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第六十話 飲み屋その二

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「法子って、付き合って初めての人と結婚したでしょ?」

「そうだけど・・・・・・」

「しかも、すごい仲良さそうでさ・・・・・・」

「まあ、自分で言うのも何だけど仲は良いほうだと思う」

「浮気だってされたことないでしょ?」

「うん・・・・・・多分」

「あたし、今までの彼氏に浮気もしくはそれに近いことされて・・・・・・だから」

「それはわかるけど、駿河さんだっけ?その人は他に女性がいる感じがしないって、前言ってたじゃない?」

「それなんだけど・・・・・・駿河さん、既婚者だったんだ」

「え?・・・・・・ええええっ!ど、どういう事⁉」

「実はね──」

 幸は駿河と別れた日のことを話した。

「何それ!?じゃあ、浮気の為にアパート借りて、独身のふりしてたの⁉しかも、幸は知らないまま不倫相手になってたわけ?」

「うん」

「わあー信じられない・・・・・・その駿河って人」

「でも、幸い奥さん──早苗さんが良い人だったから、それほど大事おおごとにはならなかったけど・・・・・・」

「そうだね。でも、こう言っちゃなんだけど、正直男の方に原因があるんじゃない?」

「あたしも最初はそう思ったけど、昴の元カノの話を聞いて、自分にも原因があるんじゃないかって思うようになって・・・・・・」

「いや、それは考えすぎじゃない?」

「でも、もう浮気はされたくないの・・・・・・いや、浮気はさせたくないの」

 幸が真剣な顔をする。

「・・・・・・もしかして、好きな人でもできた?」

「えっ?・・・・・・いやその、まだ好きなのかはわからないんだけど、なんだか気になっちゃって」

 幸の顔が少し赤くなる。

「そうなんだ」

 法子が少しニヤニヤする。

「でも、別れてからそんなに経ってないのにそういうのって良くないよね?」

「それは人それぞれだけど、幸はまだ好きなのかはわからないんだし、仮に好きだとしても私はいいと思う」

「そう?」

「うん」

「そっか」

 幸が少し安心したような顔をする。

「それで、浮気されない方法だけど・・・・・・」

「うん」

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