上 下
21 / 113

第二十話 幸の過去その六

しおりを挟む
 それと同時にスマホのバイブ音が鳴る。

「え!どうして!」

「他に好きな人ができた」

「えっ!」

「だから、すまないが・・・・・・」

 その間にも、スマホのバイブ音が鳴り響く。

「そっか・・・・・・」

 それは仕方ないか・・・・・・

「うん。わかった」

「ありがとう・・・・・・」

「ちなみにその人とは・・・・・・」

「勿論、告白もしてないし、まだ、何も──」

 と悟が話してる途中で、

「さ~とちゃん」

 悟にいきなり、二十代くらいの巨乳金髪女性が抱きついてきた。
 
「明美⁉」

「なんで、電話に出てくれなかったの?」

「ごめん。今大切な話をしていて、それどころじゃなくて・・・・・・ってなんで、ここがわかったの⁉」

「忘れたの?この間、お互いに場所がわかるようにってGPSつけたじゃん!」

「そういや、そうだったね・・・・・・」

 この人、何?悟さんに抱きついて、しかも、お互いの場所がわかるようにGPSつけたって・・・・・・まさか──

「もしかして・・・・・・浮気してたの?」

「!──いや、その・・・・・・」

 悟が口ごもると、そこに明美が、

「そうだよ!アタイら三週間前から付き合ってるんだ」

 話に入り込む。

「おい!」

「あんたの胸じゃ物足りないってアタイの胸触りながら、さとちゃん言ってたよ」

「明美ぃ!」

 悟がチラッと見る。

「・・・・・・」

「だって、もうアタイら茨城から東京に引っ越すんだよ。ここで何言おうが、別にいいじゃん?」

「何言ってるんだよ!いいわけ・・・・・・ごめん、幸」

 ・・・・・・あたしはこんな女に悟さんを盗られたの?どうして?胸が大きいから?

 幸は立ち上がり、ポシェットから財布を出す。

 そこから千円札を出して、テーブルに置き、

「お釣りはいらないから・・・・・・さよなら!」

 そう言って、涙目になりながら幸は去って行った。

 




しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

本を返すため婚約者の部屋へ向かったところ、女性を連れ込んでよく分からないことをしているところを目撃してしまいました。

四季
恋愛
本を返すため婚約者の部屋へ向かったところ、女性を連れ込んでよく分からないことをしているところを目撃してしまいました。

朝起きたら同じ部屋にいた婚約者が見知らぬ女と抱き合いながら寝ていました。……これは一体どういうことですか!?

四季
恋愛
朝起きたら同じ部屋にいた婚約者が見知らぬ女と抱き合いながら寝ていました。

極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~

恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」 そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。 私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。 葵は私のことを本当はどう思ってるの? 私は葵のことをどう思ってるの? 意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。 こうなったら確かめなくちゃ! 葵の気持ちも、自分の気持ちも! だけど甘い誘惑が多すぎて―― ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。

父が再婚してから酷い目に遭いましたが、最終的に皆罪人にして差し上げました

四季
恋愛
母親が亡くなり、父親に新しい妻が来てからというもの、私はいじめられ続けた。 だが、ただいじめられただけで終わる私ではない……!

わたしは婚約者の不倫の隠れ蓑

岡暁舟
恋愛
第一王子スミスと婚約した公爵令嬢のマリア。ところが、スミスが魅力された女は他にいた。同じく公爵令嬢のエリーゼ。マリアはスミスとエリーゼの密会に気が付いて……。 もう終わりにするしかない。そう確信したマリアだった。 本編終了しました。

思い出さなければ良かったのに

田沢みん
恋愛
「お前の29歳の誕生日には絶対に帰って来るから」そう言い残して3年後、彼は私の誕生日に帰って来た。 大事なことを忘れたまま。 *本編完結済。不定期で番外編を更新中です。

秘事

詩織
恋愛
妻が何か隠し事をしている感じがし、調べるようになった。 そしてその結果は...

処理中です...