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第三十八話 実家にて〜その五

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「・・・・・・・・・なんでもない」

「えっ何?逆に気になるよ」

「あたしの勘違いかもしれないから大丈夫」

「そう・・・・・・ん?」

 幸が立ち止まる。

「どうしたの?」

 そこには二十代くらいの女性がいた。

「お久しぶりです。幸」

「もしかして・・・・・・永野芽衣さん?」

「覚えててくれてたんですね!」

 なんだろ?前あった時よりもなんか違うような・・・・・・

「何か用?」

「はい」

「用は何?・・・・・・」

「その前に話さなくちゃいけないことがあるんです」

「話さなくちゃいけないこと?」

 もしかして、昴のことかな?

「私、昨日昴に別れようって言われたんです・・・・・・」

「えっ!」

「・・・・・・私、頑張ったんです。他に女性を作っても寛容的に受け入れて、家事も仕事も頑張って・・・・・・」

 あれから、永野さん以外にも彼女を作ったのか・・・・・・

「うん・・・・・・それで?」

「でも、段々に昴を独り占めしたくなっちゃって、それで少し他の彼女達にわからないよう嫌がらせをしたんです。そしたら、互いに疑心暗鬼になって、仲が悪くなって・・・・・・」

「・・・・・・」

「他の彼女達は昴から離れていきました」

「・・・・・・そう」

「やっと、独り占めできると思ったんです。そしたら・・・・・・別れを切り出されたんです」

「・・・・・・そうか」

「別れの理由なんだと思いますか?」

「・・・・・・分からない」

「分からない?・・・・・・本当に分からないんですか⁉」

「・・・・・・うん」

「じゃあ、教えてあげますよ!・・・・・・あなたですよ!あなたが原因で別れを切り出されたんですよ!」

「えっ?あたし⁉」



 





 
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