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サタン@異世界編PART1
埋め込まれるとヤバい"魔王の芽"
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「海の中は水と酸素がありますが、その酸素だけ集めて体の周りを覆います。一定時間は呼吸もできますし、海中で動けますわ」
「え、じゃあ濡れたり磯臭くならずに済むってこと?」
「え、ええ」
俺が気にしてるポイントに若干呆れながらメイジーがコクリと頷く。
「じゃあ頼む。やってくれ」
「はい」
そう言うと、メイジーの周りに水色の魔法陣が現れる。
「……水の中歩けるヤツ!!」
メイジーが手をかざすと俺とメイジーの体に薄い空気の膜が張り、全身を覆った。
「魔法の名前ダサッ!」
「べ、別にいいでしょう!さ、これで動けますわよ」
「いや、でも、これ俺だけじゃなくてあんたも入ってない?」
膜が張っているメイジーに向かって問いかける。
「ええ。ここまで来たら見届けますわ。あのデカくてイカ臭い奴の最期を」
豚野郎を罵るかのような勢いで、メイジーは目を光らせた。
俺はメイジーと共に、海の中へ潜っていく。
海面近くはまだ明るいが、イカがいるのはもう少し下のため、もう少し潜ったら視界も悪くなりそうだった。
「それにしても『海の中潜れるヤツ』ってあんたの魔法すごいな。助かった」
俺は体を覆う膜を見ながら素直にお礼を言った。
「『水の中歩けるヤツ』です。二度と間違えないで」
「どっちでもええわ」
そんなやり取りをしながら深海に潜っていくと、ついにイカを射程圏内に捉えた。
「改めて見ると……デカッ!」
目の前に戦艦のようなサイズのイカがいる。
「お、大きいですわ……。これはもしや……」
「………?」
メイジーが目を見開いて言った。
「ギガントプラーケンかもしれないですわ」
「ギガント……?」
メイジーは語り始めた。
「ええ。"ギガントモンスター"という魔物がいるのはご存知ですか?」
「ああ。デカいやつね」
俺はこの前倒したカニのことを思い浮かべた。
「世界各地には不特定のモンスターが巨大化する事例が多く報告されています」
「そうなんだ」
「ええ。どのモンスターとは決まっていないのですが、ある日突然巨大化するそうです。そして……」
「そして?」
「その体の中には"魔王の芽"が埋められていると……」
「"魔王の芽"?」
俺は耳障りの悪い言葉に思わず聞き返した。
「はい。その芽を何かの拍子に魔物が取り込むと、巨大化したり凶暴化したりするそうなのです」
「なんだそれ」
「それ自体がどういうものかはわかりませんが、とにかく危険なもののようです。ですが、見た目は水晶のように美しいとも言われており、魔物すら惹かれてしまうとか」
俺はカニをぶった斬った時に落ちた水晶のようなものを思い出した。
「げ……それって……」
俺は懐からテニスボール大の"ソレ"を取り出した。
見た目は確かに美しいが、"魔王の芽"と言われてから見ると途端に気持ち悪くなった。
「あ、あの……それは……?」
「あ、ああ。すまん。これ、ギガントクラブっていうデカいカニを倒したら出てきた玉なんだ」
そう言ってメイジーに近づけた。
「きゃっ……?!これは……!!これはヤバいやつですわ!!あなた、よく持っていられますわね!」
そう言うとメイジーは海中で俺と距離を取った。
「え、なんで?」
俺は腕を伸ばし、玉を前に出してメイジーに近づく。
「こ、来ないで下さいませ!!そんな邪悪な魔法力がむんむんの物、見たことありませんわ……!!」
明らかに俺から逃げ出すメイジー。
俺は話を聞いてもらおうとイケメン風に追いかける。
「おい!ちょ待てよ!」
「きゃぁああああ!!来ないでぇええええ!!」
「ちょ待てよ!」
