7 / 29
私が愛したアサシンドクター
エピローグ 最期の愛の営み
しおりを挟む
ドアの鍵を開け、彼らは彼の自宅に入った。
随分と激しい戦いをしたためか、汗がだいぶ滲んでいた。彼はシーナに先に自分がシャワーを浴びるから、心の準備をしておくように促した。
「すまないが、先にシャワーを浴びさせてもらうよ。こんな汗臭い身体で、君を抱くのは気が引ける」
とシャワールームへと姿を消したエリオット。左腕を動かした影響か先程から激痛が走っている。気がつくと包帯に彼の血が滲んでいた。
すぐにシャワーで傷口を洗って、消毒液をかけ、化膿を防いだ。あまりの激痛がシャワールームにいる彼をその場で座らせる。
「しばらく……本当に左腕は使えないな……。動かすだけで激痛が走る…!だが、せめて今夜だけは使わせてくれ……頼む」
左腕を抑えて喘ぐように痛みと戦う彼の姿がシャワールームにあった。
彼女は、シーナは、彼がいつも寝ているベッドを見た。キングサイズの黒に近い灰色のシーツが印象的だった。照明は薄暗い。
彼女は黒づくめの服を着ていた。足に穿いていた黒いストッキングを外す。そこに彼が寝室に、黒いシャツを着て現れた…。
「待たせたね…。今夜はここは君のベッドだ。君はどういう風に抱いてほしい?」
「あの、これを使ってください……」
「ストッキング…?今さっき外したものだよね…?」
「私が絶頂に上がったら、それで首を絞めて殺してください…」
「死を選ぶというのか」
「せめて、理由を聞かせてくれるかな……?身体を交えながら、君を抱きながら、聞きたい」
彼が自らシャツを脱いだ。黒いズボンのみになる。彼女は仰向けに寝て、そこに彼が覆いかぶさるように膝を立て優しく見つめた。
そして、彼は徐々にシーナを抱き始める。目を閉じて体重を彼女の身体に預けるように倒れ込み、そして首筋を舐める。
そして、彼女が何故、彼に固執するのか、語られた。
「私…初めて先生にあった時から……好きでした。とても親切だし……患者のことをけして見捨てない態度で……憧れていた…。毎日のように…あなたの顔が見たい…。でも、あなたは医師…。それは無理なのはわかっていた……」
シーナの話の最中、彼はシーナの服を脱がして、あらゆる性感帯を刺激していた。沈黙を守って、ただ精一杯の愛情を込めて、舌を這わす。
「そして、噂であなたがあの”アサシンドクター”であることを知った……。最初に依頼したのは……本当に憎い女だった。自分の美しさに酔って、大事なあの人を寝取って……!」
「それは、間違いない復讐の暗殺だったんだね」
「そして……あなたが最後の報酬として要求したセックスが……最高に気持ち良かった…!本当は嬉しかった……!あんなふうに情熱的に求めてくれて……でもキスをくれなかった」
「知っている……」
彼はふくらみを責めて、薄紅色の乳首を口に含んで、自らの唾液を絡める。噛んで、吸って、舐めて、吸う。
「あなたの虜になった瞬間だった……。2回目の契約まで……実は身体を売って、工面したんです……あのお金」
「2回目は君の大事な男だった。何故、標的を彼にしたの?」
「こんな……汚れた私を彼は黙って愛してくれた。それが……悲しかった。だから……せめてあの世でもう苦しまないでほしいと思った……。その時でした……。私も死のうと思ったのは」
「……3回目のアニーを標的にしたのは、当てつけだったんだね。俺への」
その言葉を口にする頃には舌はおへそから下半身へと伸びている。そして、彼女の望む花びらが濡れている場所を舌で愛する。
「悔しかった。いつもアニーさんと通勤路を楽しそうに歩いている姿を見て……。本当にアニーさんは嬉しそうに歩いていた……。あなたも嬉しそうに笑って……あの時のセックスでは絶対見せない顔だったから……」
「それは…油断していたな。足の指も舐めるよ…」
「そこは汚い……」
「汚くないさ……話を続けて……」
「どうしたら……あなたに振り向いてもらえるか……身体を売りながら考えました……。でも結論は出ていた……」
「既に死を選んでいたからだよね」
「はい……!そんな……気持ちいいです、そこっ……!」
