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そこからは、先ほどの様子が夢だったのかと思えるほど、彼は次々とローズマリーを詰る。
そんなクロードの隣には片時も離れず満足げに笑うルルーが寄り添っていた。
だが、クロードのローズマリーに向ける非難の数々に満足したのだろうか、歪んだ笑みを一瞬で隠すと、心配そうな顔を作り上げた。


「まぁクロード様……そこまでになさって……?ローズマリー様がお可哀想……。」

先ほどと同じようなセリフを口にしながら、今度はローズマリーの方に駆け寄っていった。
優しげな表情のまま、慈しむようにそっと彼女の頬に触れたかと思えば、その薄く色づいた唇をそっとローズマリーの耳元に近づけた。


「ねぇ、あんたも転生者?ざまぁ返しでもするつもり?悪役令嬢に転生したって気付けたからって原作と違う行動とれば助かるとでも思ったの?それともおもしれー女狙い?悪いけど、これはヒロインである私のための物語なの。今更あんたが出張ってきたって結末は変わらない。私は王太子と結ばれてあんたはここで断罪されて処刑。スローライフ狙いで命だけは助かりたかったのかもしれないけど、ほんの少しでも原作と違う方向に主要キャラが動かれちゃ困るのよ。どんな影響を及ぼしてくるかわかんないでしょ?」
「あくや……?おも……だんざ……?すろ、何……?」
「あ~、あ~、今更惚けたって無駄よ。全部わかってんだから。んじゃっ、そーゆーことで。あんたの存在は、私たちの恋を盛り上げるためのスパイスにすぎないの。どう足掻いても死ぬ運命なのよ。……まぁ、恨むならヒロインも転生者であったことを恨みなさい。シナリオで決まってるんだもの。いくらあんたが足掻いたって同行できるものじゃないでしょ。」
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