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第3部 ギャラリー・ルクス
11.濡れた硝子(後編)
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時間の感覚がおかしくなっていた。次に気がついたときは窓のカーテンがひらいていて、ベッドに俺はひとりだった。外は晴れている。ぐうっと腹が鳴った。低い笑い声が降ってくる。
「笑うな」
俺はぼやいた。寝室に入ってきた藤野谷の髪が濡れている。
「何か食べよう」
「そうだな」
「俺が作ろうか」
俺は藤野谷を見上げた。「天、料理できるのか?」
「得意じゃないけど、少しは」
「じゃあ作って」
今が何日で何時なのかは考えないことにした。藤野谷がキッチンで物音を立てている間に俺はていねいにシャワーを浴びた。見える範囲についた鬱血にぎょっとして、鏡で背中をみるともっとひどかった。シャツのボタンを首まできっちりとめてキッチンに行くと、藤野谷は皿をフライパンにかぶせ、ひっくり返したところだった。スパニッシュオムレツ。うまい具合に焼き色がついている。
「得意じゃないといったわりに洒落たもの作るな」
後ろから声をかけると藤野谷はふりかえり、なぜか哀れっぽい眼つきで俺をみた。
「サエ、俺だっていいところを見せようと努力しているんだから、褒めてくれよ」
俺は笑って別の皿を棚からおろした。
「褒めてるよ。美味しそうだ」
くし形に切ったトマトとオムレツ、トースト、インスタントスープ。食卓につく前、藤野谷はちらりとモバイルをみて「スピフォトの記事は削除した」といった。
「転載もできるだけ追ってる。うちの法務部と実家の弁護士が対処しているところだ」
「ああいう報道は……TEN‐ZEROへ影響がある?」
藤野谷は首を振った。
「いや。俺が心配しているのはサエに実害が出ることなんだ。最近、名族に関係するオメガの安全について警告が出ている。それに大学の時みたいにサエを認めないやつらが出てきても困る」
俺は反射的に大丈夫だといいそうになったが、藤野谷の真剣な表情に黙った。うなずいて椅子に座った。
「わかった。食べよう」
意外にといっては申し訳ないが、スパニッシュオムレツはうまかった。俺の場合は焦がすか、逆にじゃがいもを生焼けにしがちで、自分では作ろうと思わないのだが。そう褒めると藤野谷はさらに意外なことをいった。
「父が昔一度作ったのを食べたことがある。伯父の直伝らしい」
「伯父さん? というと……」
「父の兄の藍閃。で、俺は父と同様、伯父の直伝を受けた渡来さんに作り方を教えてもらった。伯父と渡来さんは同級生なのだと」
「へえ。でもなぜスパニッシュオムレツ?」
「さあ。ただ伯父はよく自分で――料理をしたみたいだ。その……」
藤野谷の声が尻すぼみになった。怪訝な顔をしてみた俺に、彼は困ったような表情で続けた。
「食べさせるために」
俺は鈍感にも気づかずにたずねた。
「誰に?」
「つがいの相手。葉月」
俺は黙った。佐枝の母に聞かされた話を思い出す。写真を撮ること以外、葉月に特技があったときいたことはない。むしろ逆だ。
「よく知らないが、葉月は不器用だったらしいな」と俺はいう。
「母もたまにそういっていた」
藤野谷は小さな声でいった。
「とっくに亡くなっているのに……ごめん」
口調からして、気持ちのいい話ではなかったのだろう。
「気にするな。俺にとってはほとんど知らない人だ」そう俺はいった。
「空良と暮らしていたときは使用人が家事を全部やっていたみたいだし」
「空良」
「俺の親。もうひとりの」
藤野谷は黙ってオムレツを食べていた。いきなりたずねた。
「ふたりは……どこにいたんだ?」
「ふたりって」
「サエの両親。俺の祖父が探していたとき」
俺は少し考えた。
「詳しいことは俺もよく知らない。最初は欧州、それから北米に渡って、南米に家を買った直後に俺を妊娠したことがわかって葉月は日本に帰った。俺を産んでから空良のところに戻る途中で、藤野谷家にみつかったらしい」