「足の甲が性感帯だったんだ……。今更な発見だね。ここを舐めてあげるよ。せめて」
「結局……私は……何の為に生きていたのかな……。恋人を殺して、憎い女を復讐して、自分は男に金で抱かれて……」
「なら、せめて、俺が君を苦しまないように、殺してあげる……俺個人として」
「だから……溺れるんだ。この生涯最期のこれに。俺も限界を超えてつながり続ける。せめて、君への罪滅ぼしとして」
彼が自らズボンを脱いで、下着も脱いだ。彼はそこを欲望でいきり立たせている。ベッドに散らばるように置かれた衣服。
彼がシーナの顔を見つめて、己を鈍く深く貫く。彼女の中は狂う程に待ち焦がれたように熱かった。
「さあ……いくよ。君が壊れるか、俺が壊れるか、勝負をしてみよう」
「はあん!あうん!凄い……エリオットさん!そんなに突かないで……壊れちゃうよ!」
「余計な枷を取り払って俺に溺れろ……生涯最後のセックスくらいは……!」
「そうじゃないと……このストッキングで首を絞めながら……突くぞ」
「そうして…!私を殺して……セックスの合間に……地獄へ行きたい」
「わかった」
黒いストッキングを手にした彼は思い切り首を結んで、ぐいぐい端を引っ張りながら、首を絞める。花びらが収縮して何倍もの快感が彼の脳に届いた。
「あうっ…!くううっ…!」
「もっといこうか」
「い、息が……!」
「それくらいでは死なないな……!情けを捨てるしかない」
「あううっ!!」
もっと激しく首を絞める。彼女が喘ぐように、最期の言葉を絞り出す…。
「愛している……!わ……私が愛した……アサシンドクター…エリオット・レム……」
その言葉を聞いた彼は不意に力を緩めると、彼女の乱れた髪を顔からどけて……瞳を覗き込み、深い口づけをした。
「そ……そんな……ずるい……よ、エリオット……さ……ん」
そして首を絞めて彼女は事切れた。望んだ形で、彼女もアサシンドクターに、殺されて安らかに逝った…。
花びらからはもう……熱は帯びていない。
最後に彼は漆黒のシャツを喪服代わりにして、近くの丁度、桜が咲く木へと向かい、抱き上げて、向かった。
深い穴を掘り……人間が収まる穴を掘った後、そこに彼女を埋葬した。
彼の目には涙が一筋、流れる。そして、また土をかぶせ始める。そうして最後は彼なりに神へ祈り、せめて地獄より天国へ向かって欲しいものだと祈りを捧げた。
「もうすぐ……この桜も咲く頃かな……」
毎年春になると、その桜は桁違いの綺麗な花を咲かせる。それはジオニックシティで話題になるほどの綺麗な桜だ。
その桜の美しい理由を、この庭の持ち主である彼はけして誰にも語らない。
そして、今日も、その桜は、美しい花を咲かせて、春の風に吹かれると、儚く散っていった。この世界に儚く散った女性のように。
THE END
随分と激しい戦いをしたためか、汗がだいぶ滲んでいた。彼はシーナに先に自分がシャワーを浴びるから、心の準備をしておくように促した。
「すまないが、先にシャワーを浴びさせてもらうよ。こんな汗臭い身体で、君を抱くのは気が引ける」
とシャワールームへと姿を消したエリオット。左腕を動かした影響か先程から激痛が走っている。気がつくと包帯に彼の血が滲んでいた。
すぐにシャワーで傷口を洗って、消毒液をかけ、化膿を防いだ。あまりの激痛がシャワールームにいる彼をその場で座らせる。
「しばらく……本当に左腕は使えないな……。動かすだけで激痛が走る…!だが、せめて今夜だけは使わせてくれ……頼む」
左腕を抑えて喘ぐように痛みと戦う彼の姿がシャワールームにあった。
彼女は、シーナは、彼がいつも寝ているベッドを見た。キングサイズの黒に近い灰色のシーツが印象的だった。照明は薄暗い。
彼女は黒づくめの服を着ていた。足に穿いていた黒いストッキングを外す。そこに彼が寝室に、黒いシャツを着て現れた…。
「待たせたね…。今夜はここは君のベッドだ。君はどういう風に抱いてほしい?」
「あの、これを使ってください……」
「ストッキング…?今さっき外したものだよね…?」
「私が絶頂に上がったら、それで首を絞めて殺してください…」
「死を選ぶというのか」
