーポー公爵を向けると、ローエングリンは語り出した。
父親がおかしくなった原因の怪物ウニの話、その後狂ったように『ぺぺン』としか言わなくなったこと。
そして何も言わずに教会へ向かったこと。
さらに今飲食店で信者らしき怪物ウニ中毒者に襲われたこと。
全て動画に向けて語ってくれた。
「……ということなのです。だから、我々はピッピンプンスカ教会への疑念をより強めました。そして、数日後には今回のことも含め、教会へインタビューしようと思っています」
「色々聞いてみたいですね~」
「そして、彼のお父さんもついで……いや、しっかり探し出して、彼の元に帰るよう説得したいと思います」
「帰らせましょう」
「では、また続報があり次第、お届けしたいと思います!それでは皆さん、行きますよ~?」
カトリーナと俺、ローエングリンもほっぺを膨らませて怒った表情になる。
「最初はプンプン!じゃんけんポイッ!」
ポーポー公爵に向けてチョキを出して固まる3人。
「バァーイ」
「「いや、お前が締めるんかい!」」
俺とカトリーナはローエングリンに思いっきりツッコんだ。
その後、俺たちはピッピンプンスカ教会のあるペペロニアへ向かうべく、場所に乗り込んでいた。
「サ、サタンさん!父ちゃんをよろしくね!お、俺、待ってるから!」
ローエングリンが馬車の横からこちらに叫ぶ。
「ま、約束はできんが善処する」
俺はぶっきらぼうに答えると、ローエングリンは涙目で俯いた。
まだ10歳そこそこの少年が、唯一の肉親である父親に家出されたのだ。
不安でないはずがなかった。
それを明るく振る舞ってひた隠していたのだろうか。
今の少年の肩はとても弱々しく見えた。
「サタン」
「ちっ。わかったよ。……ローエングリン。必ず親父は連れ帰ってやる。約束だ。だからメソメソすんな」
「う、うん!!」
ローエングリンは涙を拭いながら俺たちに笑顔を見せた。
そして馬車は動き出す。
「じゃあな」
「ローエングリン!またね!」
「ごきげんよう」
「またな。少年」
それぞれが馬車から顔を出して挨拶する。
それに対して、ローエングリンも大きな声で挨拶してくれた。
「バァーイ」
「もうええわ」
ピッピンプンスカ教会の闇を暴くべく、俺たちはペペロニアへ向かった。
「誰か俺を殺しておくれよーー!!不死身のサタちゃんと~~?」
素人の少年に対して無茶ブリ過ぎる動画の入りを強要し、ニヤニヤしながらトスする。
「バンバン!ハロープーチュープ。どうも!!ローエングリンです!」
「挨拶あるんかい!」
「しかも名前カッコよすぎだろ」
敬礼のようなポーズをキメてカッコつける少年に思わずツッコむ。
「おい!お前、さっき動画に出ると個人情報がどうのとか抜かしてたよな。なにさりげなく入りの挨拶キメてんだよ」
「い、いや、動画クリエイターになったらこの挨拶やりたいと思ってて……」
「そこまで考えてるなら個人情報とかガタガタ言ってんじゃねーよ!!」
ローエングリンは舌を出しておどけてみせた。
「はい、カトちゃん。進行進行」
「あ、そうだった!……はい!ということで、今回は『ピッピンプンスカ教会の闇を暴いてみた!』の企画で新しい情報が入ったので緊急で動画を回してます」
「新展開ありましたね~」
俺はいつも通り適当に相槌を打つ。
「それがなんと、彼、ローエングリン君のお父さんが、ある日おかしくなって、ピッピンプンスカ教会に向かった、という情報です。それについて語ってもらえるかな?」
カトリーナはポーポー公爵を向けると、ローエングリンは語り出した。
父親がおかしくなった原因の怪物ウニの話、その後狂ったように『ぺぺン』としか言わなくなったこと。
