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第六十話 大馬鹿

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「そんなのわかってらぁ!俺は騎士のみんなが来るまで、こうやってお前が自由に動けねえように投げつけてんだよ!」

 おい、マジかよ・・・・・・馬鹿なのか!?

「馬鹿か⁉てめえ?そんなことやって体力持つと思ってるのか⁉」

 だよな・・・・・・もっと良い方法あるよな。

「大馬鹿だな!まあいい、てめえの体力がなくなったら、覚悟しとけや!これ以上ないくらいに痛めつけて、殺してやるからよ!」

 このままじゃあ、まずい!

「タケシ!一旦、奴から離れて、俺の刀でギターノをやれ!」

「・・・・・・それはありがたいんですが、できないんです」

「へっ?」

「俺はこの姿・・・・・・魔法力士の間は武器や防具を取ろうとすると、弾かれてしまうんです」

 マジかよ・・・・・・。

「だったら、魔法力士を解除して──」

「それやったら、俺は力を発揮できないので、簡単に殺されてしまいます!」

 じゃあ、どうすりゃあ・・・・・・いや、待て。

 ヒロキはギターノを投げ続けるタケシを見る。

 やっぱり、わからねえ!こんなことしたって、打撃がどんどん吸収されていくだけなのに・・・・・・ん⁉

 ギターノを交互に投げ続けていたタケシの息が荒くなった。

 そして、右側に投げつけた所で動きが止まってしまう。

「ギャハハハ。ついに体力に限界がきたか?さ~て、今度は俺のば──ゲホッ!」

 ギターノが突如、口から血を吐いた。
 



 

 
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