世界童話を改変してみたシリーズ

シンデレラ改変その七

「ヒヒーン！」

「は！」

　と馬の鳴き声でエラが目覚める。

　エラは起き上がり、窓の外を見る。

　そこにはおそらく義理の母達が乗ったと思われる馬車が舞踏会へと向かっている所だった。

「置いてかれた･･････こうしちゃいられない！私も急いでドレスに──！」

　エラが振り向くとそこには無惨にも細かく切られた舞踏会用のドレスだった。

「そんな･･････ひどい」

　エラの目に涙が溢れる。

　せっかく舞踏会行く為に頑張ったのにこんなのって･･････　

　エラが床に座り込む。

　これじゃ舞踏会には･･････いや、まだ手がある！

　エラは部屋を出て、アスアの部屋へと行く。
　
　こんなことは本当はやってはいけないし、バレたら、あとで怒られるけど、もうどうでもいい！
　
　そう思いながら、エラがクローゼットを開けようとすると、

「！」

　カギがかかってるのに気づく。

　エラはドリの部屋にも行って、クローゼットを開けようとするが、同じようにカギがかかっていた。

「･･････」　　

　エラは今度は義理の母の部屋に行き、クローゼットを開けようとするが、やはりカギがかかっていた。

　エラは自分の部屋に戻り、ベッドの上でうつ伏せになった。
　
　そこから窓を見る。

　エラはベッドから降りて、窓に近寄り、窓を開けた。

　そこから、地面をじっと見る。

「･･････」

　エラは窓を閉め、棚から鞄を取り出した。

　そして、人形のレラちゃんや服などの荷物等を鞄に入れた。

　エラは部屋を出る。

　そして、そのまま外に出て、自分の家を見る。

　ごめんね･･････お父さん、お母さん。私、この家から･･････この町から出ていきます。

「･･････」

　そして、エラは家を見るのをやめて、その場から去って行く。