「そうか」
藤野谷は苦いものでも食べたような顔をした。
「空良はそのあとも葉月と買った家で暮らしたと聞いてる。どうも日本に帰れなかったらしい」
「それは俺の祖父のせいだ。手をまわして妨害したと聞いているから」
食べ終えて俺は椅子を立った。話せば話すほど藤野谷を傷つけてしまう気がして、話したくなかった。
「天、コーヒー飲むか?」
「飲む」
リビングはキッチンほど片付いていない。俺はテーブルに積んだ郵便や雑誌を脇に寄せた。ソファに座った藤野谷が唐突に手をのばし、俺の手首を押さえる。
「サエ、これは?」
以前予約を入れた治験の案内だった。俺は封筒をひったくった。
「みるなよ。個人的なものだ」
「臨床試験センターって」
「ただの治験だ。前から時々やってる」
「サエ」
藤野谷の声が低くなった。なぜか俺は身構えた。藤野谷に限らず、アルファが得意とする声色――命令するのに向いた声というものがある。その気配を感じ取ったのだ。
「もしかして抑制剤か?」と藤野谷がきく。
「どうしてわかる?」
俺は問い返した。藤野谷は諭すようにいった。
「藤野谷家はそっち方面が専門なんだ。抑制剤や中和剤、緩和剤……オメガ性に関する分野」
俺は思い出した。そういえば藤野谷はパッケージを一目見ただけで「偽装パッチ」と呼んだのだった。俺がうっかり中和剤を剥がしてしまった、あの車の中で。あれはオメガでもなければ、いやオメガであっても、一生知らずに過ごす場合もある薬だ。
「ヒートがつらい?」
また藤野谷がきく。
口調は静かだったが、俺は話したくなかった。封筒を藤野谷の手の届かない場所へ置いて、立ったままテーブルに置きっぱなしのコーヒーカップを取る。
「関係ない。保護プログラムのせいで抑制剤も中和剤も昔から使っていたし、だから――」
「でも、もう必要ない」
藤野谷はコーヒーに手をつけずにゆらりと立ち上がった。テーブルの横を通って俺のすぐ前に立つ。
「俺に隠す必要もない。〈オメガ系〉はヒート困難症が多いといわれているし」
これでは落ちついて飲めない。俺はカップをドア横の棚に置いた。話を終わらせたくて早口でいう。
「天。いいからほっておいてくれ。たいしたことじゃない」
「そんなことないだろう。俺がもっと早くサエがオメガだと気づいていたら」
「知るもんか。これは俺の体のことだ」
俺はそっけなくいった。なんとなく腹を立てていた。藤野谷の表情のせいかもしれなかった。きっとそうだ。俺の体、俺がオメガ性であることに自分が責任を負っているような、そんな目つきのせいだ。
ふと最初のヒートのことを思い出した。藤野谷と講堂に閉じこめられて数日後に始まったそれは、予想していたより一年も早く、想像したよりずっと辛かった。
だがそんな話を藤野谷に知ってほしいわけではない。俺は息を吐き、冷静になろうとする。しかし藤野谷は俺の行く手をふさぐように立つ。
「サエ、つがいができればヒートは楽になるといわれてる」
「そんなことくらい知ってる」
俺は藤野谷の手を払う。意識せず声が大きくなる。
「それで何だよ? 天、俺はおまえに恩着せがましく噛んでもらう必要はない」
「ちがうんだ、サエ」
藤野谷は続けて何かいおうとしたが、俺はそれをさえぎるように、ほとんど反射的に怒鳴った。
「おまえに何かしてほしいなんて思ってない」
藤野谷は口を閉じた。表情が硬くなった。俺は一瞬のうちに後悔した。
「天。悪い――いいすぎた」
口ごもりながらそういい、藤野谷の指にそっと触れる。
「俺は――自分の体のことは自分で考えたいんだ。だから……」
「そうだな。ごめん、サエ」
つぶやいた藤野谷の人差し指が俺の中指にからんで、両手で俺の手をすくうように持ち上げる。俺はそのままじっとしていた。ふわりと藤野谷の香りがたち、指先に藤野谷の唇を感じる。こうして彼がすぐ眼の前にいて、何度も抱きあったあとは、視界で瞬く藤野谷の色はすっかり俺の感覚の一部になっている。
