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第2部 ハウス・デュマー

9.感覚のない土

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 ガレージでロードバイクのタイヤに空気を入れていると、フレームの小さな傷が目についた。
 いいかげんメンテナンスに出す頃合いかもしれない。前回ブレーキケーブルを変えたのはいつだっただろう。

 俺は思い立って外に出て、石畳のあいだの枯れた雑草を抜いた。ほんの数本のつもりだったのにはじめると止められなくなり、これを最後にしようと引き抜いた草は根が予想よりずっと長い。大量の土がついてくるのを振って落とし、スニーカーの踵で石畳の間に押しこむ。それから道路に面した門扉が開け閉めするたびにきしんでいたのを思い出し、蝶番にオイルを差した。
 落ちていた枝を拾い、コンクリート壁の横に積み上げる。この家はもともと、ある作家の別宅として建てられたらしい。物置にしている半地下の部屋は昔は書庫で、俺が作業場にしている明るい部屋はかつての持ち主の仕事場だったという。

 三月を前にしてもう雪は降らないようだが、風はまだ真冬の冷たさだ。真上の薄青い空に巻雲が広がり、林の向こう側の方向は夕暮れの淡いピンクだった。近くを国道が通っているが、ここは林に囲まれているからとても静かだ。鳥が鳴きかわす声だけが聞こえるし、この林にはたぶんタヌキだかイタチだかが棲んでいる。
 ガレージから家の中に戻るとタイミングよく加賀美から着信が入っていた。
『零』

 夕方かかってくる通話の背景はいつも、きちんと本が並んだ書棚とモニターだ。加賀美は大学での講義の後、研究室からかけているらしい。俺を見ると微笑み、すると目尻にかすかに皺が寄る。モニターでは映像が動いている。映画か、ミュージックビデオか。

『いま何をしていた?』
「自転車の手入れ――のあと、庭で雑草を抜いてた」
 またふっと加賀美が笑う。優しい笑顔で、それをみると俺はなんということもなく安心する。
『じゃあ、土かな? ひたいについているよ』
「そう?」
 俺は顔を触ろうとして爪のあいだが土で汚れているのに気づいた。
「うしろで流している映像、何?」
『ああ、これはね――』

 直接会ってこそいないが、あれから俺は加賀美とほぼ毎日連絡をとっていた。着信が入るのはたいてい夕方で、彼から連絡がない日も、メッセージを送るとすぐに向こうから通話が来る。
 加賀美と話すのは、ハウス・デュマーで出会った時と同じような他愛のないことばかりだ。音楽や読んだ本。加賀美は外国旅行の話をし、俺は自転車の話をする。
 俺は海外へ行ったことが一度もなく、加賀美はかれこれ二十年はジム以外でペダルをこいだことなどないという。それでも加賀美は俺の話をうなずきながら聞き、一方で俺はユーモアのある彼の話に笑う。

『自転車で出かけるならどこがいい?』と加賀美がたずねる。
「車があれば遠出するのも楽しいよ」と俺は答える。
「自転車は積んでもっていく。湖や海岸をドライブして、サイクリングロードを走るんだ」
 俺はごくたまにツーリングへ出かけたが、いつもひとりだった。
『いずれ一緒に出かけたいね。僕も自転車が欲しくなってきた』

 加賀美がいう。俺は湖畔のサイクリング道を加賀美と並んで走るのを想像する。きっと楽しいだろう。加賀美と一緒なら、密閉された空間で自分がどんな匂いなのかを気に病むこともない。彼は俺がオメガだと知っているのだから……。

『零、今度いつデュマーに行く?』
「今の仕事が一段落したら」
『きみに会いたい。連絡してくれないか。待ってる』
 そんな風にいわれると胸の底がふわりと暖かくなるのに、もう一度加賀美と会うことにどういうわけかためらいを感じて、俺はあいまいな微笑みを返した。




 峡のラボからは以前案内された抑制剤治験の続報が届いていた。峡は不満そうだったが、俺は参加を申し込んだ。入院しなければならないが、次のヒートが終わってからというから、計算上は五月以降だ。TEN‐ZEROの新製品発表はその前に済んでいるはずだから問題はない。それまではこれまで通りの処方で中和剤を併用することに決めた。

 TEN‐ZEROの方はといえば、実質的に俺自身の制作作業は終わっていたから、あとはチームが進めるプロセスの確認だけだ。潤沢な予算と映像加工のプロの手のおかげで俺が匿名でネットに流していたこれまでの作品とは桁違いの仕上がりになりそうで、俺は純粋に嬉しかった。

 今週は藤野谷からの着信はなかった。三波や鷹尾とは何度かプロジェクトの件でチャットやビデオで話したが、そこでも藤野谷の話は一度出たきりだ。あるチームメンバーの駄洒落に場が凍ると鷹尾がいうので、駄洒落ならきみらのボスが得意じゃないか、と俺が返したせいだった。

『え、誰です?』と三波がいう。
「誰って、藤野谷だよ。最高に切羽詰まっているときにおやじギャグをいってくるだろう、あいつ」
『そんなお茶目なこと、あの人がするはずないじゃないですか』
 三波が手を顔の前でふった。
『僕は新人じゃないからびくついたりしませんけど、佐枝さんの話を聞いていると、同一人物と思えないときがあるんですけど』
「そうか?」俺はとまどった。
「経営者にあんなレベルの駄洒落をいわれても困るだろうから、その方がいいと思うけど」
『参考までに聞かせてください。どういうレベルの駄洒落なんです?』
「どういうレベルって……恐怖のみそ汁とか、アルミ缶の上にあるみかんとか、そういうレベル」