そして何も言わずに教会へ向かったこと。
さらに今飲食店で信者らしき怪物ウニ中毒者に襲われたこと。
全て動画に向けて語ってくれた。
「……ということなのです。だから、我々はピッピンプンスカ教会への疑念をより強めました。そして、数日後には今回のことも含め、教会へインタビューしようと思っています」
「色々聞いてみたいですね~」
「そして、彼のお父さんもついで……いや、しっかり探し出して、彼の元に帰るよう説得したいと思います」
「帰らせましょう」
「では、また続報があり次第、お届けしたいと思います!それでは皆さん、行きますよ~?」
カトリーナと俺、ローエングリンもほっぺを膨らませて怒った表情になる。
「最初はプンプン!じゃんけんポイッ!」
ポーポー公爵に向けてチョキを出して固まる3人。
「バァーイ」
「「いや、お前が締めるんかい!」」
俺とカトリーナはローエングリンに思いっきりツッコんだ。
その後、俺たちはピッピンプンスカ教会のあるペペロニアへ向かうべく、場所に乗り込んでいた。
「サ、サタンさん!父ちゃんをよろしくね!お、俺、待ってるから!」
ローエングリンが馬車の横からこちらに叫ぶ。
「ま、約束はできんが善処する」
俺はぶっきらぼうに答えると、ローエングリンは涙目で俯いた。
まだ10歳そこそこの少年が、唯一の肉親である父親に家出されたのだ。
不安でないはずがなかった。
それを明るく振る舞ってひた隠していたのだろうか。
今の少年の肩はとても弱々しく見えた。
「サタン」
「ちっ。わかったよ。……ローエングリン。必ず親父は連れ帰ってやる。約束だ。だからメソメソすんな」
「う、うん!!」
ローエングリンは涙を拭いながら俺たちに笑顔を見せた。
そして馬車は動き出す。
「じゃあな」
「ローエングリン!またね!」
「ごきげんよう」
「またな。少年」
それぞれが馬車から顔を出して挨拶する。
それに対して、ローエングリンも大きな声で挨拶してくれた。
「バァーイ」
「もうええわ」
ピッピンプンスカ教会の闇を暴くべく、俺たちはペペロニアへ向かった。
0
お気に入りに追加
24
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
【完結160万pt】王太子妃に決定している公爵令嬢の婚約者はまだ決まっておりません。王位継承権放棄を狙う王子はついでに側近を叩き直したい
宇水涼麻
恋愛
ピンク髪ピンク瞳の少女が王城の食堂で叫んだ。
「エーティル様っ! ラオルド様の自由にしてあげてくださいっ!」
呼び止められたエーティルは未来の王太子妃に決定している公爵令嬢である。
王太子と王太子妃となる令嬢の婚約は簡単に解消できるとは思えないが、エーティルはラオルドと婚姻しないことを軽く了承する。
その意味することとは?
慌てて現れたラオルド第一王子との関係は?
なぜこのような状況になったのだろうか?
ご指摘いただき一部変更いたしました。
みなさまのご指摘、誤字脱字修正で読みやすい小説になっていっております。
今後ともよろしくお願いします。
たくさんのお気に入り嬉しいです!
大変励みになります。
ありがとうございます。
おかげさまで160万pt達成!
↓これよりネタバレあらすじ
第一王子の婚約解消を高らかに願い出たピンクさんはムーガの部下であった。
親類から王太子になることを強要され辟易しているが非情になれないラオルドにエーティルとムーガが手を差し伸べて王太子権放棄をするために仕組んだのだ。
ただの作戦だと思っていたムーガであったがいつの間にかラオルドとピンクさんは心を通わせていた。
召喚アラサー女~ 自由に生きています!
