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第七十三話 一部始終
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サチは右手を顔の前に出し、人差し指と中指を立てる。
「・・・・・・いた!」
サチはギルドリングを触る。
すると、サチは鎌と分銅が鎖で繋がった武器──鎖鎌を出した。
サチはそれを手に取ると、鎖に繋がった分銅をブンブン回し、
「いけぇ!」
何もない所に投げつける。
すると、鎖に繋がった分銅は急に曲がり何かを巻き付けるように回った。
「あいた!」
何かが転ぶ音と声がした。
そして、そこからす~と先程の露天商の男が茶色の四角い鞄──トランクを持ったまま地面に膝を立て座り込んでいた。
「さあ!観念しろ!」
「ちくしょう!」
カンタロウが露天商の男を捕まえ、男の片方の右手首に鉄でできた手錠をかける。
サチは男に巻きつけた鎖鎌の鎖を外す。
サチの鎖が外し終わると、カンタロウが男の両手を後ろにまわし、右手にかけた手錠を左手首にもかけた。
「え~と・・・・・・サチのおかげで詐欺によるさらなる被害を防ぐことができた。感謝する」
「いえ、どういたしまして!」
サチは自分が先程被害に遭ったことを忘れたかのようにどや顔で答える。
カンタロウがヒロキとタケシの方を見る。
「お前ら、二人にも感謝する」
カンタロウはそう言いながら、少し不機嫌そうだった。
「すまんが、サチとおまえら二人に今からこの男のことで詳しい話を聞きたいから、一緒に来てくれないか?」
「うん。わかった」
「え?俺らも?」
ヒロキが自分とタケシを指さしながら、カンタロウに話し掛ける。
「おまえら、一部始終見てたんだろ?」
カンタロウが少し不機嫌気味に言う。
「だったら行くのは、俺だけでもいいですか?今回の件、俺にも責任ありますし・・・・・・」
「いや、タケシも一緒にだ」
「・・・・・・わかりました」
タケシが返事すると、カンタロウが捕まえた露天商の男を連れて歩き始めた。
タケシ達もその後を追いかけるように歩き出す。
「・・・・・・いた!」
サチはギルドリングを触る。
すると、サチは鎌と分銅が鎖で繋がった武器──鎖鎌を出した。
サチはそれを手に取ると、鎖に繋がった分銅をブンブン回し、
「いけぇ!」
何もない所に投げつける。
すると、鎖に繋がった分銅は急に曲がり何かを巻き付けるように回った。
「あいた!」
何かが転ぶ音と声がした。
そして、そこからす~と先程の露天商の男が茶色の四角い鞄──トランクを持ったまま地面に膝を立て座り込んでいた。
「さあ!観念しろ!」
「ちくしょう!」
カンタロウが露天商の男を捕まえ、男の片方の右手首に鉄でできた手錠をかける。
サチは男に巻きつけた鎖鎌の鎖を外す。
サチの鎖が外し終わると、カンタロウが男の両手を後ろにまわし、右手にかけた手錠を左手首にもかけた。
「え~と・・・・・・サチのおかげで詐欺によるさらなる被害を防ぐことができた。感謝する」
「いえ、どういたしまして!」
サチは自分が先程被害に遭ったことを忘れたかのようにどや顔で答える。
カンタロウがヒロキとタケシの方を見る。
「お前ら、二人にも感謝する」
カンタロウはそう言いながら、少し不機嫌そうだった。
「すまんが、サチとおまえら二人に今からこの男のことで詳しい話を聞きたいから、一緒に来てくれないか?」
「うん。わかった」
「え?俺らも?」
ヒロキが自分とタケシを指さしながら、カンタロウに話し掛ける。
「おまえら、一部始終見てたんだろ?」
カンタロウが少し不機嫌気味に言う。
「だったら行くのは、俺だけでもいいですか?今回の件、俺にも責任ありますし・・・・・・」
「いや、タケシも一緒にだ」
「・・・・・・わかりました」
タケシが返事すると、カンタロウが捕まえた露天商の男を連れて歩き始めた。
タケシ達もその後を追いかけるように歩き出す。
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