イカの真横で追いかけっこをする2人。
しかし、そんなことをイカが黙ってみているはずはなかった。
その瞬間、イカの眼が俺たちを捕捉した。
「え、じゃあ濡れたり磯臭くならずに済むってこと?」
「え、ええ」
俺が気にしてるポイントに若干呆れながらメイジーがコクリと頷く。
「じゃあ頼む。やってくれ」
「はい」
そう言うと、メイジーの周りに水色の魔法陣が現れる。
「……水の中歩けるヤツ!!」
メイジーが手をかざすと俺とメイジーの体に薄い空気の膜が張り、全身を覆った。
「魔法の名前ダサッ!」
「べ、別にいいでしょう!さ、これで動けますわよ」
「いや、でも、これ俺だけじゃなくてあんたも入ってない?」
膜が張っているメイジーに向かって問いかける。
「ええ。ここまで来たら見届けますわ。あのデカくてイカ臭い奴の最期を」
豚野郎を罵るかのような勢いで、メイジーは目を光らせた。
俺はメイジーと共に、海の中へ潜っていく。
海面近くはまだ明るいが、イカがいるのはもう少し下のため、もう少し潜ったら視界も悪くなりそうだった。
「それにしても『海の中潜れるヤツ』ってあんたの魔法すごいな。助かった」
俺は体を覆う膜を見ながら素直にお礼を言った。
「『水の中歩けるヤツ』です。二度と間違えないで」
「どっちでもええわ」
そんなやり取りをしながら深海に潜っていくと、ついにイカを射程圏内に捉えた。
「改めて見ると……デカッ!」
目の前に戦艦のようなサイズのイカがいる。
「お、大きいですわ……。これはもしや……」
「………?」
メイジーが目を見開いて言った。
「ギガントプラーケンかもしれないですわ」
「ギガント……?」
メイジーは語り始めた。
「ええ。"ギガントモンスター"という魔物がいるのはご存知ですか?」
「ああ。デカいやつね」
俺はこの前倒したカニのことを思い浮かべた。
「世界各地には不特定のモンスターが巨大化する事例が多く報告されています」
「そうなんだ」
「ええ。どのモンスターとは決まっていないのですが、ある日突然巨大化するそうです。そして……」
「そして?」
「その体の中には"魔王の芽"が埋められていると……」
「"魔王の芽"?」
俺は耳障りの悪い言葉に思わず聞き返した。
「はい。その芽を何かの拍子に魔物が取り込むと、巨大化したり凶暴化したりするそうなのです」
「なんだそれ」
「それ自体がどういうものかはわかりませんが、とにかく危険なもののようです。ですが、見た目は水晶のように美しいとも言われており、魔物すら惹かれてしまうとか」
俺はカニをぶった斬った時に落ちた水晶のようなものを思い出した。
「げ……それって……」
俺は懐からテニスボール大の"ソレ"を取り出した。
見た目は確かに美しいが、"魔王の芽"と言われてから見ると途端に気持ち悪くなった。
「あ、あの……それは……?」
「あ、ああ。すまん。これ、ギガントクラブっていうデカいカニを倒したら出てきた玉なんだ」
そう言ってメイジーに近づけた。
「きゃっ……?!これは……!!これはヤバいやつですわ!!あなた、よく持っていられますわね!」
そう言うとメイジーは海中で俺と距離を取った。
「え、なんで?」
俺は腕を伸ばし、玉を前に出してメイジーに近づく。
「こ、来ないで下さいませ!!そんな邪悪な魔法力がむんむんの物、見たことありませんわ……!!」
明らかに俺から逃げ出すメイジー。
俺は話を聞いてもらおうとイケメン風に追いかける。
「おい!ちょ待てよ!」
「きゃぁああああ!!来ないでぇええええ!!」
「ちょ待てよ!」
イカの真横で追いかけっこをする2人。
しかし、そんなことをイカが黙ってみているはずはなかった。
その瞬間、イカの眼が俺たちを捕捉した。
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