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第七十一話 忍

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 タケシは自分の目を疑った。

 先程、見た時はどれもが銅貨一枚か二枚とかなりの破格の値段であった。

 しかし、今見るとなんと金貨一枚となっていた。

 どういうことだ⁉さっきまでの値段と違う⁉

 ※ちなみにこの世界での金貨一枚の価値は約五十万円、銀貨一枚の価値は約五千円、銅貨一枚の価値は約五十円くらいと思って下さい。

 タケシがあれこれ考えていると、ヒロキがタケシの肩に手を掛ける。

 二人は後ろを向き、女から少し離れ、ヒロキが小声で、

「どんな方法かはわからないが、値札の値段を変えたようだな」

 と話す。

「そうですね」

 とタケシも小声で話す。

「でも、これで使い物にならない武器や防具の可能性が高くなったな」

「まあ、確かに・・・・・・でも、まずいんじゃないか?このままだとあの、買ってしまいそうだよ」

「いや、その心配はないだろ」

「え?」

「あの娘の格好をよく見てみろ」

「ん~」

 タケシは女の後ろ姿を見る。

 髪は後ろに一つ結びで首に赤い布を巻いて、袖の無い着物に裁着袴を着用していていた。

「あれはしのびだ」

「忍?」

「そうだ。俺が思うにあれは演技だ」
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