マツユキ
ファンタジー
異世界に召喚された海藤美奈子32才。召喚されたものの、牢屋行きとなってしまう。
牢から出た美奈子は、冒険者となる。助け、助けられながら信頼できる仲間を得て行く美奈子。地球で大好きだった事もしつつ、異世界でも自由に生きる美奈子
信頼できる仲間と共に、異世界で奮闘する。
初めは一人だった美奈子のの周りには、いつの間にか仲間が集まって行き、家が村に、村が街にとどんどんと大きくなっていくのだった
***
異世界でも元の世界で出来ていた事をやっています。苦手、または気に入らないと言うかたは読まれない方が良いかと思います
かなりの無茶振りと、作者の妄想で出来たあり得ない魔法や設定が出てきます。こちらも抵抗のある方は読まれない方が良いかと思います
蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる
フルーツパフェ
大衆娯楽
転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。
一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。
そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!
寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。
――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです
そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。
大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。
相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。
45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる
よっしぃ
ファンタジー
2月26日から29日現在まで4日間、アルファポリスのファンタジー部門1位達成!感謝です!
小説家になろうでも10位獲得しました!
そして、カクヨムでもランクイン中です!
●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●
スキルを強奪する為に異世界召喚を実行した欲望まみれの権力者から逃げるおっさん。
いつものように電車通勤をしていたわけだが、気が付けばまさかの異世界召喚に巻き込まれる。
欲望者から逃げ切って反撃をするか、隠れて地味に暮らすか・・・・
●●●●●●●●●●●●●●●
小説家になろうで執筆中の作品です。
アルファポリス、、カクヨムでも公開中です。
現在見直し作業中です。
変換ミス、打ちミス等が多い作品です。申し訳ありません。
旦那様、私は全てを知っているのですよ?
やぎや
恋愛
私の愛しい旦那様が、一緒にお茶をしようと誘ってくださいました。
普段食事も一緒にしないような仲ですのに、珍しいこと。
私はそれに応じました。
テラスへと行き、旦那様が引いてくださった椅子に座って、ティーセットを誰かが持ってきてくれるのを待ちました。
旦那がお話しするのは、日常のたわいもないこと。
………でも、旦那様? 脂汗をかいていましてよ……?
それに、可笑しな表情をしていらっしゃるわ。
私は侍女がティーセットを運んできた時、なぜ旦那様が可笑しな様子なのか、全てに気がつきました。
その侍女は、私が嫁入りする際についてきてもらった侍女。
ーーー旦那様と恋仲だと、噂されている、私の専属侍女。
旦那様はいつも菓子に手を付けませんので、大方私の好きな甘い菓子に毒でも入ってあるのでしょう。
…………それほどまでに、この子に入れ込んでいるのね。
馬鹿な旦那様。
でも、もう、いいわ……。
私は旦那様を愛しているから、騙されてあげる。
そうして私は菓子を口に入れた。
R15は保険です。
小説家になろう様にも投稿しております。
ごめんみんな先に異世界行ってるよ1年後また会おう
味噌汁食べれる
ファンタジー
主人公佐藤 翔太はクラスみんなより1年も早く異世界に、行ってしまう。みんなよりも1年早く異世界に行ってしまうそして転移場所は、世界樹で最強スキルを実でゲット?スキルを奪いながら最強へ、そして勇者召喚、それは、クラスのみんなだった。クラスのみんなが頑張っているときに、主人公は、自由気ままに生きていく
転生貴族のハーレムチート生活 【400万ポイント突破】
ゼクト
ファンタジー
ファンタジー大賞に応募中です。 ぜひ投票お願いします
ある日、神崎優斗は川でおぼれているおばあちゃんを助けようとして川の中にある岩にあたりおばあちゃんは助けられたが死んでしまったそれをたまたま地球を見ていた創造神が転生をさせてくれることになりいろいろな神の加護をもらい今貴族の子として転生するのであった
【不定期になると思います まだはじめたばかりなのでアドバイスなどどんどんコメントしてください。ノベルバ、小説家になろう、カクヨムにも同じ作品を投稿しているので、気が向いたら、そちらもお願いします。
累計400万ポイント突破しました。
応援ありがとうございます。】
ツイッター始めました→ゼクト @VEUu26CiB0OpjtL
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる