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18話

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シャーロットの言葉にキョトンとした様子の父に、急いでベッド脇に放られていた鞄の中からロバートに渡すはずだった書類を取り出す。


「本来ならば、今日、校内で渡す予定だったのですが渡しそびれてしまいまして……。」
「ん?どれどれ……。」

シャーロットから渡された書類に目を通す公爵の表情はみるみる間に曇っていく。


「……これは、誰から渡された物だ?」
「?王妃殿下からです。」

父からの問いかけに疑問を抱きつつ即座に答えるが、依然として公爵の顔つきは厳しいままだ。
黙り込んでしまった父の様子に、機嫌を損ねてしまったのかと不安になる。


「シャーロット。他にも何か、任されているものはあるかい?」
「……はい。机の横の引き出しに入れてあります。机の鍵はこちらです。」

シャーロットは、ベッドの枕元にあるチェストの中から親指程の大きさの簡素な鍵を取り出す。
渡された鍵を使い、引き出しの中身を確認した公爵は思わず唸ってしまっていた。


「……お父様……?」
「……気にしなくていい、シャーロット。これは私が何とかしておこう。何も心配は要らないさ。さぁ、まずは休息だ。」

不安そうに見上げてくるシャーロットに、安心させるように優しく微笑んだ彼は、大量の書類を抱えて部屋を出ていった。

元々の執務に加えてシャーロットの分までこなすのか。だんだんシャーロットは申し訳無いようないたたまれないような気持ちになってくる。


「シャーロット、僕達ももう行くね。」
「あ、シャーロットを運んで来てくれたフランシア殿下だけど、明日お見舞いに来るってさ~。いや~さすがは王子さまだねぇ~……シャーロットをお姫様抱っこして連れてきたんだよ~」
「え゛……」
「特にシャーロットがしなきゃいけないこともないけど、一応伝えとくね。じゃあ、お大事に。」

さらっと伝えると、兄ふたりも部屋を出ていった。やはり運んで来てくれたのはユリウスだったようだ。
最後の記憶が彼と一緒にいた時だったからそんな気はしていたが……。

それより明日来るって言った??

……………………もういいや、寝よう。どうにでもなれ。


思考を放棄したシャーロットは深い眠りへと落ちていった。
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