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井口泰平 編
飲み会で目上の人より先におしっこなんて行こうものなら
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18時50分。
歩いていると、ただ黙って立っているよりも少しは楽だった。
ーーーここに着くまでは。
「最近ここができてね。あんまりこういう店は好きじゃなかったんだけど、一回入ってみたら意外とハマっちゃってさ」
「行ってみたいとは思っていたんです!なかなかひとりだと行く機会が無くて。いやぁ嬉しいなぁ!」
最近の戸崎が気に入っている店。その名も『銀だこ&ハイボール酒場』。
元々は路上販売を専門にしていた店で、売りは何種類もあるバリエーション豊富なタコ焼き。
外はカリカリ、中はフワフワで噛むとプチプチと弾けるタコが心地いい。
そのタコ焼きをつまみにハイボールを飲める、ここ最近人気のチェーンだ。
「さ、乾杯しよう。立ち飲みもたまには良いでしょ」
「最高です。やっぱりサラリーマンはこれでないと」
(なんで座れないんだよ!!!)
「お疲れ様です!」
カチン、とジョッキを合わせる音が鳴り響いた。
22時40分。
「で、僕はその時、それがなんだ!って社長に言ってやったんだよ。それはやる気がないだけだろ!って。今まで上に楯突く奴なんていなかったから驚かれたなぁ」
「いや~、すごいなぁ!さすがですね!上に楯突くなんて僕には絶対無理ですよ~ははは」
(あぁぁああぁ!もうつまらないつまらないつまらない!足痛い足痛い足痛い!ってか立ち飲みでどんだけ飲み続けるんだよ!)
酒で多少は紛れるものの、足の疲労感はとうに限界を超えていた。
「特に昔は縦社会だったからね。上には常に敬意を払って接しなければならなかった。こういう飲みの席でも上より先にトイレなんて行こうものなら後からものすごく先輩に怒られたなぁ」
「そうですよねー。今では考えられない時代だったとよくうちの上司も言ってます」
「けど、その時代のそういう風習があったから全体がピリッとしていたし、業績も良かったんだよなぁ。だから僕はそういうのは大切にしていきたいね」
(トイレも行きたいよー!!!)
歩いていると、ただ黙って立っているよりも少しは楽だった。
ーーーここに着くまでは。
「最近ここができてね。あんまりこういう店は好きじゃなかったんだけど、一回入ってみたら意外とハマっちゃってさ」
「行ってみたいとは思っていたんです!なかなかひとりだと行く機会が無くて。いやぁ嬉しいなぁ!」
最近の戸崎が気に入っている店。その名も『銀だこ&ハイボール酒場』。
元々は路上販売を専門にしていた店で、売りは何種類もあるバリエーション豊富なタコ焼き。
外はカリカリ、中はフワフワで噛むとプチプチと弾けるタコが心地いい。
そのタコ焼きをつまみにハイボールを飲める、ここ最近人気のチェーンだ。
「さ、乾杯しよう。立ち飲みもたまには良いでしょ」
「最高です。やっぱりサラリーマンはこれでないと」
(なんで座れないんだよ!!!)
「お疲れ様です!」
カチン、とジョッキを合わせる音が鳴り響いた。
22時40分。
「で、僕はその時、それがなんだ!って社長に言ってやったんだよ。それはやる気がないだけだろ!って。今まで上に楯突く奴なんていなかったから驚かれたなぁ」
「いや~、すごいなぁ!さすがですね!上に楯突くなんて僕には絶対無理ですよ~ははは」
(あぁぁああぁ!もうつまらないつまらないつまらない!足痛い足痛い足痛い!ってか立ち飲みでどんだけ飲み続けるんだよ!)
酒で多少は紛れるものの、足の疲労感はとうに限界を超えていた。
「特に昔は縦社会だったからね。上には常に敬意を払って接しなければならなかった。こういう飲みの席でも上より先にトイレなんて行こうものなら後からものすごく先輩に怒られたなぁ」
「そうですよねー。今では考えられない時代だったとよくうちの上司も言ってます」
「けど、その時代のそういう風習があったから全体がピリッとしていたし、業績も良かったんだよなぁ。だから僕はそういうのは大切にしていきたいね」
(トイレも行きたいよー!!!)
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