「気になることがあったとき、話すくらいならいい? 情報は実家からいろいろ入ってくる」
「ああ。ありがとう」
指に藤野谷の息が断続的に当たる。俺は顔をあげ、つかまれた指をのばして藤野谷の頬をなぞった。理由もわからず、ただせつない気分だった。
「笑うな」
俺はぼやいた。寝室に入ってきた藤野谷の髪が濡れている。
「何か食べよう」
「そうだな」
「俺が作ろうか」
俺は藤野谷を見上げた。「天、料理できるのか?」
「得意じゃないけど、少しは」
「じゃあ作って」
今が何日で何時なのかは考えないことにした。藤野谷がキッチンで物音を立てている間に俺はていねいにシャワーを浴びた。見える範囲についた鬱血にぎょっとして、鏡で背中をみるともっとひどかった。シャツのボタンを首まできっちりとめてキッチンに行くと、藤野谷は皿をフライパンにかぶせ、ひっくり返したところだった。スパニッシュオムレツ。うまい具合に焼き色がついている。
「得意じゃないといったわりに洒落たもの作るな」
後ろから声をかけると藤野谷はふりかえり、なぜか哀れっぽい眼つきで俺をみた。
「サエ、俺だっていいところを見せようと努力しているんだから、褒めてくれよ」
俺は笑って別の皿を棚からおろした。
「褒めてるよ。美味しそうだ」
くし形に切ったトマトとオムレツ、トースト、インスタントスープ。食卓につく前、藤野谷はちらりとモバイルをみて「スピフォトの記事は削除した」といった。
「転載もできるだけ追ってる。うちの法務部と実家の弁護士が対処しているところだ」
「ああいう報道は……TEN‐ZEROへ影響がある?」
藤野谷は首を振った。
「いや。俺が心配しているのはサエに実害が出ることなんだ。最近、名族に関係するオメガの安全について警告が出ている。それに大学の時みたいにサエを認めないやつらが出てきても困る」
俺は反射的に大丈夫だといいそうになったが、藤野谷の真剣な表情に黙った。うなずいて椅子に座った。
「わかった。食べよう」
意外にといっては申し訳ないが、スパニッシュオムレツはうまかった。俺の場合は焦がすか、逆にじゃがいもを生焼けにしがちで、自分では作ろうと思わないのだが。そう褒めると藤野谷はさらに意外なことをいった。
「父が昔一度作ったのを食べたことがある。伯父の直伝らしい」
「伯父さん? というと……」
「父の兄の藍閃。で、俺は父と同様、伯父の直伝を受けた渡来さんに作り方を教えてもらった。伯父と渡来さんは同級生なのだと」
「へえ。でもなぜスパニッシュオムレツ?」
「さあ。ただ伯父はよく自分で――料理をしたみたいだ。その……」
藤野谷の声が尻すぼみになった。怪訝な顔をしてみた俺に、彼は困ったような表情で続けた。
「食べさせるために」
俺は鈍感にも気づかずにたずねた。
「誰に?」
「つがいの相手。葉月」
俺は黙った。佐枝の母に聞かされた話を思い出す。写真を撮ること以外、葉月に特技があったときいたことはない。むしろ逆だ。
「よく知らないが、葉月は不器用だったらしいな」と俺はいう。
「母もたまにそういっていた」
藤野谷は小さな声でいった。
「とっくに亡くなっているのに……ごめん」
口調からして、気持ちのいい話ではなかったのだろう。
「気にするな。俺にとってはほとんど知らない人だ」そう俺はいった。
「空良と暮らしていたときは使用人が家事を全部やっていたみたいだし」
「空良」
「俺の親。もうひとりの」
藤野谷は黙ってオムレツを食べていた。いきなりたずねた。
「ふたりは……どこにいたんだ?」
「ふたりって」
「サエの両親。俺の祖父が探していたとき」
俺は少し考えた。
「詳しいことは俺もよく知らない。最初は欧州、それから北米に渡って、南米に家を買った直後に俺を妊娠したことがわかって葉月は日本に帰った。俺を産んでから空良のところに戻る途中で、藤野谷家にみつかったらしい」
「そうか」
藤野谷は苦いものでも食べたような顔をした。
「空良はそのあとも葉月と買った家で暮らしたと聞いてる。どうも日本に帰れなかったらしい」
「それは俺の祖父のせいだ。手をまわして妨害したと聞いているから」
