魔法力士（旧タイトル: ギルドに冒険者登録しに行ったら、なれる職業が魔法力士しかなかった）

第二十四話 おかげ

「私も今年で二十になります」

「ほんとに？じゃあ、同い年なんだ。だったら、俺のこともタメ口で･･････」

「ありがとうございます。けど、接客業してるせいか、家族を除いては、この話し方が楽なので」

「そっか、わかった。ごめん」

　奥にいたリルの父が僅かに動く。

「う･･････」

「お父さん！」

　リルの父が目を覚ます。

「これは一体･･････って、おまえ！なんて恰好してるんだ⁉まさか、家の娘に何か･･････」

「違います！これは、その･･････」

　タケシが慌てて、説明しようとするとリルが間に入り、

「タケシさんは私やお父さん達を助けてくれたんだよ！」

「助けてくれた？･･････あっ！そういやさっきのナメクジの魔物は？」

「それも踏まえて、話すから──」

　リルはタケシと父親が気を失ってる間のことを話す。

「なるほど、そんなことがあったのか･･････しかし、魔族にとどめを刺すなんて、我が娘ながらすごいなぁ！」

「そんなことないって！あれはタケシさんが魔族を床に思いっきり叩きつけて、弱らせてくれたからできたことで、そうじゃなきゃとてもじゃないけど、できなかったわ！」

「それ言うなら、床に叩きつける前にリルさんが塩をかけて弱らせてくれなかったら、俺もできなかったよ！」