「せめて、理由を聞かせてくれるかな……?身体を交えながら、君を抱きながら、聞きたい」
彼が自らシャツを脱いだ。黒いズボンのみになる。彼女は仰向けに寝て、そこに彼が覆いかぶさるように膝を立て優しく見つめた。
そして、彼は徐々にシーナを抱き始める。目を閉じて体重を彼女の身体に預けるように倒れ込み、そして首筋を舐める。
そして、彼女が何故、彼に固執するのか、語られた。
「私…初めて先生にあった時から……好きでした。とても親切だし……患者のことをけして見捨てない態度で……憧れていた…。毎日のように…あなたの顔が見たい…。でも、あなたは医師…。それは無理なのはわかっていた……」
シーナの話の最中、彼はシーナの服を脱がして、あらゆる性感帯を刺激していた。沈黙を守って、ただ精一杯の愛情を込めて、舌を這わす。
「そして、噂であなたがあの”アサシンドクター”であることを知った……。最初に依頼したのは……本当に憎い女だった。自分の美しさに酔って、大事なあの人を寝取って……!」
「それは、間違いない復讐の暗殺だったんだね」
「そして……あなたが最後の報酬として要求したセックスが……最高に気持ち良かった…!本当は嬉しかった……!あんなふうに情熱的に求めてくれて……でもキスをくれなかった」
「知っている……」
彼はふくらみを責めて、薄紅色の乳首を口に含んで、自らの唾液を絡める。噛んで、吸って、舐めて、吸う。
「あなたの虜になった瞬間だった……。2回目の契約まで……実は身体を売って、工面したんです……あのお金」
「2回目は君の大事な男だった。何故、標的を彼にしたの?」
「こんな……汚れた私を彼は黙って愛してくれた。それが……悲しかった。だから……せめてあの世でもう苦しまないでほしいと思った……。その時でした……。私も死のうと思ったのは」
「……3回目のアニーを標的にしたのは、当てつけだったんだね。俺への」
その言葉を口にする頃には舌はおへそから下半身へと伸びている。そして、彼女の望む花びらが濡れている場所を舌で愛する。
「悔しかった。いつもアニーさんと通勤路を楽しそうに歩いている姿を見て……。本当にアニーさんは嬉しそうに歩いていた……。あなたも嬉しそうに笑って……あの時のセックスでは絶対見せない顔だったから……」
「それは…油断していたな。足の指も舐めるよ…」
「そこは汚い……」
「汚くないさ……話を続けて……」
「どうしたら……あなたに振り向いてもらえるか……身体を売りながら考えました……。でも結論は出ていた……」
「既に死を選んでいたからだよね」
「はい……!そんな……気持ちいいです、そこっ……!」
「足の甲が性感帯だったんだ……。今更な発見だね。ここを舐めてあげるよ。せめて」
「結局……私は……何の為に生きていたのかな……。恋人を殺して、憎い女を復讐して、自分は男に金で抱かれて……」
「なら、せめて、俺が君を苦しまないように、殺してあげる……俺個人として」
「だから……溺れるんだ。この生涯最期のこれに。俺も限界を超えてつながり続ける。せめて、君への罪滅ぼしとして」
彼が自らズボンを脱いで、下着も脱いだ。彼はそこを欲望でいきり立たせている。ベッドに散らばるように置かれた衣服。
彼がシーナの顔を見つめて、己を鈍く深く貫く。彼女の中は狂う程に待ち焦がれたように熱かった。
「さあ……いくよ。君が壊れるか、俺が壊れるか、勝負をしてみよう」
「はあん!あうん!凄い……エリオットさん!そんなに突かないで……壊れちゃうよ!」
「余計な枷を取り払って俺に溺れろ……生涯最後のセックスくらいは……!」
「そうじゃないと……このストッキングで首を絞めながら……突くぞ」
「そうして…!私を殺して……セックスの合間に……地獄へ行きたい」
「わかった」
黒いストッキングを手にした彼は思い切り首を結んで、ぐいぐい端を引っ張りながら、首を絞める。花びらが収縮して何倍もの快感が彼の脳に届いた。
「あうっ…!くううっ…!」
「もっといこうか」
「い、息が……!」
「それくらいでは死なないな……!情けを捨てるしかない」
「あううっ!!」
もっと激しく首を絞める。彼女が喘ぐように、最期の言葉を絞り出す…。
