ジョン船長の日記 【週間連載長編作品】

巨人の星

巨人の星 Day 5

【5日目】

この惑星に住んでいるのは、
実は巨人だけでない事が分かった。

私達が泊めてもらっていた家。
その隣の老人の巨人が1人亡くなった。

するとたちまち、どこからかともなく、
15センチ位の小人達が集まって来て、
あれよあれよという間に家を解体し、
土地を接収していった。


そして、その遺体もまた、
葬儀をあげる事も許されず、
あっという間に、小人達によって
バラバラにされ、すぐ処理された。

まるで生ゴミを片付けるかのようだった。


たった3時間で彼の生きた形跡は
全て無いものになった。

空き地となったそこに、
すぐ重機が入り、新しい家の工事が始まった。






世話になった相手だ。
見るに見かねて、
私は小人に文句を言った。

「おい。なんて事をするんだ。
　こんな酷い事を…」

「いえいえ、仕方ない事なのです。
　この生き方を選んだのは彼なので…」

小人はそう返した。

まるで彼等を
人間とさえ思っていないような態度。
信じられない奴らだ。とても許せない。
なおも食い下がる私。





「良いんだ。私達は確かに罪を犯している。」


後1歩で手が出るところだった私を、
巨人達は抑制した。

彼等に取り押さえられては身動きは取れない。





小人達は去って行った。