上 下
6 / 107

Folge 06 長女の告白

しおりを挟む
 夕食も終わったので、風呂の準備をするところ。
 これはオレの担当。
 家事ができないとはいえ、風呂の準備ぐらいはね。
 洗濯機の吸引ホース内の水を出して洗濯機横に巻き付ける。
 浴槽の栓を抜いて残っている水を抜き切る。
 それからシャワーとスポンジを使って軽く磨いてやる。
 ちょっとやっておくだけでも入った時に気分良いもんね。
 後はスイッチを押すだけだからオレでもできるでしょ?

「よっしゃ、こっちは完了。お湯が溜まれば入れるぞ~」

 さて、一旦部屋へ戻って復習の準備でもするか。
 一貫校とはいえ、成績が低いんじゃ上がれないからね。
 おっと、ツィスカがいる。

「どうした、ツィスカ?」

 ベッドに座ってオレを待っていたみたい。
 掛布団カバーをギュッと握りしめてこっちを見ている。

「なんか力入っているみたいだけど、トイレ行きたいならココじゃまずいだろ」

 あ、いつもの膨れ顔になった。
 カバーを握りしめている。
 何か言う前に動くのが基本のツィスカがジッと黙っている。

「何か嫌な事でもあったのか? さっきは話せなかった事とか」

 膨れ顔は普通に戻ったけど、まだ何も言わないし動かない。
 やれやれ。
 何かあるのは確かだ。普通じゃない。
 隣に座って話すのを待ってみようと思う。

 ――――沈黙。

 頭を撫でてみる。
 少し細めで見た目よりも軽くて長い髪。
 撫でているこっちの手へのご褒美に思えてくる。

「どうしちゃったのかな。ツィスカが元気ないのは胃に悪いんだけど。ここにいたってことはオレに話があるってことだよな? まあ、話が無くても来ていいけどさ。せめて理由ぐらいは教えてくれないか?」

 少し俯いているし、まだカバーも握りしめている。
 頭も撫で続けているけど、どうにも埒が明かないな。
 静かなツィスカを撫で続けているってだけなら、癒しの時間になってありがたいんだけど。
 これはどうしたものか。

「そろそろ風呂も入れるようになるし、その後にでももし話があるなら聞こうか?」

 ツィスカはコクっと頷いた。
 言葉が出てこないけど、答えてはくれた。

「よし、風呂に入るぞ。それか二人で入る方がいいか?」

 首を左右に振っている。
 調子狂うな。

「わかった。じゃあとりあえず風呂を済まそう」

 そう言うと、風呂場へは動いてくれるようになった。
 握りしめていたカバーにクッキリと跡を残して。


 無駄に広いウチの風呂場。
 両親が子供は最低三人は欲しいからと、家は5LDKにした。
 よって風呂場も広いわけで。
 風呂は最初から全員で入るつもりだったらしい。
 なのに二人共仕事でこの家にはほとんどいない。
 三人の予定だった子供は四人になった。
 結果的にはこの家に住んでいる子供四人全員で入っているという状況。

「兄貴が一番乗りじゃ~」
「サダメに続く一番はわたしね」
「僕も入るよ~」
「……」
「一気に入ってきたら洗えないだろ~」
「わたしがサダメの背中を流すから問題ないわ」

 最初に入った三人で、何か足りなくない? と目を合わせると同時に振り返った。

「ツィスカが何も言わないなんてどうしたの?」
「そうなんだよ。オレが風呂を入れ始めた頃からずっと黙っててさ。聞いてもなかなか話してくれないんだ。心配しているんだけど」
「らしくないわね」