「愛している……!わ……私が愛した……アサシンドクター…エリオット・レム……」
その言葉を聞いた彼は不意に力を緩めると、彼女の乱れた髪を顔からどけて……瞳を覗き込み、深い口づけをした。
「そ……そんな……ずるい……よ、エリオット……さ……ん」
そして首を絞めて彼女は事切れた。望んだ形で、彼女もアサシンドクターに、殺されて安らかに逝った…。
花びらからはもう……熱は帯びていない。
最後に彼は漆黒のシャツを喪服代わりにして、近くの丁度、桜が咲く木へと向かい、抱き上げて、向かった。
深い穴を掘り……人間が収まる穴を掘った後、そこに彼女を埋葬した。
彼の目には涙が一筋、流れる。そして、また土をかぶせ始める。そうして最後は彼なりに神へ祈り、せめて地獄より天国へ向かって欲しいものだと祈りを捧げた。
「もうすぐ……この桜も咲く頃かな……」
毎年春になると、その桜は桁違いの綺麗な花を咲かせる。それはジオニックシティで話題になるほどの綺麗な桜だ。
その桜の美しい理由を、この庭の持ち主である彼はけして誰にも語らない。
そして、今日も、その桜は、美しい花を咲かせて、春の風に吹かれると、儚く散っていった。この世界に儚く散った女性のように。
THE END
0
お気に入りに追加
13
あなたにおすすめの小説
快楽のエチュード〜父娘〜
狭山雪菜
恋愛
眞下未映子は、実家で暮らす社会人だ。週に一度、ストレスがピークになると、夜中にヘッドフォンをつけて、AV鑑賞をしていたが、ある時誰かに見られているのに気がついてしまい……
父娘の禁断の関係を描いてますので、苦手な方はご注意ください。
月に一度の更新頻度です。基本的にはエッチしかしてないです。
こちらの作品は、「小説家になろう」でも掲載しております。
連れ子が中学生に成長して胸が膨らむ・・・1人での快感にも目覚て恥ずかしそうにベッドの上で寝る
マッキーの世界
大衆娯楽
連れ子が成長し、中学生になった。
思春期ということもあり、反抗的な態度をとられる。
だが、そんな反抗的な表情も妙に俺の心を捉えて離さない。
「ああ、抱きたい・・・」
妻がエロくて死にそうです
菅野鵜野
大衆娯楽
うだつの上がらないサラリーマンの士郎。だが、一つだけ自慢がある。
美しい妻、美佐子だ。同じ会社の上司にして、できる女で、日本人離れしたプロポーションを持つ。
こんな素敵な人が自分のようなフツーの男を選んだのには訳がある。
それは……
限度を知らない性欲モンスターを妻に持つ男の日常
女の子がいろいろされる話
ききょきょん
恋愛
女の子がいじめらたり、いじられたり色々される話です。
私の気分であげるので、性癖とか方向性はぐちゃぐちゃです、よろしくお願いします。
思いついたら載せてくゆるいやつです。。
籠の鳥の啼く、
おじょく
恋愛
高校一年生になったばかりの小鳥遊 千鶴は交通事故により両親を亡くしてしまう。
頼れる身寄りはいないと思っていたが、そんな千鶴の元に母親の兄である伯父が現れる。
「君が千鶴ちゃんだね。よかったらうちに来ないかい?」
他に頼れる人が居なかった千鶴は伯父に着いて行くことに。
伯父が経営しているという旅館でバイトをしながら過ごす事になった千鶴であったが、彼女はこの新しい生活によって伯父の狂った愛をその身に受ける事になる……。
ーーーーーーーーーー
伯父(40代男)×養女(16歳元JK)
兄妹の近親相姦を仄めかす表現があり、今後描写する可能性があります。
性描写があるタイトルには*がつけられており、冒頭に要素の注釈が入ります。
基本的にはレイプ、強姦、望まない性行為を取り扱っております。
本作そのような犯罪行為を助長する目的で書かれているものではありません。あくまで娯楽としての読み物としてお楽しみ下さい。
寝室から喘ぎ声が聞こえてきて震える私・・・ベッドの上で激しく絡む浮気女に復讐したい
白崎アイド
大衆娯楽
カチャッ。
私は静かに玄関のドアを開けて、足音を立てずに夫が寝ている寝室に向かって入っていく。
「あの人、私が
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる