恋愛ショートショート

いつも一緒にいる先輩

「あのさ、先輩。いつも一緒にいるけど、実はずっと気になっていたことがあるんだ」

私は病院の新人看護師で、先輩の医師と一緒に患者さんの診察にあたっている。彼は一流の医師でありながら、何故かいつもニコニコと笑顔を絶やさない。その明るさには私も癒され、心地よい空気が流れている。

「なんだい、後輩。何か悩み事でもあるのか？」

彼は優しく微笑みながら、私の悩みを聞いてくれる。私は思い切って言葉を口にした。

「実は、先輩に恋してしまったんです」

言葉を発した瞬間、病室には静寂が広がった。私は恥ずかしさと緊張で顔が真っ赤になってしまった。

「えっ…そ、そうなのか？」

先輩の声には驚きと戸惑いが混ざっていた。私は彼の反応に動揺しながらも、気持ちを伝える決意を固めた。

「はい、本当です。先輩の優しさや頼もしさに惹かれてしまって…もし、私のことを好きになってくれたら、一緒にいてくれませんか？」

緊張と不安で声が小さくなってしまったが、私の気持ちは真剣そのものだった。

「後輩…君の言葉には驚いたよ。でも、実は俺も君のことを考えていたんだ」

先輩は穏やかな声で言った後、少し考え込んだ様子で続けた。

「でも、俺は医者だから、患者さんや仕事に全力を注ぐことが求められる。君と付き合うことで、それができるかどうか…考えさせてほしい」

私は彼の言葉に深くうなずき、納得した。彼の仕事への情熱と、私への思いが交錯する中で、私たちの関係は新たな局面を迎えた。

数日後、私たちは再び病院で出会った。先輩は真剣な表情で私に向き直り、言葉を紡いだ。

「後輩、君と一緒にいることで、自分の仕事に支障が出るかもしれないと思った。でも、君のことを考えると、一緒にいたいという気持ちが勝ってしまうんだ」

私は先輩の言葉に心が震えた。彼の気持ちを受け止め、私も自分の気持ちを伝えた。

「私も先輩と一緒にいたい。あなたのそばで、患者さんを支えることも、あなたを支えることもできると思います」

先輩は優しく微笑んで、私の手を握った。

「ありがとう、後輩。君と一緒にいることで、私の仕事にも新たな力が湧いてくる気がするよ」

私たちは互いの思いを確かめ合い、新たなスタートを切った。彼の手が温かく感じられる中、私たちは病院の廊下を歩いていった。

この先も、私たちの医療ロマンスは続いていくのだろう。
患者さんの笑顔を取り戻してくれる彼と一緒に、私も成長していける。
この出逢いに感謝しながら、私たちは医療の場で新たな幸せを築いていくのだった。