 空いている風呂イスにちょこんと座って静かにしているツィスカ。
 どうやら今日はこのままの状態になっちまいそうだな。

「そういう感じだからさ、今日はオレと二人の時間をくれないか? 話がしたいみたいなんだよ」
「僕も心配だから兄ちゃん話を聞いてあげて。今日は一人で寝るよ」

 カルラはいぶかしげな表情でツィスカを見ている。
 どこか納得していないようだ。

「何があるのかわからないけど、今晩だけサダメを貸してあげる」
「オレはいつからカルラの所有物になったんだ?」
「最初からよ」

 うれしいんだよな、カルラのそういう言い回し。
 全て即答してくるところが、カルラの凄いなと思うところだ。

「んじゃあツィスカ、そういうことで二人は時間くれたから、後でゆっくり話を聞かせてくれよ」

 コクリとツィスカは頷いた。
 本当に静かだ。そういうお年頃? 
 女性的にいろいろあるお話か?
 うわ、保護者モード全開の夜なのかなあ。
 なんか緊張してきた。

「カルラありがと。代わりに背中流してあげるよ。ツィスカもカルラの後でしてあげるからな」

 今は色々考えても分かるわけがないからいつも通りにしておこう。

「よし、交代」
「サダメ、前を忘れてる」
「マジで?」
「今更何よ。当然でしょ」

 小学生低学年までだろ、一般的にはね、知らんけど。
 藍原家にはその一般的だと思われることは適用されないらしい。
 一般じゃなく藍原家だから。

「じゃ、しっかり洗ってやる!」

 こうなったらカルラが困る程綺麗にしてやるぞ!
 それにしてももう中学二年生か。
 オレが高校性なんだから、そうだよなあ。
 男子高校生が女子中学生を洗っている絵面って、とんでもないな。
 ご承知の通り、兄妹だからですよみなさん!
 保護者を任された兄貴の特権ですよ!
 あ、カルラの顔が真っ赤になってる。
 あんなこと言っておいて限界がきたか?

「それじゃ交代するか、カルラ?」
「そ、そうね。交代するわ」
「シャワーでしっかりすすがないとな」

 徹底的にやっておいてやろう。
 カルラが困ってる姿は楽しい!
 ……可愛い。

「お待たせ、ツィスカの番だよ」

 今までカルラの居た所へツィスカが座る。

「髪も洗ってやろうか?」

 コクリと頷いている。
 喋らないなあ。

「目をしっかり閉じてろよ~」

 髪の毛まで洗ってあげるのは随分久しい。
 長い髪だから洗髪用のブラシを使って丁寧に洗ってあげる。
 美容師さんでもなきゃこんなことしないよなあ。
 いや、美容師さんはこんな恰好ではしないか。
 しっかり濯いでからコンディショナーで仕上げてボディへ移行。
 カルラと同じようにしてあげる。
 ツィスカは色が真っ白だから浅黒い肌のカルラとはまた違う綺麗さだ。
 モテて当然だな。

「さあ終わったよ。オレも体が冷えてきたから湯船に入ろう」
「わたしたちは先に出るわ。少しのぼせたみたい」
「はいよ」

 カルラと共にタケルも風呂場から出て行った。
 湯船ではツィスカがスルスルっとオレの前に来る。
 可愛すぎるからラッコ抱きをしてあげる。
 というかどうもそれを要求されたようだ。

「今は二人になったけど、まだ話はできないのか?」

 やっぱり黙ったまま。
 でも喋らないだけで甘えてはくるからまだ助かるよ。
 これが全て拒否られたりすると手に負えないだろう。

「今日はあの二人が時間をくれたから、どんなことでも話してくれよ」

 ツィスカがコクリと頷くと、発展途上な柔らかいモノが腕に当たる。

「兄ちゃんのことは好きか?」

 ツィスカは、間を空けずに大きく頷いた。
 そしてオレの腕に柔らかいモノがしっかりと押し付けられる。

「ツィスカの髪は綺麗だね。兄ちゃんに髪を洗ってもらうのは好き?」

 これも間を空けずに大きく頷いてくれた。
 そしてオレの腕に柔らかいモノが、形のすべてが分かるほど押し付けられる。

 ――――ダメだ、これはクセになりそうだ。

 ちょっとヤバい反応も感じてきた。
 今日はこれぐらいにしておこう。
 べ、別に、いつでも出来ることだし。
 うん、ヤバイヤバイ。

 ツィスカは風呂の後、何をするにもオレに付いて回っていた。
 さすがにトイレは交代で入った。
 犯人を護送している気分だよ、知らんけど。
 それ以外はとにかく付いて回っていた。
 勉強は最低限やっておきたいところがあったから、勉強時間はいつも通りに。
 いや、ツィスカと一緒にすることになった。
 そういえば、妹と一緒に勉強をするっての、やってなかったな。
 妹の勉強ってどんな感じになるのかなあって期待をしていたけれど――。
 めっちゃ真剣に勉強してる!
 こんなに集中してやっているのかと感心した。
 カッコよさすら感じるほどのデスクワーク。
 成績もいいはずだ、納得したよ。
 
 でも――――何にも話してくれねー!

 ただ黙々と、淡々とこなしているんだ。
 普段なら、これは見習うべきところだなって思うだけでいいだろう。
 でも今は……めっちゃ心配なんですけどー!

 あれから二時間。
 オレ的には勉強のキリが付いた。
 しかしツィスカは変わらず集中している。
 いつもと違うところを見せられると、新たな魅力を発見できる。
 こんな感じで授業も受けているのかな。
 そりゃ先生から誉め言葉しか出てこないのが分かる気がする。

「集中してるとこ悪い。ツィスカ、オレはキリがついたんだけど、そっちはどうだ?」

 親指と人差し指であと少しという合図をしてきた。

「うん、いいよ。それじゃ、先に歯を磨いてくるから」

 そう言ってオレは部屋を出て台所へ向かった。
 一口飲み物が欲しくてね。
 するとリビングに居たカルラがどう?
 という風に目で聞いてくる。

「あのままだよ。ただ、勉強は凄く集中してやるんだな。びっくりした」
「そうね。わたしもだけど、勉強はなんだか黙々とやってしまうの。その感じだといつも通りだけど、喋らないのが気になるわね」

 ジュースをコップに半分ぐらい入れ、飲み干してから洗面所へ向かった。

「とりあえずゆっくり話してみるよ」

 歯磨きが済んだ後、オレと入れ違いにツィスカが歯を磨きに来た。

「部屋で待ってるな」

 軽く頭を撫でてから部屋へ向かう。
 いつもは賑やかな家だから、こんなに静かだと四人いるのに寂しくなるな。

 読みかけのマンガを進めながらツィスカを待つ。
 どんな話が出てくるのか心配しかない。
 だが、案外大したことないってこともありうる。
 あまり身構えずにいよう。

 程なくしてツィスカが部屋に戻ってきた。
 白色のパジャマで丸襟。
 袖口と裾口にピンクのステッチが入っている姿。

「それじゃ寝ようか?」

 やはり黙ってコクリと頷いた。
 電気を消して二人でベッドに入る。

「話はしてくれるか? 無理ならこのまま寝るだけでもいいけど」

 ツィスカはオレに背中を向けていた。
 しばらくすると、こちらへ寝返りをして潤んだ目で見つめてきた。

「兄ちゃん、あたし、なんか我慢できなくなってきたの」

 ようやく声が聞けたなと思ったが、なんだか切実な言葉が発せられた。

「何に?」

 ――オレのTシャツ。
 オレはパジャマではなくてTシャツにジャージパンツが部屋着。
 そのTシャツの胸元をキュっと握って話を続けてくる。

「兄ちゃんが好きなの」
「それはいつもたっぷりの愛をいただいているからよく知っているよ?」

「違う! そうじゃないの。兄と妹じゃなく愛しているの。わかって! あたし本気で好きになっているの。恋愛の愛なの!」

 ――――これは。

 さて――ただいま、心のキャパがオーバーしているようで、頭がクラクラする。
 美乃咲さんに告白された時とは違う。
 圧倒的にツィスカの告白の方が心に響いた。
 オレたち四人はしっかり血が繋がっている。
 でも、ツィスカの気持ちが本気なのは痛いほど分かってしまう。
 苦し過ぎる。

 実は時々自分も三人に恋をしているのでは? と思ったことが何度もある。
 怖さから逃げるために、知らないうちに線引きしていた。
 この告白を聞いて、今まで感じたことが確信になってしまったようだ。
 既に気持ちがその線を越えていると知らされてしまった。
 他の二人はどうなんだろう。

 その前に、今目の前にいるツィスカ。
 彼女とは両想いになっていることが証明されてしまったわけで。
 やばい。
 やばい、やばい。
 やば過ぎるけど。
 ツィスカの必死な表情を間近で見る。
 爆発しないように固めていた気持ち。
 これをツィスカの本気の愛が溶かし、爆発しろと叫んでいるようで。

