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シンデレラ改変その十三

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 エラが声のする方に目を向けると、そこには四十代前半くらいの紫のドレスを着た女性がいた。

「カトリ!?」

 その脇には十から十二歳くらいの男の子が二人いた。

「いや、これはその・・・・・・この魔女の娘が私に対してタメ口、謝罪しない失礼な奴で・・・・・・」

「だからって、あんな大きな声で口喧嘩してたらみっともないですよ」

「・・・・・・確かに」

 王様はナミの方を向き、

「・・・・・・大人気なかった。すまない」

 と王様が謝る。

「・・・・・・あたしもすみませんでした。王様」

 とナミがお辞儀をするように頭を下げて謝った。

 カトリがエラ達に近づく。

 エラはカトリに向かい、ドレスの裾を両手で軽く持ち、左足を斜め後ろの内側に引き、右足の膝を軽く曲げる。そして、腰を曲げ、頭を下げる。

「王妃様、私はエラと言います。この度は──」

「そんな堅苦しい挨拶はいいわ。それより、あなたはなぜ今頃、舞踏会に来ようと?確か馬車で迎えが来ていたはずだけど・・・・・・」

「それは・・・・・・」

 とエラが言いにくそうに下を向くと、

「エラは義理の母と姉からいじめを受けてたんだよ!」

 とナミが話に割り込む。

「いじめ?・・・・・・」

「はい。実は──」

 エラはカトリに父が死んでからの義理の母や姉達に今までされてきたことと今日のことを話した。
 
「なるほど、それで・・・・・・ひどいわね・・・・・・」

 カトリが少し考え込む。

「けど、それはそれ。今回の騒がせたことに関してはきちんと罰を与えるわ」

「・・・・・・ですよね」

 エラが下を向く。

「ちょっと待って下さい!王妃様!罰ならあたしが受けますから!だから、エラには・・・・・・・・」

「駄目です。二人と一匹には罰を与えます」

「・・・・・・そんな」

 ナミがエラを見る。

「ごめん、エラ・・・・・・」

「気にしないで」

「ニャ~」

 そして、エラは黒猫の頭を撫でる。

「エラ!あなたには住み込みで私が利用してる服屋で一ヶ月間働くこと!」

「え?」

「もちろん。お金も休みも貰えるわ」

「?・・・・・・」

「あ~でも、向こうの都合もあるし、すぐには働けないかもしれないわ。今日からだいたい二、三日経ってからかしら?だからその間は城の空いてる部屋で軟禁状態で過ごしてもらうわ。もちろん、その間食事と入浴、睡眠はきちんととってもらうからね」

「・・・・・・ありがとうございます」

 半泣き状態でエラがお辞儀をする。

 カトリはナミを見る。

「・・・・・・で、魔女さん」

「はい!」

「あのかぼちゃの加工は魔法で?」

「いえ、あたしが刃物を使ってやりました」

「そう・・・・・・じゃあ、あなたには一ヶ月間、住み込みで城の調理の手伝いをやってもらうわ。お金も休みもありで」

「・・・・・・わかりました。ありがとうございます」

 黒猫を見る。

「黒猫には城で一ヶ月間、王様の相手をしてもらおうかしら」

「ニャッ!」



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