食べ終えて俺は椅子を立った。話せば話すほど藤野谷を傷つけてしまう気がして、話したくなかった。
「天、コーヒー飲むか?」
「飲む」
リビングはキッチンほど片付いていない。俺はテーブルに積んだ郵便や雑誌を脇に寄せた。ソファに座った藤野谷が唐突に手をのばし、俺の手首を押さえる。
「サエ、これは?」
以前予約を入れた治験の案内だった。俺は封筒をひったくった。
「みるなよ。個人的なものだ」
「臨床試験センターって」
「ただの治験だ。前から時々やってる」
「サエ」
藤野谷の声が低くなった。なぜか俺は身構えた。藤野谷に限らず、アルファが得意とする声色――命令するのに向いた声というものがある。その気配を感じ取ったのだ。
「もしかして抑制剤か?」と藤野谷がきく。
「どうしてわかる?」
俺は問い返した。藤野谷は諭すようにいった。
「藤野谷家はそっち方面が専門なんだ。抑制剤や中和剤、緩和剤……オメガ性に関する分野」
俺は思い出した。そういえば藤野谷はパッケージを一目見ただけで「偽装パッチ」と呼んだのだった。俺がうっかり中和剤を剥がしてしまった、あの車の中で。あれはオメガでもなければ、いやオメガであっても、一生知らずに過ごす場合もある薬だ。
「ヒートがつらい?」
また藤野谷がきく。
口調は静かだったが、俺は話したくなかった。封筒を藤野谷の手の届かない場所へ置いて、立ったままテーブルに置きっぱなしのコーヒーカップを取る。
「関係ない。保護プログラムのせいで抑制剤も中和剤も昔から使っていたし、だから――」
「でも、もう必要ない」
藤野谷はコーヒーに手をつけずにゆらりと立ち上がった。テーブルの横を通って俺のすぐ前に立つ。
「俺に隠す必要もない。〈オメガ系〉はヒート困難症が多いといわれているし」
これでは落ちついて飲めない。俺はカップをドア横の棚に置いた。話を終わらせたくて早口でいう。
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「そんなことないだろう。俺がもっと早くサエがオメガだと気づいていたら」
「知るもんか。これは俺の体のことだ」
俺はそっけなくいった。なんとなく腹を立てていた。藤野谷の表情のせいかもしれなかった。きっとそうだ。俺の体、俺がオメガ性であることに自分が責任を負っているような、そんな目つきのせいだ。
ふと最初のヒートのことを思い出した。藤野谷と講堂に閉じこめられて数日後に始まったそれは、予想していたより一年も早く、想像したよりずっと辛かった。
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「サエ、つがいができればヒートは楽になるといわれてる」
「そんなことくらい知ってる」
俺は藤野谷の手を払う。意識せず声が大きくなる。
「それで何だよ? 天、俺はおまえに恩着せがましく噛んでもらう必要はない」
「ちがうんだ、サエ」
藤野谷は続けて何かいおうとしたが、俺はそれをさえぎるように、ほとんど反射的に怒鳴った。
「おまえに何かしてほしいなんて思ってない」
藤野谷は口を閉じた。表情が硬くなった。俺は一瞬のうちに後悔した。
「天。悪い――いいすぎた」
口ごもりながらそういい、藤野谷の指にそっと触れる。
「俺は――自分の体のことは自分で考えたいんだ。だから……」
「そうだな。ごめん、サエ」
つぶやいた藤野谷の人差し指が俺の中指にからんで、両手で俺の手をすくうように持ち上げる。俺はそのままじっとしていた。ふわりと藤野谷の香りがたち、指先に藤野谷の唇を感じる。こうして彼がすぐ眼の前にいて、何度も抱きあったあとは、視界で瞬く藤野谷の色はすっかり俺の感覚の一部になっている。
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「ああ。ありがとう」
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