 もう、耐えられそうにない……です。

「ツィスカ、オレも同じ気持ちだった。でも、それに気づかない自分を演じていたらしく、他人事のように言ってしまっているけど、ツィスカがはっきり言ってくれたことでその封印が解かれたようだ。オレも言うよ、ツィスカが好きだ。ただ、オレは三人共に同じ気持ちを持っている。それは分かってくれるか?」

 シャツを握る手は力を緩めない。
 しばし何かを考えてから口を開いた。

「分かった。兄ちゃんはいつも三人を同じように大事にしてくれていたから、その気持ちは受け止められる。あたしのことを女として見てくれるなら、カルラとタケルはあたしの分身みたいなものだし、兄ちゃんがあたしを好きになってくれたのと同じように好きになると思う。大丈夫よ」

 ――――はぁ。

 なんとなく自分の気持ちは分かっていた。
 でも、それは言うべきことではないと、心の奥底に閉まっていた。
 それが妹にこれだけ本気で言われたら。

 ――――いや、それでも言うべきではなかったんだろうな。

 自分こそ気持ちを抑えきれていなかったんだ。

 ああ、やっちまった。

 でも苦しんでいる妹を見るのは辛い。
 この気持ちはオレたちだけが知る、オレたちだけの話。
 他の誰にも迷惑をかけることではない。
 知られなければ問題ない。
 質の悪いことに、肯定し始めたなオレ。
 でも、ツィスカに答えてしまった以上引き返すことはできない。
 今更自分も誤魔化せない。

 決めた。
 オレたちは先へ進むぞ。

 ツィスカ――――――――。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

校長室のソファの染みを知っていますか?

フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。 しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。 座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る

JKがいつもしていること

フルーツパフェ
大衆娯楽
平凡な女子高生達の日常を描く日常の叙事詩。 挿絵から御察しの通り、それ以外、言いようがありません。

私がガチなのは内緒である

ありきた
青春
愛の強さなら誰にも負けない桜野真菜と、明るく陽気な此木萌恵。寝食を共にする幼なじみの2人による、日常系百合ラブコメです。

クラスメイトの美少女と無人島に流された件

桜井正宗
青春
 修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。  高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。  どうやら、漂流して流されていたようだった。  帰ろうにも島は『無人島』。  しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。  男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?

小学生最後の夏休みに近所に住む2つ上のお姉さんとお風呂に入った話

矢木羽研
青春
「……もしよかったら先輩もご一緒に、どうですか?」 「あら、いいのかしら」 夕食を作りに来てくれた近所のお姉さんを冗談のつもりでお風呂に誘ったら……? 微笑ましくも甘酸っぱい、ひと夏の思い出。 ※性的なシーンはありませんが裸体描写があるのでR15にしています。 ※小説家になろうでも同内容で投稿しています。 ※2022年8月の「第5回ほっこり・じんわり大賞」にエントリーしていました。

双子の妹の保護者として、今年から共学になった女子高へ通う兄の話

東岡忠良
青春
 二卵性双生児の兄妹、新屋敷竜馬(しんやしきりょうま)と和葉(かずは)は、元女子高の如月(きさらぎ)学園高校へ通うことになった。  今年から共学となったのである。  そこは竜馬が想像していた以上に男子が少なかった。  妹の和葉は学年一位の成績のGカップ美少女だが、思春期のせいか、女性のおっぱいの大きさが気になって仕方がなく、兄竜馬の『おちんちん』も気になって仕方がない。  スポーツ科には新屋敷兄弟と幼稚園からの幼馴染で、長身スポーツ万能Fカップのボーイッシュ少女の三上小夏(みかみこなつ)。  同級生には学年二位でHカップを隠したグラビアアイドル級美人の相生優子(あいおいゆうこ)。  中学からの知り合いの小柄なIカップロリ巨乳の瀬川薫(せがわかおる)。  そして小柄な美少年男子の園田春樹(そのだはるき)。  竜馬の学園生活は、彼らによって刺激的な毎日が待っていた。  新屋敷兄妹中心に繰り広げられる学園コメディーです。  それと『お気に入り』を押して頂けたら、とても励みになります。  よろしくお願い致します。

蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる

フルーツパフェ
大衆娯楽
 転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。  一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。  そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!  寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。 ――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです  そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。  大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。  相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。      

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

処理中です...