妖戦刀義

和山忍

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二十三話 お前一人で倒してみろ!

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 空雄はそのまま村人達の所に行き、男を引き渡した。

「お父!」

「お千代!」

 互いに泣きながら、抱きつく。

「お前らは何者だチュウ!」

「オイラ達は──」

 川次郎が風太の口を手で軽く覆う。

「悪いけど、お前のような奴に名乗る名はないよ」

「んだとチュウ」

 小声で川次郎が風太に話しかける。

「今は名を明かさない方がいい。あと、オラはさっき空雄が助けた人を治療する」

「わかりました」

「何コソコソ話してるチュウウ!」

「おまえには関係ない。空雄、今そっち行くから待っててくれ」

 川次郎が空雄のいる所に向かう。

「おい!何しれっと俺の脇を通ろうとしてんだチュウウウ!」

 ねずみの妖怪が川次郎に襲いかかる。しかし

「ぶほっチュウウウ!」

 川次郎の張り手を顔面を思いっきり受ける。鼠の妖怪は転がるように吹き飛ばされるが、すぐに体勢を立て直す。

「悪いがお前の相手をするのはオラじゃない」

「?」

「大丈夫ですか?」

 川次郎が空雄の所に着き、治療を始める。

「風太!」

「なんですか?空雄さん」

「そいつをお前一人で倒してみろ!」

「えっ!」

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