恋愛ショートショート

かまの悠作

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星の出会い

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「ねぇ、君、あの星、何だか綺麗だよね」

そう言いながら、彼女は窓辺に立ち、宇宙船の外の星々を見つめていた。私は彼女の隣に立ち、彼女の手を優しく握った。

「そうだね、本当に美しいよ」

私たちは宇宙旅行中で、今は宇宙船のデッキにいた。外は闇の中に点々と星が輝いていて、その美しさに言葉を失ってしまう。私たちは地球から遥か彼方の異星に向かっているのだ。

彼女は宇宙旅行が大好きで、いつも夜空を見上げては異星への憧れを語っていた。私も彼女についていくことができて、本当に幸せだった。

「ねぇ、もし宇宙人がいたらどうする?」

彼女が突然聞いてきた。

「宇宙人?うーん、どうだろうね。でも、きっと彼らも私たちと同じように生きているんじゃないかな」

私は彼女に微笑みかけた。

すると彼女は少し考え込んだ後、言った。

「私、もし宇宙人と出会ったら、彼らと恋に落ちちゃうかもしれない」

彼女の言葉に、私は驚いた。

「え、本当に?」

彼女は頷いて言った。

「だって、宇宙人って不思議で魅力的な存在だし、新しい世界を見せてくれるかもしれないじゃない」

私は彼女の言葉に感心しながらも、心の中では少し不安がよぎった。

彼女が宇宙人に恋をしたら、私との関係はどうなるのだろう。彼女との絆が薄れてしまうのではないかと思うと、胸が苦しくなった。

しかし、彼女が宇宙人に恋をするかどうかはわからない。私はただ、彼女が幸せであり続けることを願うしかない。

「君が幸せなら、それが一番だよ」

私は彼女の手を強く握りしめた。

彼女は私の言葉に微笑んで、頬を寄せてきた。

「ありがとう、私も君が幸せでいてくれることを願ってる」

その瞬間、私たちの間には宇宙船の揺れが走った。

「どうしたの?」

彼女が不安げに尋ねると、私は窓の外を見つめた。

「何かが起きてるみたいだ」

宇宙船は急速に揺れ続け、私たちの身体は宙に浮いていく。

「大丈夫だよ、きっとすぐに終わるから」

私は彼女にそう言い聞かせるが、心の中では不安が募っていた。

しばらくして、宇宙船の揺れは収まり、私たちは安心した。

「ねぇ、君、宇宙人に出会ったらどうする?」

彼女が再び聞いてきた。

私は少し迷った後、言った。

「もし宇宙人が私たちと同じような感情を持っているなら、きっと恋に落ちるかもしれない」

彼女は驚いた表情で私を見つめた。

「本当に?」

私は微笑んで頷いた。

「だって、君が言ってたように、宇宙人って不思議で魅力的な存在だから」

彼女は喜びの笑顔を浮かべ、私の手を握った。

「私たちが出会った奇跡みたいに、宇宙人との出会いも奇跡かもしれないね」

私たちは笑い合いながら、宇宙船の窓辺に立ったまま、未知の星々を見つめ続けた。
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