 三波は愕然とした表情になったが、鷹尾がおっとりした口調で『え、恐怖のみそ汁ってなんです? 私それ知らない』と割って入り、俺が説明するうちに話題は「どんな時に人の脳は駄洒落を思いつくのか」という話へ移ってそれきりになった。

 それにしても、三波や鷹尾が持っている藤野谷のイメージは俺のものとはずいぶん違う。彼らはTEN‐ZEROの社員だし、俺は中学生の頃に出会っているのだから当然なのだろうが、彼らがいう、近づきにくいとか怖いとか、鷹尾が「オメガは気をつけろ」と露骨に警告された話など、俺の中の藤野谷とついぞ一致しない。
 もちろんいま会社を経営しているあいつは、一月の中間発表でみるかぎり堂々としたアルファで、学生時代と同じくリーダーとして立っている。それなのに不思議と細部にズレがある気がしてならなかった。




 TEN‐ZEROの技術者が提案した機材のセッティングは三月一日と決まった。
 三波が午前中に車で来るというので、前日の夜中になって俺は家を掃除した。もっと早くとりかかえればいいようなものだ。おまけにいざはじめると、ふだんは四角い部屋を丸く掃く式の掃除しかしないせいで、作業部屋のデスク裏や電源ケーブルの周囲は埃だらけだった。きれいになると他の部屋の埃も気になって、俺はキッチンやリビング、寝室の隅々にまで掃除機をかけた。

 木立に囲まれた一軒家の利点は夜中に騒音を立てても周囲の迷惑にならないことだろう。ほかの音が何も聞こえないくらい騒がしい旧式の掃除機をやっと止めると、着信ランプがうるさく点滅している。時計をみるととっくに日付はかわり、そろそろ1時になるころだ。
 掃除機を片手に持ったまま、俺は相手が誰だとも確認せずにスピーカーをオンにした。

『サエ?』
 藤野谷だった。掃除機をかけるついでにカメラのスイッチを切っていたから、音声だけだ。こんな時間にどうしたのだろう。
『三波がサエのところへ行くんだって?』
 俺が返事もしないうちに、単調直入にいった。奇妙に固い、こわばった声だった。
「そうだけど?」
 俺は不審に思いながら埃よけのマスクを丸め、ゴミ箱へほうり投げた。

「進捗がわかるようにセッティングしてもらうんだ。聞いてるだろう?」
『俺も行くから』
 俺は反射的に答えた。
「おまえは来なくていいよ」
『どうして』
 藤野谷の声に険がまじる。
「どうしてもなにも……ただのセッティングだぜ? トップがはるばる都内から来るほどのことじゃ――」
『俺は一度もサエの住んでる場所へ呼ばれたことがない。三波はいいのか?』

 俺は黙った。

 突然、何年も前のある日のことを思い出したからだ。俺は狭いアパートで息をころして、ヒートの熱と、自分の頭の中を藤野谷のまぼろしがぐるぐる回るのに耐えている。裸の肩と胸に抱きしめられる。俺はあいつの裸なんて見たことがないはずなのに。吐息が俺の首筋から下の方へ落ち、手のひらがさらに下の皮膚を探って……。

 急にはじまったから緩和剤も手元になく、俺は妄想を糧に疲れ果てるまで手淫をくりかえす。何度達しても体の熱は去らず、涙がこぼれる。ようやく眠りに落ちたと思うと今度はモバイルの着信に起こされる。スピーカーで再生すると藤野谷の声が聞こえる。

(サエ、大丈夫か? 倒れてないか?)
 どうしてこんなにタイミングが悪いんだと俺は思う。こたえようにも喉がカラカラで、おかしな声しか出ない。
(……大丈夫だから、いいって)
(声が変だ)
(風邪で…声がれだよ。大学行ったらうつるだろ。いいから切れよ。寝てたんだ)
(サエ、家を教えてくれればそっちへ行くよ?)
(いいから来るな! 来るなよ!)

 あの時の必死さをいまだにはっきり覚えていると思うと、変な調子の笑い声がもれそうになった。俺は歯を食いしばる。

「何いってるんだよ。関係ないだろう。仕事なんだから」
『だったら俺が行ったってかまわないだろう』
 藤野谷の声はもっと低くなり、怒っているかのようにくぐもっていた。
「おまえがいちいち時間割くほどのことじゃない」
『サエ。俺も行くからな』

 俺はカメラをオンにしようかと迷い、やめた。藤野谷の声を聞くうちに顔をみるのが怖くなったからだ。ひょっとして三波や鷹尾が話している藤野谷は、しょっちゅうこんな雰囲気を醸し出しているのかもしれない。
「なあ、藤野谷」
 俺はそれでも軽い口調で話そうとした。
「おまえまさか、三波と俺のあいだに何かあるとでも思ってる? そんな心配するなよ。あるわけな――」
『サエ、二月十四日にどこにいた?』
 俺は硬直し、唾をのみこんだ。
「出かけてた」とだけ答える。
『どこに?』

 俺はまた唾を飲みこもうとして、今度はむせそうになった。かっと腹の底に熱いものが溜まった。笑わせるなよ、と頭の一部が叫ぶ。

 
 三波とふたりで。おまえは俺を見たじゃないか。
 

 それでも俺の別の一部はかっとなった俺に冷たい視線を投げていた。馬鹿だな、何を怒っているんだ、とそっちの俺はいう。
 藤野谷が何をしようがおまえには関係がない。第一おまえだって――
 そして俺の口だけは平静に答えを返している。

「やぼなこと聞くなよ。バレンタインデーだろ? おまえも三波とどこか行ったりしなかったのか?」
 スピーカーが沈黙した。あまりにも長い間黙っているので、俺はつながっているのか不安になった。
「藤野谷?」
『わかった。サエ、また明日』
 通話は唐突にぷつりと切れた。



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